災害看護のあり方を考える「国際学術集会」が開催されるみたい。街歩きで知る防災対策やワークショップなど一般向け企画も
画像:神戸公式観光写真ライブラリーより
©一般財団法人神戸観光局
阪神・淡路大震災の経験から神戸で生まれた「災害看護学」。震災30年の節目を迎えることから、災害看護のあり方について考える国際学術集会が神戸で開催されます。一般向け企画も予定されています。
世界レベルでの災害対応力アップを目的に誕生
「災害看護学」は、阪神・淡路大震災を機に学問として体系化された分野なんだそう。災害時における看護を学問として見直す必要性・重要性があるとして、1998年に日本災害看護学会が設立されました。
その後も世界各地で発生した地震などについて、最前線の医療従事者は各国における医療看護への知識や経験不足による「対応力の差」に直面したのだそう。
世界レベルでの知識・研究の共有、対応力の向上を図るため、2008年に日本が中心となって設立されたのが「世界災害看護学会」だそうです。
今回行われる『第8回世界災害看護学会国際学術集会』の参加予定者は、オンラインを含めると1000人規模になるんだとか。
神戸市西区にある神戸市看護大学で実施予定で、世界14カ国から看護・グローバルヘルス・防災・環境に携わる研究者、実践者が参加し、専門的なセッションや展示などで議論する場になるみたい。
街歩きや講座通じて防災について考える「市民公開企画」
市民も参加できる公開企画では、「HAT神戸」と「長田」エリアに点在する防災施設やコミュニティ施設をまち歩き用のチラシとデジタルマップにまとめ、各施設の歴史・活動・地域とのつながりなどを学べるミニツアーが開催されます。
参加者はそのマップを片手にまちを散策することで、震災復興の鍵となった人々やコミュニティに出合える機会になるんだとか。
ミニツアー① 「HAT神戸」エリアを散策し神戸の復興への取り組みを学ぶ
【開催日時】11月29日(金)11:00~12:00
【集合場所】兵庫国際交流会館
【コース】兵庫国際交流会館→兵庫県立美術館→人と防災未来センター→兵庫県災害医療センター など
ミニツアー② 「長田」エリアの多様なコミュニティとレジリエンスを体感する
【開催日時】12月1日(日)14:30~16:30
【集合場所】神戸市看護大学(13:30)または新長田駅(14:30)
【コース】神戸市看護大学→新長田駅→たかとり教会→ふたば学舎→六間道商店街 など
【参加方法】事前申し込み不要
【参加費】無料
日本の文化と最新技術で考える、防災展示・ワークショップ
阪神・淡路大震災から全国に広がった「まちの保健室」、開発実用されているスマホアプリを活用した避難訓練、グローバルな危機から未来の避難を考えるVR体験など、最新の知見を得ながら親子で学べる企画も実施予定。
日本の文化、食と健康をテーマにした持続可能な生活のワークショップなど、家族みんなで安心・安全について考える機会になるそうです。
開催日時
11月30日(土)12:00~17:00/12月1日(日)9:00~15:00
場所
神戸市立看護大学 体育館
参加方法
事前申し込み不要
参加費
無料
主な内容
・避難訓練の体験:VR・スマホアプリ・デジタル地図を活用した避難訓練や避難所運営の体験
・最新技術の展示:ドローン・医療コンテナ・シニアカーなど、安心な暮らしに必要な技術を紹介します。
・まちの保健室:看護師による健康や暮らしの相談が気軽に受けられるスペース。オンラインやVRを通じてグローバルなデジタル世界と繋がる健康相談を 提供します。
・こどもの遊び場:自然にあるものや廃材を活用し、どこでも作れる遊び場を設置します。
・日本の文化的な暮らし・持続可能なくらし:食や健康を考慮した持続可能な生活や、災害時に役立つ助け合いの料理を提供します。お土産の購入も可能です。
・阪神・淡路大震災後のまちづくり:震災後の暮らしの変遷、および災害現場での活動を紹介する映像を紹介します。
・最新の研究・学術雑誌の紹介
看護学生や訪日した研究者だけでなく、市民も参加できる企画があるので、災害看護学について興味を持った人は参加してみてはいかがでしょうか。