冬の高校スポーツ全国大会 駅伝男子 仕上がり順調、総合力で都大路を走り抜く大分東明 【大分県】
全国高校駅伝(都大路)の出場を懸けた県予選はオーバーペースにならぬよう勝負に徹し、全九州高校駅伝では攻めの走りで5位入賞した男子の大分東明。奥村隆太監督は「順調にきている。メンバー10人が狙いとする練習をほぼできていて、都大路に向けてめどはついた」と語る。
昨年4月にコーチから監督に就任した奥村監督。練習メニューの考案や選手との距離感など手探りなことが多かったが、今年1月に新チームになってから迷いが消えたという。選手、コーチを経験したからこそ、それぞれの立場で感じたことをチームづくりに落とし込んだ。「駅伝や長距離走で記録を伸ばして勝つためには、細部にこだわらなければいけない。日頃の練習、私生活が極限状態に追い込まれたときに、結果に現れる」
意識を高く持ちジョギングする
最初に取り組んだのは、あいさつや日常生活を正すこと。競技においては、基本となるジョギングから見直した。キャプテンの岩尾春(3年)に対し、「自分の行動で範を示し、それに刺激を受けた仲間たちが成長することで、今度は自分のパフォーマンスが引き上げられる」と説き、先頭に立ってチームを引っ張ることを求めた。好不調の波の大きかった清田知希(同)には、「チームの中心としての自覚を持て。言動から見つめ直せ」と何度も面談を重ねた。その結果、清田はエースと呼べるまでに大きく成長した。
それぞれの選手に声をかけるタイミングを図って的確なアドバイスを送ったことで、選手のモチベーションが上がり、選手自らの意思で練習に取り組む環境ができた。「1人の力でレースに勝つことはできない。それほど駅伝は甘くない。でも、1人の存在でチームは変わる」と奥村監督。それが2人、3人になれば相乗効果は大きくなる。今年のチームは飛び抜けた選手はいないが総合力は高い。目指すは20位以内。出走するメンバーがそれぞれの役割を担い、力を発揮すれば目標達成は可能だ。今年1年の集大成として都大路を走り抜く。
都大路では20位以内を目指す
(柚野真也)