【手帳で目標達成!】『夢をかなえるゾウ』の著者と考える、モチベーションを落とさない手帳術。
自分の目標に向かってがんばるためにほぼ日手帳をうまく役立てたい!夢に少しでも近づくためのいい手帳の使い方はないかしら?日々をいっしょに過ごす手帳だからこそ、目標達成のための頼れる相棒として手帳をしっかり使いたいというかたもいらっしゃるかもしれません。どんな使い方・考え方をするとほぼ日手帳で目標や夢に近づけるのでしょうか。第1回、モチベーションを落とさない手帳術を、『夢をかなえるゾウ』の著者水野敬也さんといっしょに考えてみました。
目標を決めてもできない自分がいる
大事なのはモチベーション
――
水野さんは『夢をかなえるゾウ』をはじめとした著書で、夢をかなえるための具体的なヒントをたくさん提案されています。今日はお話しながら「ほぼ日手帳を使って夢や目標を目指したい!」というときに、どんな使い方や考え方をすればいいかアイデアをいただけたらうれしいなと思っています。
水野
よろしくお願いします。そもそも、ぼくが『夢をかなえるゾウ』を書いた理由は、目標を決めてもやれないっていう自分がいたからなんです。自己啓発本って、読むと煽られるしテンションも上がるんですよね。でもいざ高い目標を設定して、できないと、本を読む前よりモチベーションが下がってないか? みたいなことがよくあって。
――
こう行動するといいんだということは頭でわかっても実行するとなるとどうも腰が重くなってしまいます。その点『夢をかなえるゾウ』は「靴を磨く」とか「まっすぐ帰宅する」とかすぐにできそうな課題ばかり書いてあるので最初の一歩を踏み出しやすいです。
水野
いかに自分のテンションやモチベーションが上がるかが、ほぼ日手帳を使う上でもすごく大事だとぼくは思います。
――
モチベーションが大事。
水野
たとえば、ほぼ日手帳の1日ページにはTODOリストがありますよね。TODOリストは、今日これをやるっていう目標を書くだけじゃなくて、あとからここを見返したときに「こんなにがんばってきたんだ」っていう自分を励ますような役割もあると思うんです。
――
あ、それならやらなきゃいけないタスクというより、自分ががんばってきたことが並んでいる、という見え方になりますね。
水野
いまのは一例ですが、こんなふうに大きな方針としては自分のテンションを上げてくれたりするもの」と考えられるとよさそうです。
手帳に書くと夢はかなう?
――
ストレートに聞いてしまうのですが、手帳に自分の夢や目標、やりたいことをたくさん書くとかないやすい、みたいなことってあるのでしょうか。
水野
そうですね‥‥。これからやりたいことや夢を書こうとすると、できていないことばかりを書くことになっちゃうじゃないですか。大切なのは自分のモチベーションなので、たくさん書いて、書いたことに満足してしまってあとからテンションが下がらないようにできるといいのかなと思います。
――
そうでした。まずはモチベーションが保てないと、ですね。
水野
たとえばひとつの方法として、これからかなえたい夢をもう過去にかなえてきた夢の中に紛らわせておくのもいいと思います。
――
紛らわせておく?
水野
ぼくは、最初に本を出したいなって思ったのが2002年2月だったんですけど、そのときは勤めていた職場も辞めてしまってフリーターみたいな感じだったんです。本を書くといっても、まだ何者でもないわけですね。その頃、世の中に出ている実用書って、結果を出した人がどうやってそれを達成したかみたいな本しかなかったんです。何者でもない自分に、本なんか出せるのかと。結局、その1年後に『ウケる技術』っていう本の出版が決まるんですけどそれまでの1年間はかなり不安でした。
――
すごいです!その1年は本当に努力されたのでしょうね。
水野
いまになって思うのは、過去にがんばって達成できた出来事があって、その上にこれからの夢があるんだなということです。過去のがんばりを振り返って見られる状態にしておく、手帳のページに書いておくのも、いまの自分にとってすごくいいことのような気がしています。
――
積み重ねてきた過去の延長線上に輝く未来があるイメージになりますね。
水野
誰でもこれまでを振り返ってみるとできるようになったこと、やれてきたこともたくさんあるはずです。過去にかなえてきた夢と、これからかなえようとする夢が同居してるっていう状態を作ると、よりかないやすいようにも思います。
過去の辛かったことランキング
――
水野さんはいま、手帳を使っていますか。
水野
持ってはいるんですけど、全然ここに集約はできていないんです。そういう意味でいうと、メインで使っているのはパソコンのメモ帳です。
――
カレンダー機能のあるソフトじゃなくて、メモ帳なんですか?
水野
普通の白いメモ帳です。開くと一番上にひとつの目標が大きく書いてあってその下からは日々のTODOがずらっと書いてあります。
――
1つのメモ帳に毎日TODOを書き足しているんですか。
水野
そう、メモ帳は1つだけです。だからとてつもなく長いファイルになってます。すでに終わったTODOリストが下のほうにずらーーーっと。
――
おお~。
水野
それをたまに見ながら「ああ、こういう苦しみを乗り越えてきたんだな」と(笑)。すごく凹んだ日に過去の辛かったことランキングを見たりもします。
――
辛かったことランキング!そんなものまで。
水野
1位から10位までランキングになっていて、1位や2位には、そうそう簡単に食い込めません。だから、なにか凹むことが起きても「辛いけど、いまの辛さは過去の10位以内にも入っていないな」って。
――
まだまだ大丈夫だぞ、負けないぞとなるわけですね。
水野
あ、だから同じようにほぼ日手帳でもすごく大変だった日にはマークをつけておいたり、後ろのほうのページに辛かったことランキングをまとめておいたりするのもいいかもしれないですね。凹んだときに見返すことで乗り切ってきた自分、がんばってきた自分を確認できますから。
MEMO
・手帳は自分を励ましてくれたりテンションを上げてくれたりするもの。
・これからやりたいこと(できていないこと)を書き出すよりも、過去の夢(これまでにできたこと)と未来の夢をまぜて書いてみる。
・辛かったことランキングを作っておいて、辛いときや凹んだときに見直す。
・たとえば水野さんのお話をもとにこれからやりたいことを書き出してみたもの。
・すでにかなったことも書いてあるため、がんばれば全部に◯をつけられそうな気も。
たとえば
水野さんのお話をもとにこれからやりたいことを書き出してみたもの。すでにかなったことも書いてあるため、がんばれば全部に◯をつけられそうな気も。
(出典:ほぼ日刊イトイ新聞 作家・水野敬也さんと考えてみました。ほぼ日手帳で目標達成!(1)目標を決めてもできない自分がいる)
水野敬也(みずの・けいや)さんのプロフィール
作家。愛知県生まれ。著書に「夢をかなえるゾウ」シリーズほか、「雨の日も、晴れ男」「顔ニモマケズ」「運命の恋をかなえるスタンダール」「四つ話のクローバー」、共著に「人生はニャンとかなる!」「最近、地球が暑くてクマってます。」「サラリーマン大喜利」「ウケる技術」など。また、画・鉄拳の絵本に「それでも僕は夢を見る」「あなたの物語」「もしも悩みがなかったら」、恋愛体育教師・水野愛也として「LOVE理論」「スパルタ婚活塾」、映像作品ではDVD「温厚な上司の怒らせ方」の企画・脚本、映画「イン・ザ・ヒーロー」の脚本を手掛けるなど活動は多岐にわたる。現在、4人の子ども(7、4、1、0歳)の父親として子育てに奮闘中。
ほぼ日では「ほぼ日の學校」の授業「はじめの目的は、なんとか『モテたい』だった。」に出演しているほか、「聞く、ほぼ日。」のコンテンツ「子育て本を100冊読んだのに正解がわからなくて泣いてます。」を連載中。