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デビュー作でいきなりヘアヌード! その時鈴木砂羽さんは??

TBSラジオ

ファッションデザイナー:コシノジュンコが、それぞれのジャンルのトップランナーをゲストに迎え、人と人の繋がりや、出会いと共感を発見する番組。

鈴木砂羽さん
1972年、静岡県浜松市生まれ。1994年に主演デビュー映画「愛の新世界」で第37回ブルーリボン賞新人賞を受賞した後、TVドラマ「相棒シリーズ」をはじめ、映画、舞台、バラエティ番組に出演するほか、舞台演出や漫画の執筆など多岐にわたって活躍しています。

出水:砂羽さんは静岡県浜内市のご出身ですが、小さい頃はどんな女の子だったんでしょう?

鈴木:結構1人遊びが好きで、よく砂でお城作ったり、泥の料理作ったり、粘土で何か作ったり、段ボール紙で家作ったり・・・何か作ってましたね。両親も共働きで家にいないこともあったんで。でも友だちも近所にいっぱいいたんで、大体いつも友達と遊んで、夜は勉強もしないでずっと工作したりとか。

JK:どっちかというと芸術家一家ですよね。自分の作品を作って発表するとかいうビジョンはないですか?

鈴木:祖父も画家だったので、よく絵を描いておじいちゃんに見てもらってましたね。おじいちゃんは風景が主で、油絵とかやってて、浜松市の砂丘をよく描いてて。母も風景画だったかな? わりと母の方がふんわりした優しい絵で、父は本当に現代アートです。

JK:じゃあ家にアトリエがあって、いつもそこに絵の具を置いて、いつでも描ける状態? あなたは描きたいと思わなかったの?

鈴木:子どもの時からモダンバレエを習わせていただいたんですけど、ステージに上がった時に、人前でパフォーマンスするってことに魅了されて。父が自主制作映画を撮っててよくカメラを回してたので、撮ったり撮られたりっていうことをしているうちに撮られる方が楽しいなって思うようになって(笑)

JK:それで女優の道へ?

鈴木:高校時代も友達と映画とか作ったりして、そのうち「女優になろうかな」って思って。ダンサーとか画家っていう手もあったんですけど、やっぱり初志貫徹、女優になろうと。ただ「女優になりたいからって東京には行かせない」って両親に言われたんですよね。「ちゃんと東京に行く切符がなければ生かせない、バイトなんかして根無し草みたいにしてたら、あんたみたいなタイプは絶対ダメになるから」って言われて。じゃあわかりましたって、それまで全然勉強してなかったんですけど「美大受験します」って言って、急に受験勉強でデッサンの勉強とか始めて女子美に行ったんですね。女子美って言っても短大なんですけど、もともと絵が描きたくて行ってるわけではないので、俳優の道を目指すにはどうしたらいいかっていうのを考えてるうちに、どんどん出席日数足りなくなって中退するんです。「お前は短大すらいけないのか! 両親にお金出させて何なんだ」「絶対女優になるからやめさせてください」って。

JK:それでやめて?

鈴木:他にも紆余曲折あったんですけど、文学座っていう俳優の養成所のオーディション受けに行って、そこで1年間勉強するんだけど、舞台に立つのがめちゃくちゃ楽しくて!

JK:そういうのってすぐ舞台に立てるんですか?

鈴木:研究生発表会っていうのがあって、1年に3回くらい信濃町のアトリエ公演があって。研究生から研修生、研修生から準座員、準座員から座員って段階があるんですけど、見事研究生で落とされましてですね・・・「え、どうして?!結構いいとこ行ってたはずなんだけど?」と思って落ち込んでる時に、同じ研究生だった人が紹介してくださったのが、「愛の新世界」っていう映画のオーディション。写真家のアラーキー映画監督の高橋伴明さんのコラボで、ある風俗上の実話化みたいな。

JK:アラーキーさんってヌードばっかり撮るのよ。

鈴木:ヌード写真を撮りながら同時に映画を撮るっていう企画になってて、オーディション行ったらなんと主演女優に受かって、そこからデビューすることになって・・・初めて出た映画でいきなりヌード。当時はヘアヌード写真集の全盛期だったんで私もバーンと脱いで。でも先週も言いましたけど、私ヌード慣れしてたんで(笑)美術図鑑とか家にいっぱいあったので、自分はトルソぐらいの気持ちでいたので、裸になることに対してあんまり抵抗がなかった・・・って言えば聞こえがいいんですけど、何も考えてなかったんです。あんまり「ヘアヌードどうしよう」とかっていうのはなかったんですよ。

出水:映画に出られるとか、作品が残せるっていう喜びの方が大きかったんでしょうね。

JK:その映画ヒットしたんですか?

出水:ヒットしました。その年の新人賞を総なめって言われた新人だったんですよ(^^)

JK:それはもう大成功! じゃあ親はびっくり?

鈴木:こういう親だったんで「あっそう」みたいな感じで(笑)でも母は心配してましたけどね、ヌードになったり裸になったり、娘が世間に晒されるっていうことで。でも父親はとっても喜んでて、「アラーキーなんていいじゃん、すげえじゃん」とか。

出水:いきなり初主演のプレッシャーとか不安とか、演技が思うようにいかない、みたいな葛藤は当時ありましたか?

鈴木:それ新人当時からも聞かれていたんですけど、本当になくて(^^;)全然自慢でもないんですけど、こうなることが分かっていたかのような・・・本当にレールは引かれていたんだなって。今だから思うけど、あの当時は聞かれてもどういう意味なのかよく分からなくて、なんかできちゃったんだよね、みたいな感じで不思議でしたね。

JK:見事な第1歩! ずっとこれからも女優やっていくわけだけど、これからどんなことをやりたい?

鈴木:そうですね、ちょっと「相棒」が続いてるんで・・・。

JK:「相棒」すごいじゃないですか! どこまで続くのか知らないけど。

鈴木:ね! これも本当に運命的なもので、26歳から30歳過ぎぐらいまで寺脇さんの奥様役をやらせていただいて、そこからちょっと空くんですよね。別の相棒が水谷さんの横に何代か続いた後、2022年・・・それこそマサカですよ! 寺脇さんと私がまた水谷さんの横につくことがあるんだ!と思って。すごく感慨深いものでした。

出水:寺脇さんとのタッグがまた復活したわけじゃないですか。現場では「これこれ、懐かしい!」ってなるんですか?

JK:時を経てあまりブランクを感じませんでしたね。あっという間に現場に馴染んで、「こうだったな」っていうのが蘇ってきて、こういうふうに続けていけるってことは本当にすごいなと思いました。

JK:砂羽さん、人生のマサカで思い出すことありますか?

鈴木:「相棒」に復帰できるのもマサカなんですが、やっぱりコシノ・ジュンコ演じるってことはマサカでしょう! だってコシノ・ジュンコですよ! 私たち俳優にとって実在する方を演じる機会ってなかなかないし、自分の分野外っていうか、ファッションデザイナーの方に会うことはこれまでなかったことだし。世界的デザイナーのコシノさんにお会いできるなんて本当にマサカって思いましたね。

JK:嬉しいね(^^)あらためて嬉しいです。

出水:実在の人物を演じる時は、ちょっとやはり気を遣ったりとか?

鈴木:しますよ、それは! それこそ「私と違う」って言われたらどうしようとか、「どうなの?」って感じになっちゃうといけないんで。

出水:「ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯」は現在公開中ですけれども、演じる上で工夫したこととか、注目してほしいっていうところがあればぜひ教えてください。

鈴木:前半と後半で映画の作りが変わっていて、前半はアヤコさんがこうなったきっかけみたいな、ちょっとした青春ストーリーも入りつつ、なぜこんな風に小篠家ができていったのかっていうところもご興味ある方は「ほぉ~」と思って見られると思うし、三姉妹が生まれた後は一転して、アヤコさんの子育ての考え方とか、三姉妹のごちゃごちゃ、わちゃわちゃが見られて楽しくなってるんで、なんか二部性のような構成になってますね。

JK:撮影所に1回だけ行ったんですよ。うちの息子と階段上がるところ、ちょっとだけ出てるの。ウォーリーを探せじゃないけど。

出水:出てるんですか、ジュンコさん?!

鈴木:ジュンコを見つけろ!みたいな(笑)

JK:ちょろっと、あんな映ってるんかなーって感じですけど。たまたま大阪からついでに寄ったんですよ。「ちょっとここ歩いてください」みたいな。よくわかんなくて。

鈴木:ビックリしました。パッと来て、パッと帰られたっていう印象だったですけど(笑)

出水:砂羽さんは2023年4月に独立して、会社を立ち上げてらっしゃいますけれども、これはどんな思いで?

鈴木:まぁ時代の風に押されたというか、ホリプロさんには30年所属してさせていただいて、それこそ「愛の新世界」のデビューから本当にお世話になって、満を持して「ちょっと1人でやってみたいです」っていう話をしたら、「お前のことだからしゃぁない」みたいな(笑)「仲間としていられないのはもちろん残念だけど、キバリなさい」と言葉をいただいて。

JK:新しい出発ですね。

鈴木:やっぱり違うことを経験したいんですよね。ずっと同じところにいると自分が変わっていかない気がするので、いつも常に新しい環境を。やっぱり1人でいれることで自分の考えを自由に発信できたりとか、あまり忖度なくモノを言っていきたいと思ったからかもしれないですね。

JK:そうね、自分で動かなきゃダメですよね。でもいろんな可能性があるから、これから楽しみじゃないですか。自分がこれからやりたいことを本当に実現していかないと。

鈴木:そうですね、先生を見ていると本当にそう思う。フルスロットルじゃないですか。

JK:思ったら行動すればいいの。思っているだけでは見えないから。そうすると、ああしようこうしよう、誰に会おう、っていうのがパパッと出るから。

鈴木:そうそう、1人じゃ生きていけないし、できないんですもんね。でも言わなきゃやらないですもんね。

JK:言わないとダメ、人に聞こえるように言わないと。自分でこっそり言ってても
分からない。恥ずかしくても、自分の耳が聴いてるから責任持つのよ。言った限りはやるわって。やりたいのよって言ってみたら、責任感じて、それに関係する人に会おうとか着々と形になっていくから。言わなければ何にも始まらない!

(TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)

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