軽自動車とコンパクトカーの違い|維持費や安全性など比較ポイントは?
軽自動車とコンパクトカーの違いを初心者向けに分かりやすく解説。さらに「買うならどちらが良い?」と迷う方に向けて、両者の比較ポイントをまとめました。
軽自動車とコンパクトカーの違い5つ
ここでは、軽自動車とコンパクトカーの定義や法律上での扱いについて、明確に異なる部分を5つご紹介します。
違い①大きさ
軽自動車とコンパクトカーはどちらも小さめの車ですが、軽自動車のほうがより小さいです。
軽自動車のサイズ規格は、全長3.40m以下×全幅1.48m以下×全高2.00m以下と定められています。一方、コンパクトカーは一般に「小型自動車」と呼ばれる車を指すことが多く、その規格は全長4.70m以下×全幅1.70m以下×全高2.00m以下です。
違い②乗車定員
乗車定員は軽自動車が「4人」、コンパクトカーが「5人」です。
広さ重視の車種であれば、どちらも乗車定員までは広々と座れます。ただし、軽自動車はコンパクトカーと比べて荷室が狭いです。そのため、4人+多めの荷物となると窮屈でしょう。
違い③エンジンの排気量
軽自動車とコンパクトカーでは、軽自動車のほうが排気量が小さいです。
軽自動車の排気量は、法律で「660cc以下」と定められています。一方、コンパクトカーの排気量は一般に1,000cc〜1,500cc程度です。
排気量の小さい軽自動車は、高速道路での加速や坂道走行に弱い傾向があります。ただし、ターボエンジン搭載車であれば比較的パワフルに走行します。
違い④ナンバープレートの色
自家用車の場合、ナンバープレートは軽自動車が「黄色」、コンパクトカーが「白」です。
なお、コンパクトカーに限らず自家用の普通車はどの車もナンバープレートが白です。軽自動車だけ色が異なります。
違い⑤税金の課税額
軽自動車とコンパクトカーでは、基本的に軽自動車のほうが税金が少額です。
軽自動車
コンパクトカー
※排気量1490cc、車両重量1,100kgの場合
軽自動車税/自動車税
(1年分)
10,800円
30,500円
自動車重量税
(1年分)
3,300円
12,300円
※ともに新規登録(届出)から13年未満で2019年10月以降に新車として購入、エコカーに該当しない場合。
軽自動車は、車種を問わず軽自動車税や自動車重量税の課税額が一律です。一方、コンパクトカーは各車種の排気量や車両重量に応じて税金の課税額が変わります。
ただし、どれだけ排気量が小さく、車両重量の軽い車を選んでも、コンパクトカーの税金は軽自動車より高いです。
軽自動車とコンパクトカーの代表車種
代表車種は、それぞれ以下の通りです。
【軽自動車】N-BOX、スペーシア、タント、ルークス、ハスラー、ムーヴ、ワゴンRなど
【コンパクトカー】アクア、ノート、フィット、ソリオ、ルーミー、スイフトなど
軽自動車とコンパクトカーの比較ポイント6つ
ここでは、軽自動車とコンパクトカーの購入で迷ったときに比較すべきポイントを6つご紹介します。
ポイント①車両価格
軽自動車とコンパクトカーのうち、代表車種の新車時価格(最安モデル)は以下の通りです。
分類
軽自動車
コンパクトカー
車種名
N-BOX
スペーシア
タント
アクア
ノート
フィット
新車時価格
169万円
153万円
145.2万円
214.6万円
229.9万円
172万円
平均価格
155.7万円
205.5万円
※2025年4月16日時点の情報
全体的に見ると、軽自動車のほうが価格は安い傾向があります。上記3車種は全高の高い車で比較的高価ですが、全高の低い軽自動車なら100万円少々で購入できる車種もあります。
一方、コンパクトカーでも安い車種は150万円ほどで購入でき、比べる車種によっては軽自動車よりも安いです。また、上記3車種のうちアクアとノートは全車本格ハイブリッド搭載で、高価ながらも燃費が良いです。
ポイント②維持費
維持費は、軽自動車のほうが安い傾向があります。軽自動車は税金が少額で、任意保険料や車検費用なども安価な傾向があるからです。
ただし、車種によってはコンパクトカーでも維持費が安く、軽自動車との差が小さい場合もあります。また、維持費は燃費性能や走行距離によっても変わるので、一概に「軽自動車のほうが安い」とは言い切れません。
ポイント③燃費
燃費は車種による差が大きいですが、目安は以下の通りです。
•軽自動車:約18km/L~28km/L
•コンパクトカー:約16km/L~36km/L
コンパクトカーの場合は本格的なハイブリッドシステムを搭載している車も多く、こうした車は軽自動車よりずっと燃費が良いです。
ポイント④安全性
安全性は、一般にコンパクトカーのほうが優れていると考えられています。軽自動車より車両が大きく安定感があり、全幅の広さや荷室の分だけ側面・後方の衝突にも強いからです。
ただし、現在は基本的にどの車も安全レベルが高いです。安全性が気になる場合は、個々の車種で安全装備を比較しましょう。特に、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の性能とエアバッグの種類・数にこだわってください。
ポイント⑤運転のしやすさ
軽自動車とコンパクトカーはどちらも運転しやすいですが、より小型な軽自動車のほうが小回りも利き、ぶつけるリスクは低いでしょう。
ポイント⑥疲れにくさ・乗り心地
疲れにくさや乗り心地は、一般にコンパクトカーのほうが優れています。コンパクトカーは軽自動車より加速がスムーズで、乗り心地の良い車も多いです。また、ハイブリッド車なら静粛性にも優れています。
軽自動車は基本的に短距離走行を前提としており、また価格の安さを売りとしています。そのため、走りのパワーに欠け、乗り心地もやや硬い傾向があります。
ただし、前述のようにターボエンジン搭載車なら高速道路や坂道も比較的楽です。
軽自動車とコンパクトカーの維持費をシミュレーション
ここでは、軽自動車(ホンダ N-BOX)とコンパクトカー(トヨタ アクア)を例に、維持費のシミュレーションを行いました。
軽自動車
N-BOX(2WD)
コンパクトカー
アクア(X、2WD)
燃料代
155,556円
97,110円
軽自動車税/
自動車税
21,600円
61,000円
自動車重量税
6,600円
24,600円
自賠責保険
17,540円
17,650円
任意保険
137,712円
169,464円
車検点検料金
33,550円
34,650円
メンテナンス費目安
35,000円
35,000円
2年合計407,558円439,474円
年間目安203,779円219,737円
月々目安16,982円18,311円
※年間走行距離10,000km、レギュラーガソリン168円/Lで計算。燃料消費率は新車時のカタログ燃費であり、グレード・駆動方式・車両重量、使用環境や運転方法に応じて異なる。軽自動車税/自動車税は2022年4月1日以降購入として計算。自動車保険は35歳以上、14等級、全車車両保険価格以外は同条件で見積もり。車検点検料金はガリバーの車検サービスを利用した場合の目安費用。保安基準不適合箇所やその他不具合箇所等交換作業工賃や部品代は含んでいない。オイル交換を6ヶ月に1回5,000円、バッテリー交換を2年に1回20,000円、タイヤ交換を4年に1回50,000円で行ったとして計算。上記はあくまで参考値です。
上記のシミュレーションでは、軽自動車(N-BOX)のほうが維持費が安いものの、その差はわずかです。アクアは全車ハイブリッドシステム搭載で燃費性能が優れており、燃料代が安く抑えられています。
軽自動車とコンパクトカーはどちらが良いの?
軽自動車とコンパクトカーのどちらが良いかは、利用状況や目的によって異なります。迷う方は、以下を一つの参考にしてください。
•近距離の走行でしか使わない:軽自動車
•ぶつけるリスクを極力下げたい:軽自動車
•車のコストを極力抑えたい:軽自動車
•乗るのは最大4人で荷物も少なめ:軽自動車
•適度に中~長距離を運転する:コンパクトカー
•5人で乗ることがある:コンパクトカー
軽自動車とコンパクトカーを選ぶポイントとしては、特に①走行距離の長短、②乗車人数を中心に考えると良いでしょう。
Supervised by norico編集長 村田創( https://221616.com/norico/hajime-murata/ )
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!