角野隼斗とジャン=マルク・ルイサダが共演 『リサイタル・シリーズ「VS」Vol.10』の開催が決定
2025年12月25日(木)東京芸術劇場 コンサートホールにて、『リサイタル・シリーズ「VS」Vol.10 角野隼斗×ジャン=マルク・ルイサダ』が開催されることが決定した。
東京芸術劇場 コンサートホールは、室内楽やピアノ・リサイタルにも適しており、「リサイタル・シリーズ」を行ってきた。2021年から、国内外で活躍するピアニストを迎えて、「リサイタル・シリーズ『VS』」をスタート。異なるスタイルを持つピアニストが、「デュオ(2台のピアノ)演奏」によって、熱狂的な空間を創造するリサイタル・シリーズだ。
これまでに、ショパン国際ピアノコンクールで入賞し、音楽ファンを問わず話題を呼んでいる 反田恭平と小林愛実、若手ピアニストの亀井聖矢とイム・ユンチャン、務川慧悟とナターリア・ミルステインによるストラヴィンスキーの三大バレエ音楽など、異色のコラボレーションを実現することにより、注目を集めてきた。
5年目を迎えるリサイタル・シリーズ「VS」の記念すべきVol.10は、音楽ファンのみならず、世界中から熱い視線を集める異色のピアニスト 角野隼斗が満を持して登場する。そして、角野が今回共演者として熱望したのは、彼の師であり、フランスの大家 ジャン=マルク・ルイサダ。この度、奇跡的に多忙なふたりの師弟共演が実現する。
全く異なる個性を持った師弟共演はどのような音楽を紡ぐのか、期待しよう。
角野隼斗 コメント
ルイサダ先生と初めて会ったのは、パリに留学していた2018年のことでした。ある日サル・ガヴォーでのピアノリサイタルを見つけ、迷わずチケットを買いました。その時に演奏したモーツァルトとシューベルトは、当時パリで見たどんなものよりも美しかった。その後どうにかレッスンを受けられないかと思い、縁を辿って幸運にも実現しました。それから7年が経ちますが、今でも多くを学び続けています。 先生の音楽はいつも真珠のようにキラキラとしていて、気品に満ちていて、少しのユーモアがあって、レッスンの度に溢れ出す音楽を必死で受け止めようとする時間は、私にとってかけがえのないものです。長年お世話になってきた先生と今回初めて共演できる喜びを、私は何と表現すれば良いでしょうか。「VS」という企画の名の下で先生の横に並んでしまうことはただ身のすくむ思いですが、それは一旦忘れて、音楽を楽しみたいと思います。
ジャン=マルク・ルイサダ コメント
クリスマス当日に開催する私たち2人のコンサートに向け、祝祭的で魔法のようなプログラムを考えました。このプログラムがコンサートに光と詩情をもたらしてくれることを願っています。
まずは、誰もがよく知っている“夜の音楽”で始めましょう。甘美で夢のようで、幕開けにふさわしい曲です。私が隼斗にラヴェルの『マ・メール・ロワ』やフォーレの『ドリー』のような夢幻的な曲を弾いてみないかと提案したのは、彼のタッチがどれほど幻想的で繊細かを知っているからです。それと同時に、個人的にとても思い入れがあり、また、隼斗にとっては比較的新しいレパートリーであるシューベルトとブラームスの曲を彼と共に弾けることを大変うれしく思っています。シューベルトの『ロザムンデ』は、優しく繊細で、クリスマス・コンサートにぴったりだと思います。ブラームスからは、コンサートの祝祭的な雰囲気によく合う素晴らしいワルツを数曲選びました。チャイコフスキーは、もちろん『くるみ割り人形』から《花のワルツ》と《金平糖の踊り》をお届けします。クリスマスには欠かせませんから!
2人の個性に合った、とても私たちらしいプログラムとなりました。初めて弟子と一緒に演奏できることは私にとって大きな喜びですし、このまたとない機会を観客の皆さんと分かち合えることを大変喜ばしく思っています。