【ノマセ釣り】冬の鍋料理の主役をGET!高級魚をねらう「ノマセ釣り」とは?
日頃、堤防そのほかのオカッパリをメインに釣りをするなかで、「沖に出ればもっと大物が…、もっとたくさん釣れるのになぁ」なんて思ったことはありませんか? 釣り人として「もっと釣りたい」欲が生まれるのは必然です。とはいえ、船に乗るには道具や釣り方、そもそも船の乗り方さえも分からず、少々ハードルが高いのも事実。そんなモヤモヤを抱えつつ次のステップアップを夢見るアングラーに向けて、経験豊富なHEATライター陣が優しく指南してくれる当「船釣りのはじめ方」企画。
第12回目の今回は、冬だからこそ美味しくなる魚をねらって楽しむ「ノマセ釣り」の準備や釣り方の手順について、KAKUFUJIさんが丁寧にアドバイスしてくれます。
冬を迎えると、海の中は鍋の具材として人気が高いクエなどの根魚や、脂が乗り美味しさが増すブリなどがたくさん! もちろん年中美味しい魚ですが、水温が下がり始める秋に越冬のために多くエサを食べ、冬には脂を蓄えてひじょうに濃厚な味わいとなります。
しかし、これらの魚をねらうとなると岸からは難しく、やはり船釣りでねらうのが一番。船釣りは何かと「ハードルが高い!」と思われがちですが、その予約方法や道具の準備、釣り方などが分かってしまえばなんてことはありません。そんな一連の流れを解説してくれていますよ。
「ノマセ釣り」とはどんな釣りか?
「ノマセ釣り」とは、専用の仕掛にエサとなる小魚(アジやイワシ)を生きたままハリに掛け、大物が潜む水深(タナ)まで仕掛を下ろし、食いつくのを待つ釣りです。エサの付いた仕掛を船長の指示通りに落とし、魚が食らいつくまで待つだけなので、ひじょうにかんたんな釣りです。
生きエサを使用するため、ヒラメ・ブリ・カンパチ・クエ・カサゴなど、根魚以外の高級魚が釣れることも。とにかく、何が釣れるか分からないワクワク感がある釣りです。
エサに使用したウルメイワシ。時期や場所、タイミングによって小アジなどもエサにします
ノマセ釣りの準備
まずは船の予約から!
船釣りを始めるにあたり、「どの船を選べばいいのか?」「どのように船を予約すればいいのか?」といった問題が出てくると思います。そんなときはまず、遊漁船や船宿のHPから当日の釣りモノの予定を確認しましょう。
釣り船は、時期、船長の得意な釣り方など、さまざまな条件で釣りモノを案内しています。釣行当日の釣りモノが「ノマセ釣り」で設定されているかをチェックします。もちろん、電話での問い合わせもOKです。しかし船長に直接確認する場合は、午前中は操船中の可能性が高いため時間に留意し、午後に電話するのをおすすめします。
また、HPを確認する際、「初心者大歓迎」などの案内がないか探してみましょう。初心者向けの案内があれば、初めての方へのサポート体制が整っていると思われます。そのような釣り船であれば、予約をする際に初心者であることを伝えるようにしましょう。恥ずかしがらずしっかりその旨を伝えておけば、船長から見えやすい釣り座を確保してくれるなど、初めての船釣りを全力でサポートしてもらえるはずです。
さらに、女性や子ども連れの方はトイレの確認も行っておくといいでしょう。最近の釣り船はトイレ付きが主流となっているため心配する必要はあまりありませんが、トイレや設備が古い船もあります。「トイレが洋式なのか和式なのか」「古いのかリノベーションしてキレイなのか」など、事前にチェックしておくとよいでしょう。
釣りをエンジョイするために、必需品をお忘れなく!
釣り船を利用にあたり、最低限必要になるのはライフジャケットです。釣り船で使用できるライフジャケットは「桜マーク」が付いているもののみとなります。
「桜マーク」とは国交省認定品であることを意味するマークであり、2018年2月1日よりこの桜マーク入りライフジャケットの常備着用が義務化されました。最近ではレジャーブームに伴い、ホームセンターやアウトドアショップでライフジャケットが販売されていますが、ほとんどが桜マークの付いていないものです。船釣り利用を目的に購入する際は、桜マークを確認するようにしましょう。
とはいえ、もちろん船での貸し出しもあるため、レンタル希望の方は事前に予約をしておけば大丈夫です。
次に、船を利用するときにつきものの…「船酔い」を防ぐおすすめ方法をご紹介します。
船酔いが心配な方は前日しっかりと睡眠を取ることはもちろんですが、「酔い止め薬」を服用すれば安心です。酔い止め薬には多くの種類があり、どれを買うか迷うこともあるでしょう。私のおすすめは「アネロン(エスエス製薬)」という酔い止め薬です。個人的にもよく効く気がしますし、釣り人の間ではもはや定番ですね。
釣り道具の準備!
タックルはレンタルがおすすめ!!
船釣りの場合、竿、リールなどは岸釣りに比べてひじょうに高価なため、それらの道具はレンタルすることをおすすめします。各釣り船でレンタルの有無は予約時に確認することができるので、レンタルタックルがある場合は、予約時に忘れずに伝えるようにしましょう。
船釣りタックルは多種多様で、船釣り入門時に的確に道具を選ぶのは難しいことの一つ。まずはレンタルタックルで釣りを楽しんで、その後、もし船釣りに魅力を感じて続けようと思えば、自分専用のタックルを購入する。そんな流れがいいのではないでしょうか。
そのほか、魚を持って帰るクーラーボックスは持参しましょう。大きさは当日釣れる魚によって変わりますが、(ノマセ釣りの場合は)最低でも45L以上は準備することをおすすめします。
また、冬の釣りはひじょうに寒さがこたえます。十分な防寒具を用意し寒さ対策を行いましょう。
仕掛はどうする?
釣具店スタッフや船長に教えてもらおう!
仕掛は釣り船でも購入可能な場合が多いですが、船での在庫が少ない場合もあるため、釣具店で事前に購入しておくことをおすすめします。ノマセ釣りの仕掛はハリの形状、ハリの大きさ、ハリの本数、ハリス(ハリから伸びる糸)の太さ、仕掛全長など、さまざまな種類が存在します。どれを買うか最初は分からないと思いますが、店員さんに釣り船の名前(もしくは、釣り場やいつ釣行するか)を伝えれば、最適な仕掛を選定してくれますよ。
私のおすすめ仕掛は「船極大ヒラメ(ハヤブサ)」です。私のホームグランドの和歌山では、ハリスは8号~12号が最適だと思われます。さらに、この仕掛はトリプル孫バリも付いているため、初心者でも大物を逃しにくい仕様となっています。
前述したように釣具店で事前に店員さんに確認するか、船の予約時に仕掛の問い合わせをすれば、用意すべき仕掛を確認できます。
ちなみに九州エリアでは、超大型魚が掛かる可能性があるため、ハリスは16号以上が必要だそうです。規格外のスケールですね。
ノマセ釣りの手順
一連の流れを知っておこう!
釣り当日、出船場所の港や船宿で受付けを済ませます。受付けの際に釣り座を決める場合もありますし、乗船時に決まる場合もありますが、釣り座が決まり道具の準備が整えば、いよいよ出港です。
船が出港し外海に出れば景色は一変します。波が高く風も強い場合もあるため、デッキのある船であればデッキの中に入り、デッキのない船だと船後方へ移動し、ポイントに着くまで待ちます。
ポイントに到着すれば、船長の指示に従って仕掛を投入したり、誘い上げたりと釣りを楽しみます。船長から合図があればすぐに仕掛を下ろせるように、常に準備しておきましょう。魚も船も常に動いており、1秒経過するだけで1m以上移動することもあります。素早く船長の指示に反応、対応した方がタイミングを逃さず釣ることができますよ。
また船上では、使用するオモリ、生きエサのハリをかける場所(鼻掛けなど)、仕掛を落とす水深など、細かく指示があります。それぞれの指示をしっかり聞いて釣りをすることで釣果に結び付きます。
それから、エサは鮮度が命です。素早くハリに掛け海に投入し、指定水深に仕掛を下ろしましょう。そしてあとは大物が食いつくまで待つ!! ただそれだけです。ノマセ釣りは、「エサをハリにつける → 大物がいる水深まで落とす → 大物が食いつくまで待つ」といった、ひじょうにかんたんな釣り方です。
本命の大物が掛かれば、大きな声で「HIT!!」と船長に知らせてください。自分が本命を掛けたことを周りに知らせることで、ほかの人の仕掛と絡むことを防ぐとともに、大物を無事にキャッチできるよう船長がタモ網の準備などを行なってくれます。そして、魚を船に引き上げるまでは油断禁物! 水面に上がってきてもまだ本命をキャッチできたわけではありません。魚は最後まで抵抗します。船の上に無事引き上げるまでは気を引き締めて、釣りを楽しんでくださいね。
今回は、おもにこれから船釣りを始める方に向けて、「ノマセ釣り」における釣り船の予約方法や準備といった、一連の流れを紹介しました。
ノマセ釣りは前述したように、「エサをハリにつける → 大物がいる水深まで落とす → 大物が食いつくまで待つ」といった、とてもかんたんな釣りです。これから寒くなり鍋が恋しくなる季節ですので、ぜひ自分で釣った高級根魚で、鍋を賑やかにしてみてはいかがでしょうか。
レポーター
プロフィール:KAKUFUJI
大阪府出身
子どものころに家族でサビキ釣りをしたのがきっかけで、釣りが大好きに。今は船釣りに情熱を注ぎ、暇があれば釣り。釣り。釣り…な日々。ノマセ釣りや落し込みを中心に、高級魚と大物を1年中追い求めながらフィッシングライフを送っています。
インスタグラム:
@kakufujitsuri (URL: https://www.instagram.com/kakufujitsuri/)