【沼津・大中寺いも】顔より大きい“巨大な物体” 皇室ゆかりのサトイモでした
静岡・沼津市の山間部で育てられる驚きの伝統野菜「大中寺いも」。 独特の食感とバリエーション豊富な食べ方で地元の人々に愛されています。大中寺いもを味わえるお店も紹介します。
【画像】大中寺いもを使った料理の画像など この記事のギャラリーページへ顔より大きい 驚きのサトイモ
沼津市の愛鷹山のふもとにある沢田地区。大中寺いもを作っている生産者のみなさんが集まってくれました。
一見するとごく普通の畑ですが、ここに驚きの野菜があるというのです。
生産者の井出栄一さんに見せてもらうことになりました。
土の中から立派な茎が生えています。
大中寺いもの収穫時期は11月から2月までで、夏は葉が人の背丈より高く茂っているそうです。
井出さんが土をかき分け、さらにクワで掘り返すと、思わず「えっ!?」と言ってしまうほど巨大な物体が現れました。
井出さんが誇らしげに掘り出したのは、なんと大森万梨乃アナウンサーの顔くらいある大きなサトイモ。
生産者:
重さは1.5kgはあるかな。これはサトイモです。この地域では大中寺いもと呼ばれています
この巨大なサトイモこそが、「大中寺いも」と呼ばれる沼津の伝統野菜なのです。
大中寺いもの歴史は古く、井出さんの祖父の代から栽培していたと言います。
井出さんで三代目。ということは、少なくとも100年の歴史です。
伝統野菜 名前の由来は?
大中寺いもは地元の小学校では給食にも登場し、子供たちにも親しまれています。
名前の由来になったという沼津市のお寺・大中寺を訪れ、副住職の下山光順さんに“お寺とイモとの関係”を聞きました。
大中寺・下山光順副住職
沼津に御用邸ができたことが始まりです
御用邸に滞在中の皇室の方々が、大中寺を日帰り旅行で訪れていた時代。大中寺は地域の特産品としてイモを皇室の方々にお出ししていたそうです。
こうして「大中寺から来たおいも」ということで、大中寺いもという名前になったとか。
この大中寺いも、お寺で買うことができるんです。
境内には専用の販売コーナーが設けられ、1個600円から800円程度です。
煮ても焼いても揚げてもOK!
大中寺いもの特徴は、その大きさだけではありません。
大中寺・下山光順副住職:
ぬめりが少なくて、普通のサトイモよりは料理のバリエーションが豊富なんです
キャッチコピーは「ニルナリ ヤクナリ アゲルナリ」。
ジャガイモのように調理することもできるので、皮付きのフライやグラタンなどクリーム系の料理とも相性バッチリ。
大中寺・下山光順副住職:
どう調理していいかわからないと言う人が多いので、その答えとして「ニルナリ ヤクナリ アゲルナリ」です
まさに“好きなように調理してください”というわけです。
■スポット名 大中寺
■住所 静岡県沼津市中沢田457
■問合せ 055-921-1086
ワインバーで大中寺いも料理
実際に大中寺いもをメニューに取り入れている、地元のワインバー「TANZ」を訪れました。
チーズの香りも食欲をそそる「大中寺いもコロッケ(660円)」。
テレビ静岡・大森万梨乃アナウンサー:
ジャガイモっぽいんだけど、ねっとり感もしっかりあります
「ホクホクです」という表現では物足りない、なめらかさと濃厚さを感じます。
ワインバーTANZ 店主・朝倉圭祐さん:
大中寺いもは、軽さがありつつ濃厚な感じも同時にあるんです
それが大中寺いもならではの魅力でしょうか。
副住職の下山さんはPRや企画考え、大中寺いもを世に広める活動をしています。
大中寺副住職・下山光順さん:
沼津にはこういった野菜があることを知ってほしいですし、高齢化が進む農家さんの助けにもなればと思います。ぜひ食べてみてください
地元の人々に愛され歴史を重ねてきた、沼津の伝統野菜「大中寺いも」。
ぜひ一度、その独特の味わいを体感してみてください。
■店名 ワインバーTANZ
■住所 静岡県沼津市町方町37 セントラルアネックスビル 2F
■営業時間 18:00~24:00
■定休 火