ソムリエがサイゼリヤの100円ワインを飲んでみた感想。おすすめのペアリングも紹介
驚きの1杯100円。サイゼリヤのワインをソムリエが解説
サイゼリヤは、家族、友達、パートナーとなど、気軽に行けるカジュアルイタリアンレストラン。価格が安いだけでなく、食材の品質や味わいにもこだわりがあり、絶品メニューばかりで感動します。
一般的なワインのイメージは、高級なお酒と思われがち。しかし、サイゼリヤのグラスワインは税込み100円と破格の値段。グラスにたっぷりと注がれた赤ワインと白ワインは、100円とは思えない一杯です。本記事では、ワインソムリエの筆者がサイゼリヤの激安でおいしいグラスワインを深堀り。味わいからおすすめのペアリングまでお届けします。
口コミ・SNSでの反応
100円という価格からは想像できないほど飲みやすい
どんな料理にも合うので、気軽に楽しめる
「100円ワイン」と侮るなかれ、こだわりがある
コスパ最強!ワインバル気分の味わい
驚きの安さ!何杯でも飲みたくなる
なぜ安い?サイゼリヤのワインのこだわりとは
イタリア産ワインを直輸入
サイゼリヤは、「本物の料理をお客様に楽しく食べてもらいたい」という観点から食材の品質にもこだわっています。
もちろんワインもイタリア料理には欠かせないひと品。サイゼリヤでは、熟成期間が短いフレッシュなワインを直接輸入しています。したがって、価格が安くお客様のもとに届くというわけです。
食材とのペアリングを考えられたワイン
サイゼリヤのワインは、食材の素材をよりおいしくなる相乗効果を考えた、料理にぴったり合う味わいになっています。現地のワイナリーと協働して造られており、サイゼリヤのためのワインがお店にラインアップされているそう。
また、契約ワイナリーから直接購入し流通市場に並ぶことがないため、安い値段で仕入れることができているようです。
大人気のグラスワインをソムリエが正直レビュー
ワインの香りを楽しみ、ひと口飲んでびっくりしました。口コミ通り、100円とは思えないほどのおいしさ。料理にそっと寄り添うような、やさしい味わいに、サイゼリヤの料理とワインのペアリングへのこだわりを感じた一杯でした。
また、店舗によって異なるワインを使用する場合があるため、味は店舗によって違う可能性があります。
グラスワイン 赤
キリッと冷えている赤ワイン。サラリとした口当たりで、後味に少しだけ赤ワインらしいやさしい渋味を感じます。とくにベリー系の果実味と、おだやかな酸味が特徴的。濃厚な赤ワインではなく、食事に合わせやすい、さっぱり系の赤ワインです。
ちなみに、ワインの温度が上がると、渋味とコク、旨味が増すので、飲みごたえも感じやすくなります。少し時間を置いてから飲んで、変化を楽しむのもおすすめです。
ソムリエのおすすめポイント
フレッシュなベリー系の味わいが、チャーミングでおいしい
食事を引き立ててくれる、フルーティーで飲みやすい赤ワイン
100円でこの味わいは、嬉しすぎる!
温度で変わる味わいの変化も楽しい
グラスワイン 白
キリッと冷えた飲みやすい白ワイン。 ほんのりフルーティーな風味を感じる、さっぱりスッキリ系の味わいです。ハーブのような爽快感のあるニュアンスと、シャキッとした酸味のバランスがよく飲みやすい一杯。
ワイン自体が強い個性を持っていないので、どんな料理にも合わせやすい味わいです。サラサラと飲めてしまうので、飲み過ぎ注意な白ワインですね。
ソムリエのおすすめポイント
クセがなく飲みやすい白ワイン
ハーブのような爽快感を味わえる
フルーティーな甘味ではなくスッキリとした酸味なので、さまざまな料理と相性良い
しっかり冷やして飲むのがおすすめ
【赤・白】ソムリエおすすめのペアリング
赤ワインのおすすめペアリング
ピザの定番メニュー「バッファローモッツァレラのマルゲリータピザ」。400円という破格な値段ですが、モッツァレラをふんだんに使っている、とてもおいしいひと皿です。赤ワインでも白ワインでも相性抜群なメニューですが、赤ワインと合わせると、トマトソースの酸味と赤ワインのベリー系の果実味とよく合います。
また、モッツァレラの旨味とコク、パンのさっくりと香ばしい味わいが、赤ワインをよりおいしくしてくれますよ。
アロティチーニは、ラム肉の串焼き。ジューシーで、ラム肉旨味がしっかり味わえる贅沢なひと皿です。これがたった400円。ラム肉の甘い脂と、赤ワインの渋味と果実味が合わさることで、口の中で特性ソースを味わっているような、そんなおいしさが楽しめますよ。
また、添えてあるスパイシーな粉が、肉の独特な臭みを消してくれ、赤ワインの旨味とコク、旨味をより増してくれます。ラム肉と赤ワインの、少し大人なマリアージュを堪能できますよ。
デザートとも相性がいい赤ワイン。ティラミスのコーヒーやカカオの苦味と、赤ワインの渋味が合わさることで、ワインがより奥深い味わいになります。
また、赤ワインの渋味をティラミスのクリーミーで濃厚な味わいと甘みが包み込んでくれるので、甘さと渋味の交互の味わいがクセになりますよ。デキャンタやマグナムサイズの大きいサイズの赤ワインを頼んだときは、残った赤ワインとティラミスのマリアージュを、食後のお楽しみとして試してみてください♪
赤ワインの特徴 / おすすめペアリング / ペアリングのコツ
ベリー系の果実味 / バッファローモッツァレラのマルゲリータピザ / トマトの酸味とモッツァレラのコクがワインに深みを与えてくれる
渋味と果実味 / アロスティチーニ / ラム肉のジューシーで甘味のある脂が、渋味と果実味をおいしく変身させる
渋味 / ティラミス / ティラミスのクリームとコーヒーやカカオの苦みが、渋味をマイルドにしてくれる
白ワインのおすすめペアリング
しっとりとした蒸し鶏とわかめ、香味ソースのバランスがいいおいしい前菜「蒸し鶏の香味ソース」。280円という安さですが、2〜3人で食べても満足できる量がありました。
やわらかな蒸し鶏とわかめのさっぱり感とミネラル感が、白ワインのスッキリ感と爽やかさとよく合います。とくにさまざまな野菜が入っている香味ソースが、さっぱり系のワインをより芳醇にさせてくれますよ。前菜として、白ワインと合わせて食べるのがおすすめです。
大粒のムール貝が4つ乗っている「ムール貝のガーリック焼き」。食べごたえのあるムール貝の上に乗ってる野菜ソースとガーリックが、白ワインのハーブのような華やかな爽快感とよく合いました。
食べる順番をムール貝を食べたあとでワインを飲むと、ワインのフルーティーさが増しおいしくなります。たっぷり香味野菜のソースを乗っけてムール貝を食べたほうが、白ワインとおいしくマリアージュできますよ。
別のメニューですが、フォカッチャを残ったソースにつけて、白ワインと食べるのも絶品です!
デカンタやボトルも。サイゼリヤのワインの種類
白ワインの特徴 / おすすめペアリング / ペアリングのコツ
爽やかさ、ミネラル感 / 蒸し鶏の香味ソース / 料理と合わせることで、ワインのフルーティーな風味をより感じられる
スッキリ、ハーブのようなニュアンス / ムール貝のガーリック焼き / ムール貝や野菜ソース、ガーリックの旨味とコクが、白ワインのコクや旨味をより味わえる
サイゼリヤでは、100円のグラスワインのほかに、グラスワインで出しているワインの大きいサイズである「デカンタ」や「マグナム」もあります。ボトルワインとしてスパークリングワインやロゼワイン、有名な銘柄である赤ワインや白ワインもラインアップ。
大人数でグラスワインのワインを飲むときは、大きいサイズ。ちょっと贅沢したいときは、ボトルワインから選んでみるのもいいですね。どれも破格な値段なので、どれを飲んでも満足できること間違いなし。
ソムリエが提案するワインの選び方
メニュー / 選び方・味わい
グラスワイン / 食事と一緒に軽く飲みたいとき
デキャンタ小 / 2杯以上飲みたいとき、ほかのワインも飲みたいとき
デキャンタ大 / 2杯以上飲みたいとき、ほかのワインも飲みたいとき
マグナム / 大人数で飲みたいとき、同じワインをいっぱい飲みたいとき
ドンラファエロ / スカッと泡を飲みたいとき、お祝いなど
ランブルスコ ロゼ / ほんのり甘く、やさしい泡立ち、フルーティーで飲みやすい
ランブルスコ セッコ / 赤のスパークリングワイン。たっぷりな果実味とおだやかな渋味もあり、お肉やトマト系の料理と合わせておいしい
ベルデッキオ / フルーティーで飲みやすい白ワイン。魚介類や、生ハムなどとも相性抜群
キャンティ / イタリアの代表的な赤ワイン。ブドウは、サンジョヴェーゼ種。グラスワインより、深みコク濃厚さがある。ライトボディよりのミディアムボディ
キャンティ ルフィナ リゼルバ / 上のキャンティと生産地は近いが、よりしっかり深みのある赤ワイン。樽で3年熟成されており、コクや旨味、余韻の長さがしっかり楽しめる。ミディアムボディ
サイゼリヤのワインと料理でおいしく楽しい会を
サイゼリヤのグラスワインは、100円と破格。安いだけでなく、料理との相性を考えられ、飲みやすくバランスのいい味わいが素晴らしいです。100円なら飲んでみようかなと思わせるところも、お客様の心をぐっと捕まえているポイントなのかもしれません。
ご紹介したメニュー以外にも、ワインとの相性のいい料理がたくさんあります。いろいろなメニューとワインを合わせて、ペアリングを楽しんでみてください。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
※掲載商品の情報は公開時点のものです。店舗によっては取り扱いがない、または販売終了している場合もありますので、あらかじめご了承ください。
※本記事は個人の感想に基づいたもので、感じ方には個人差があります。
ライター:YURI(ソムリエ / チーズプロフェッショナル / Webライター)