東広島市の黒瀬川に捨てられるごみを減らすには…「ごみのない川へ」学生や企業と清掃活動 ボランティアGUTS
自動車部品設計・開発などを行うGUTS(ガッツ)(東広島市西条昭和町、田㞍浩社長)の社員などでつくるボランティアGUTSは、市立西条小など小・中・高の5校に囲まれた黒瀬川の約2.3㌔区間で清掃活動を行うようになって、今年で12年目。家電などの粗大ごみは減る傾向にあるが、ポイ捨てや生活ごみは多く、減る傾向にはないという。
■傘、ペットボトル、掃除機…
21回目の河川清掃は2025年4月5日に行われ、大人約110人、高校生以下約60人計約170人が参加した。開会式後、5グループに分かれて草取りや燃えるごみ、不燃ごみなどの回収作業に励んだ。
参加者らは、長靴姿で川に入り膝まで水につかりながら、川底に埋まったごみを協力して拾い上げたり、両岸のごみや遊歩道の草取り、土砂、コケを回収し土のう袋に詰めたりした。約3時間の活動で川からは、ペットボトルやビニール袋などごみ590㌔㌘、土砂5.6㌧を回収し、見違えるほどきれいになった。
今回から県立賀茂高の生徒ら32人が加わり、護岸の法面に生い茂るつる草を刈り取り、レーキでかき集めて回収し護岸ブロックをほうきで清掃した。
初めて参加した同高3年で生徒会役員の長谷優希さんは「みんなで協力して一つのことをやり遂げるのは楽しいしやりがいがある。次回も参加したい」とすがすがしい笑顔。ボランティアGUTSの田㞍浩リーダーは「地元の大人として汚れた川のそばを登下校する子どもたちに大変申し訳ない気持ちになる。これからも活動を継続し、ごみ問題について発信していきたい」と決意を込めた。
■これまでの活動で回収したごみ
これまで(12年間)の回収量は、ごみは6.5㌧で、このうち自転車は66台。西日本豪雨による土砂が24.5㌧、河川沿いの竹を伐採し1.8㌧。
回収したごみは黒瀬川の管轄である県の予算で処分している。
田㞍浩リーダーは「案内や人集め、資金など清掃活動の準備は大変だが、地域の問題を自分のこととして考え一緒に活動してくれる仲間が増えたことや、川が活動当初に比べて見違えるようにきれいになったことが最高にうれしい」と活動を振り返る。
■川への影響、私たちにできること
陸地でポイ捨てされたごみが川や海に流出して海洋ごみになり、漁業の操業や漁場環境に影響を及ぼす要因となる。
特にプラスチック系のごみは、生分解されないため長期にわたり残存し紫外線などによる劣化で細かく崩れてマイクロプラスチックなどの発生につながり、水生生物や鳥類などの体内に蓄積するなど生態系に悪影響を及ぼすといわれている。
私たちができることとして、ごみをポイ捨てや不法投棄しない、河川の清掃活動に参加すること―がある。環境問題の解決に向けて、一人一人の行動が求められている。
プレスネット編集部