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逆走多発!なぜ?対策は

TBSラジオ

最近、車の逆走事故のニュース、よく聴きますよね。

相次ぐ逆走 パターンや傾向は

今年4月には、栃木県の東北自動車道で逆走車が原因の事故が起きて3人が死亡、先月18日には、三重県の新名神高速道路で車が逆走し4人が怪我をしました。今月11日にも岐阜県の中央自動車道のトンネルで逆走車による事故が起きましたが、車の運転手は99歳でした。この事故は免許返納の問題も大きく関わってくると思いますが・・・

全国的に相次ぐ逆走にはどんなパターン、傾向があるのか、交通心理学が専門の帝塚山大学 名誉教授 蓮花 一己さんに伺いました。

帝塚山大学 名誉教授 蓮花 一己さん

逆走事故は本当に昔からあって、サービスエリアに入ってから、そこから出てくる人ですね。次に問題になったのが、高速道路の合流帯、加速帯ですね。あそこで右折するっていうケース。自分こっち行きたいってなったら、右折してスッと行っちゃうと。追い越し車線を逆走してぶつかるっていうケース。あとは都市高速だったら出口から入るっていうケースですね。特に早朝とか車がないとき分からないですから、さーっと入って、ものすごい速度で加速しますから入ったところに対向車が来て当たるっていうケース。インターチェンジとかそこで起こるものと、出口付近のUターン、料金所のUターンとか、それから、出口は出られなくて、なんとなくぼーっとしていて、行き過ぎたって言ってUターンしたりバックしたりして出るっていう、これは怖いんですよね。これ結構多いんですよ。


特にインターチェンジのほか、高速道路同士が交差しているジャンクションは、分離や合流の道が入り乱れていて、逆走してしまうことがあるそうです。蓮花さんによると、逆走は高齢ドライバーだけではなく、若い世代にも多いそうで特に疲れていて注意力が低下している状態で運転して、誤って逆走してしまうケースもあるとのことでした。

逆走対策の委員会 国全体で対策も

ただ逆走は昔からあったということで、以前から高速道路での逆走対策に関する有識者委員会が開かれています。これまでどんな話し合いがされてきて、どんな対策をしてきたのか、再び、委員会のメンバーでもある蓮花 一己さんのお話です。

帝塚山大学 名誉教授 蓮花 一己さん

国土交通省が10年ほど前から設置している委員会で、各社が今まで手探りでやっていたわけですね。国全体でやりましょうということになって、サービスエリアの警告表示装置とか、右折のときの対策などは何年か計画で行っています。ポールを立てたりカラー舗装したり表示を作ったりというようなことを行った。それ以外にこれはいいなというのを意見を言い合って国土交通省で設定して、それをしっかりやっていこうということで、それの効果はだいぶあったと思います。例えば道間違いをしたら、料金所にまず行ってくださいというような対策を立てることでジャンクションの中でUターンをしたり変なことをしない。出口まで行けば、なんとかしますという対策を立てたりもしています。なかなか今の視覚情報で注意機能を出すというのは、かなりやってきたので、もうちょっと物理的対策をしないといけないというのが、私の意見です。


蓮花さんは、警告や表示など視覚に訴える、見えるもので注意を呼びかけるものが多いので、ポールを立てるなど、さらに物理的な対策が必要だと話していました。

そして逆走しないためには、まずルートをきちんと調べてから運転すること、ゆとりを持って慌てないことが大事だということ。また、高速道路の逆走車は、片側車線と思って自分にとっての左車線を走ってくる運転手が多いので、多くの場合、追い越し車線を逆走してくることが多いそう。そのため、逆走車とできる限り遭遇しない、正面で当たらないためには、追い越しの必要がない時は、基本的に走行車線を走っているといいそうです。

名古屋高速 新たな検知・警告システムを運用

逆走の事故が相次ぐ中、少しでも逆走や誤進入を早く検知して対応しようと、名古屋高速では去年5月から、誤進入が多い出入り口1箇所で三次元レーザレーダを用いた新たな検知・警告システムを運用しています。どんなものなのか、名古屋高速道路公社 交通管理課 坂戸祥治さんに伺いました。

名古屋高速道路公社 交通管理課 坂戸祥治さん

三次元レーザレーダというのは、レーザ光を検知エリア全体に照射して、そこから戻ってきた反射光から物体までの距離を計測して、リアルタイムに物体の位置やサイズを認識し、普通自動車、大型自動車、自動二輪、歩行者などの種別が判定可能となります。さらに物体の位置の変化から速度や移動方向などを算出することで、逆走とか歩行者の進入などの発生を検知することが可能となります。LEDのランプを路面に照らして「誤進入しています」という表示を現地でやることと、管制室っていう本部にも通知が来るようになっています。


名古屋高速では、2020年以降、毎年10件以上の逆走や誤進入が起きていて、導入した出入り口は、特に、高速道路を走ることができない原付バイクの誤進入が多い場所だそうです。

運用から1年経って、導入した出入り口では原付バイクの誤進入が9件ありましたが、全て正確に誤進入を検知できたということで、今後も新たな出入り口での導入に向けて準備を進めているということでした。

逆走は大きな事故につながりかねず、とても危険です。ドライバーが注意することはもちろん、対策が急がれます。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:西村志野)

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