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JUNNA 約5ヶ月に及んだツアーを完走、ツアーファイナル福岡公演の当日リハーサル&ライブをレポート

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JUNNA

JUNNA ROCK YOU TOUR 2024 ~Hitch-Hike~
2024.11.20 DRUM Be-1【福岡公演】

11月20日、『JUNNA ROCK YOU TOUR 2024 ~Hitch-Hike~』の福岡公演がDRUM Be-1にて開催された。このツアーは今年6月の愛知公演を皮切りに全国11ヶ所をまわり、当初は8月に終わる予定だったが開催延期になった公演があり、この福岡公演は振替公演として開催された。9月から初のアジアツアー『JUNNA ROCK YOU ASIA TOUR 2024 〜Hitch-Hike〜』を挟み、JUNNAは約5ヶ月に及んだツアーの最終日を迎えることとなった。当日のリハーサルと本番、そして終了後にインタビューを行ったコメントも紹介しながら、このレポートをお届けする。

この日のリハーサルは「最終日ですが、いつも通りやっていきましょう!」というライブスタッフの声からスタートした。フロアにはお客さんが誰も居ない中、多くは1コーラスのみだがセットリストのほとんどを確認していく。白いパーカーにダメージデニムというラフなスタイルでステージに立ったJUNNAは「Here」の〈たったひとつ たったひとつの〉というアカペラの歌い出しや、ギターを手にして歌う「スタートライン」におけるマイクスタンドの高さ調整など、このツアーで何度も確認してきたであろうことを丁寧に行っていく。思いがけず長いツアーになったこともありJUNNAとバンドとスタッフのチームワークは抜群で、リハーサル中も和気あいあいとしたムード。しかし「振レバ、雨傘。」のドラムのカウントで歌い始めるところを、入れなかった様子で「わー、ごめんなさい!」と謝ったり、やはり最終日ならではのナーバスな感情もあるのだろうか、本番直前のJUNNAはどこか、ひとりきりの世界で想いを巡らせているようにも見えた。リハーサルの終わりに「ではJUNNA一言お願いします」と言うと「まさか11月までこのツアーが続くとは思ってなくて、色々ありましたがこうして振替公演ができて嬉しいです。今日が最後だと思うと寂しいですが、きっと爆発的なエネルギーが出るんじゃないかと思いますので、皆さん最後まで宜しくお願いします」と挨拶した。

いざ開演時刻となり、お客さんたちの拍手と共に迎えられたバンドのメンバーとJUNNAは1曲目「Unite」でライブをスタートさせた。第一声から会場の奥まで突き刺さるような熱量を帯びていて、その声に応えるようにオーディエンスの掛け声や手拍子が沸き起こる。当然ながらリハーサルとは一変したステージ・パフォーマンスで、彼女が予言した通り、秘めたるパワーが今まさにここで爆発しているような感覚。しかも2曲目は「風の音さえ聞こえない」。これまでこの曲は終盤で最大限に盛り上がるロック・ナンバーとして披露されてきたが、あえて序盤に持ってきたのにはJUNNAなりの意図があった。終演後のインタビューで「本当に2曲目でいいの?ってスタッフさんには言われました(笑)。でも最後に歌ってロックに終わるというのが定番になってきていたので、あえてそれを崩してみたらどうなるんだろう?ってワクワクがあったし。私はライブに来てくれるみんなを信じていたので」と語っていた。そう、今回のセットリストは初めてJUNNAが最初から最後まで組み立てたもので、ライブハウスで盛り上がるロックな曲が多い。まだ序盤だろうがお構いなしに最強ボルテージで熱唱を繰り広げるJUNNAはライブハウスが良く似合うカリスマ性を発揮しており、続く「振レバ、雨傘。」に(タイミングばっちりで!)突入すると「福岡の皆さーん!楽しんでいくよ!」と叫んだ。

歌謡曲っぽい曲調がJUNNAらしい「赤い果実」ではバンドサウンドの熱気の中、妖艶にポップに歌い上げる姿を見せてくれた。お客さんは手を左右に振って応え、みんな楽しそう。実はJUNNAがソロのライブで福岡に訪れるのは6年ぶりということもあり、MCでは「6年前、私は18歳だったんですよ!写真を見たら打ち上げでモツ鍋を食べていたんですけど、私だけお酒じゃなくてオレンジジュースを飲んでいました(笑)」と思い出を語った。

中盤では難易度の高いメロディラインを丁寧に歌い上げた「眠らされたリネージュ」、しなやかに踊りながら歌う様子がクールな「コノユビトマレ」、「Sleepless」など、演出や舞台装置に頼らないライブハウスでも圧倒的な存在感と歌声で多彩な表現力を発揮していく。急スピードで今の自分を超え続けてきたJUNNAの成長の賜物だ。

終盤のハイライトは「革命のメロディ」と「FREEDOM〜Never End〜」だった。「革命のメロディ」はヒリヒリとした心情とドラマチックな曲調がエモーショナルな1曲で、バンドサウンドの疾走感に負けないパワフルな歌声を発揮した。まさにツアー最終日のエネルギーを全放出させるような熱唱で、歌を通じてJUNNAのパワーを浴びているという感覚だ。続く「FREEDOM〜Never End〜」では会場の盛り上がりが更に勢いを増し、サビのフレーズをお客さんたちが大声で歌うのが聴こえた。この時に会場を埋め尽くした熱狂は決してお決まりものではない。後のインタビューで語った、ずっと成長を続けてきた中でも忘れたくない“がむしゃらに歌う自分”を心に秘めてライブに挑んだJUNNAとバンドとオーディエンスだけで生み出した感動だ。

今回のツアーのために書き下ろした「スタートライン」を歌う前に、JUNNAはこんなMCをした。「今までの私はすごく受け身で、“これをやってください”と言われたことを“やります!頑張ります!”って感じでやってきた。それで良いときもあると思うけど、今の私には自分からどんどん自分から動いていく力も必要なんだと感じています。みんなもやりたいと思っているけどやれていないこととか、きっといろいろあると思うけど、やりたいことは今やらないとダメなんだって私はようやく気づいたので、この曲を聴いたみんなが小さいことでもいいから何かを始めてもらえたらいいなと思っています」そう言って歌った、このツアー最後の「スタートライン」は、晴れやかで明るいメロディーが際立った。これまでとはまた違った強さを纏ったJUNNAがここにいた。そしてコール&レスポンスが沸き起こった「無限大DRIVE」から、みんなジャンプで盛り上がった「我は小説よりも奇なり」で本編が終了した。

アンコールでは「Here」をたっぷりと歌い上げ、振替公演限定で演奏された「世界を蹴飛ばせ!」も披露。そして「私の曲がみんなが頑張りたいとき、助けて欲しいときに聴く音楽であってほしい。また来年もライブがしたいので待っていてください」と、このライブを笑顔で締めくくった。

終演直後のインタビューではこんなことを語ってくれた。

「2024年を振り返ると、ひたすらライブをやっていた1年だったなと感じています。大学を卒業してアメリカ留学をして、帰ってきたらすぐにツアーで、気持ち的にも大きな変化がありました。これから自分がやりたいことをたくさん見つけられた1年でもあったので、来年は更なる変化に向けての準備をしていきたいなと思っています。早く新曲が聴きたいとか、次のツアーを発表して欲しいと思ってくださっている方もいると思いますが、まずは自分自身としっかり向き合いながら新しい自分を見つけて、それをまたみんなと共有できるときが来年も絶対にあると思いますので、楽しみに待っていてくれたら嬉しいです」

デビュー以来、常に私たちの目の前で成長を見せ続けてくれていたJUNNA。2024年のたくさんの経験を踏まえて、自分自身と向き合った彼女はどんな新しいJUNNAを見つけ出すだろうか。そのときどんな輝きを放つだろうか。楽しみでならない。

取材・文=上野三樹

>>終演直後のインタビュー全文はこちら

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