上司からの指摘に落ち込む27歳女性へ、キャリアのプロが授けた“しなやかさ”の身につけ方
「仕事のことだけでなく、人格まで否定されたように感じてしまう」「頭では仕事と自分は別だとわかっているのに、気持ちを切り替えられない」上司からのミス指摘を必要以上に重く受け止めてしまう27歳女性。落ち込みから次の業務にまで支障が出てしまう相談者に、キャリアのプロが心の強さ、“しなやかさ”を身につける方法を捧げます。
※本記事は、Podcast「5分で整うキャリア思考」の一部を抜粋・編集したものです。
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相談内容
27歳/女性
上司からミスを指摘されると、仕事のことだけじゃなくて人格まで否定されたように感じてしまいます。そのたびにすごく落ち込んで、次の業務にも支障が出てしまいます。頭では“仕事と自分は別”だとわかっているんですが、どうしても気持ちを切り替えられません。もっと強くなるにはどうしたらいいでしょうか?
必要なのは強さではなく「しなやかさ」
相談者は「もっと強くなるにはどうしたらいいでしょうか?」と問いかけていますが、坂井さんは、必要なのは「強さ」というよりも「 しなやかさ 」だと語ります。
ミスをしたときにまず重要なのは、「 短期的な評価より、長期的な誠実性を考える 」という姿勢だと坂井さんは言います。ミスを隠蔽するのは最悪な行為であり、それを避けるために「ミスした、まずい!って思っても、即座に報告して取り戻そう」という挙動を続けていたと、坂井さん自身の経験を語ります。
ミスは誰にでも起きるもの。隠したり落ち込んだりするよりも、「すいません、ミスしました。でも取り返します」というふうに、即座に気持ちを切り替えるトレーニングが必要だと坂井さんは語ります。
指摘を「守り」と「伸びしろ」で捉える
指摘が人格否定に聞こえてしまう状況に対し、坂井さんは2つの切り替え方を提案します。
1.相手は自分を嫌っていない
ミスを指摘されたとき、上司は「自分のことを嫌っているのではないか」と感じることがあるかもしれません。しかし、上司が指摘する背景には、「自分がどこかで恥をかかないため」、もしくは上司がその資料をもとに報告する際に、「自分の信頼や社内での信用を損ねたくないから守ろう」という意図があるかもしれないと坂井さんは語ります。
2.「伸びしろ」の証明
もしミスを指摘されなかった場合、同じところでつまずいてしまい、自分の成長に気づけないままになってしまいます。指摘を受けたということは、「伸びしろ」に気づかせてもらったと解釈することもできると坂井さんは言います。指摘してもらえなかった場合の将来のデメリットを考えると、「指摘してもらえてよかった」と徐々に切り替わるようになると語ります。
10年後の自分に聞く
さらに、最終形態として最もおすすめのやり方は、 「10年後にそれ悩んでいるかな?」と心の中でタイムスリップしてみる ことだと坂井さんは語ります。
27歳の今悩んでいることも、37歳になったときにはおそらく悩んでいないだろう。時間軸で考えると大したことではない、という技法は普遍性が高いと坂井さんは言います。
まとめ:しなやかに心を切り替える
✓必要なのは強さではなく「しなやかさ」
✓指摘は上司が自分を嫌っているわけではないと捉える
✓指摘は伸びしろの証明だと解釈する
✓「10年後に悩んでいるか?」と時間軸で悩みを相対化する
僕自身、20年前に中学を中退したときは大いに悩みましたが、今は全く悩んでいないですね、と坂井さん。強くなると思うよりも「しなやかになる」ほうが、まずコンセプトとしてよいと坂井さんは締めくくっています。
プロフィール
坂井風太
早稲田大学法学部卒業後、2015年DeNAに新卒入社。旅行事業部(現エアトリ)に配属後、ゲーム事業部、小説投稿サービス「エブリスタ」に異動。2020年にエブリスタ代表取締役社長に就任。M&Aや経営改革などを行うと同時に、DeNAの人材育成責任者として人材育成プログラムを開発。2022年にDeNAとデライト・ベンチャーズ(Delight Ventures)から出資を受け、株式会社Momentorを設立。組織効力感や心理学をもとにした人材育成と組織基盤構築の支援を行っている。
企業サイト 株式会社Momentor X(旧Twitter) 坂井風太
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