相模原市内の「リンゴ病」報告数 過去10年で最多 感染症情報センターが対策を呼び掛け
相模原市感染症情報センターは5月29日、第21週(5月19日〜25日)の週報で、市内で伝染性紅斑の定点あたりの報告数が2・4となったと発表した。この数値は過去10年間で最多。
市内10カ所の定点医療機関からの報告数は、中央区で19人、南区で3人、緑区で2人、合計24人。同センターの担当者は「全国的にも過去5年で最多の報告数」と話し、中央区での報告数が多いことについては、「受診する人が他区より多いからではないか」と分析する。
伝染性紅斑とは
伝染性紅斑は、両頬がリンゴのように赤くなる特徴的な発疹が現れることから、通称「リンゴ病」と呼ばれている。ヒトパルボウイルスB19による感染症で、潜伏期間は1〜3週間。主に幼児から中学生くらいの年代に多く見られるもので、同担当者は「市内では4〜8歳が多い」という。発疹は頬に現れた後、体や手足に網目状に広がるが、通常1週間程度で自然に消失する。
発疹が出る前に風邪のような症状が見られることもあり、発疹が出ている時期には感染力は低下しているため、発疹のみで他の症状がない場合は登園・登校が可能とされている。
予後は良好な場合が多いが、妊婦が感染すると胎児水腫や流産を引き起こす危険性があるため、同担当者は「妊婦は風邪のような症状のある子どもとの接触を避けてほしい」と話し、「このウイルスにはアルコール消毒の効果が低い。流水と石けんによる手洗いやマスク着用を徹底してほしい」と対策を呼び掛けている。
百日せきも過去最多
全国的に流行している百日せきの感染報告も続いている。第21週には市内で5件の報告があり、これは過去5週間の平均値2・20件を上回るもので、過去6年で最多。2025年の累積数は20件となった。
同担当者は「特に乳幼児は重篤化するケースもある」と話し、引き続き感染症対策に努めるよう、呼び掛けている。