開成町 災害時温かい食事を キッチンカー協会と協定
災害時の食料問題改善のため、開成町は「災害時におけるキッチンカーによる炊き出し等に関する協定」を3月3日、一般社団法人日本キッチンカー協会(本部/横浜市)と開成町役場で締結した。
協定では災害時、町の備蓄食料が不足し、食料供給が困難な場合や食料の変化を求める場合、町の要請に応じてキッチンカーで避難所などに食料を供給することが確認された。
協会には関東圏で事業展開する1千団体以上が加盟。町地域防災課の担当者によると「このため県内の広域的な災害時でも近県からの対応が可能」と話す。災害発生直後は、車両通行の問題もあるため町で備蓄している食料で対応するが、ある程度落ち着いてきた段階で、協会に食種や適切な量の支援を要請。キッチンカーによりその場で調理して適温食の提供が行われるという。
協会の岸副真芳代表理事は、「被災された方々に少しでも温かな美味しい食事を提供できるよう準備を整えていきたい。できれば災害時ではなく、町のイベントなどでお会いできる日が続くことを願います」とコメント。山神裕町長は「避難所生活において想定される相当な苦痛やストレスを、温かい食事が和らげてくれる効果を期待しています」と話した。
きっかけは2024年3月、東京大学生産技術研究所災害対策トレーニングセンターの講座修了式に町の防災安全専門員が参加したこと。同協会が自治体と災害応援協定を締結していることが紹介され、後日、町から岸副代表理事に連絡を取ったという。同協会の自治体との協定は、埼玉県坂戸市、滑川町に続き3例目となる。地震など自然災害に対し、備えの強化を進める開成町は、これまで78団体と防災や災害時支援に関する協定を結んでいる。