SL「パレオエクスプレス」から貨物列車まで 秩父鉄道が創立125周年 3種類の記念きっぷ発売(埼玉県)
埼玉県北部の秩父鉄道が2024年11月に会社設立125周年の節目を迎える。会社のルーツは明治中期の1899年11月に設立された上武鉄道で、全国の地方鉄道でもトップクラスに入る長い歴史を誇る。
上武鉄道は会社設立2年後の1901年10月、熊谷~寄居間を開業した。その後、波久礼(はぐれ)、大宮、影森と延伸し、昭和初期の1930年に三峰口に到達した。ちなみに、大宮の現在の地名は秩父。大正年間の1914年、現在の秩父鉄道に社名変更した。
羽生~熊谷間は、北武鉄道という別会社が建設。1922年、秩父鉄道に吸収合併された。
現在の路線は秩父本線羽生~三峰口間71.7キロと、貨物専用の三ヶ尻線武川~三ヶ尻間3.7キロ。鉄道ファンには、1988年に運転を始めたSL「パレオエクスプレス」が、「東京から一番近いSL」としておなじみ。私鉄ではレアな、貨物列車が走る鉄道としても知られる。
秩父鉄道は10月14日の「鉄道の日」、会社創立125周年を記念した3種類の記念きっぷを発売する。
記念きっぷは「鉄道の日記念乗車券~創立125周年~」、「秩父鉄道全駅入場券」、「鉄道の日記念~急行列車運行開始55周年~記念急行券」。
鉄道の日記念乗車券は、創業時から現在まで歴史をたどる年表とともに、電車、EL(電気機関車)、SLと本線を走ったさまざまな列車を写真で紹介。きっぷは、車内発券の準常備型乗車券1枚をセットする。
全駅入場券は、タイトル通り全37駅の硬券入場券をセット。台紙には、各駅のプロフィール写真などを掲載する。
記念急行券は、急行列車運行開始55周年をアピール。硬券タイプの急行券4枚セットで、台紙は急行用6000系電車(元西武鉄道新101系)をプリントした。
自社発売は2024年10月14日からだが、13、14日に東京・お台場のイーストプロムナード「石と光の広場」、「花の広場」で開かれる、31回目の「鉄道フェスティバル」会場で先行発売する。
また、「鉄道の日」の2024年10月14日、SL「パレオエクスプレス」は特別ヘッドマークを掲出して運行する。
記事:上里夏生
(画像:秩父鉄道)