転職したい若者が初の30%超 希望する理由トップ3は? 情報源は企業のHPやSNS
■「転職したい」が「転職したいと思わない」を初めて逆転
若い世代の正社員は約3人に1人が転職したいと思っていることが、厚生労働省の調査で明らかになった。転職希望者の割合は上昇傾向にあり、5年前の調査から3.6ポイント増加。初めて3割を上回った。
厚生労働省の「2023年若年者雇用実態調査」によると、15歳から34歳までの正社員に転職意向をたずねたところ、31.2%が「転職したい」と回答した。「転職したいと思っていない」は30.3%で、転職希望者が逆転した。
この調査は5年ごとに実施されており、「転職したい」と答えた人は2013年が25.7%だった。前回の2018年は27.6%に増え、今回は調査開始から初めて30%を超えた。
転職を考える理由(複数回答可)は、「賃金の条件がよい会社」が59.9%で最も多かった。次いで、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社」の50.0%、「仕事が自分に合った会社」の41.9%だった。
この調査は従業員5人以上の事業所約7800と、そこに勤務する15歳から34歳までの男女1万3200人ほどが対象となった。回答者は昨年10月の状況について答えている。
■転職希望者が求めるのは“ありのままの情報”
転職希望者増えている背景には、近年の売り手市場や転職に対する考え方の変化がある。若い世代を中心に、仕事に見合った給料を求めたり、プライベートも充実する働き方を希望したりして転職を選んでいる。
転職する際に参考にしている情報として重要度が高まっているのは、企業のホームページやSNSだ。転職サイトが掲載するのは主に勤務条件で、企業の情報もネガティブな要素は伏せられる傾向にある。一方、ホームページやSNSで積極的に情報を更新し、しかもありのままの日常を発信している企業が転職希望者の関心を集めている。
SNSなどでは「従業員のインタビュー記事を参考にして転職した。一緒に働く人たちや会社の雰囲気が表れやすいので、入社後のイメージが沸く」、「どんな企業にも弱点やマイナス面がある。それを隠さずに発信する企業の方が好感を持てる。入社後のミスマッチも少ない」、「転職者が知りたいのは企業の本音や飾らない姿。ホームページが一番参考になる」といった意見が並ぶ。
最近は、あらゆる業種で人手不足が深刻となっている。転職したいと思っている人の興味を引くには、情報発信の仕方が重要なポイントになっている。
(SHIZUOKA Life編集部)