日本酒通のディープな楽しみ方『タツリキショップ玄三庵』で熟成古酒をブレンド 姫路市
皆さん、日本酒…実はお好きですよね?(笑)。姫路には、日本酒の古酒をブレンドして楽しめるお店『タツリキショップ イーグレ姫路店 玄三庵(げんみあん)』があるんです。筆者も以前から少し気になっていたお店だったのでそっとお邪魔してみました。
場所は姫路城を目前に望む事の出来るイーグレ姫路の1階中央の噴水エリアの向かい側にあります。
スタンディングバータイプのお店で気兼ねなく入れる事から、地元の常連客も、オープンの昼頃から挨拶替わりにグラスを掲げる様子は、昼飲みも気軽に楽しめる店が多い姫路ならでは。人通りが多いフェスタ地下のタツリキショップより、少しおちついて一人でゆったり楽しめるのもいいかもしれません。
また同店は日本酒の熟成古酒をメインに取りそろえたまったく新しいタイプのお店で、王道の日本酒をメインに取りそろえたフェスタ地下のアンテナショップとは一味違うのが、この”玄妙庵”の良いところ。実は、龍力で有名な本田酒造の本田社長が、古酒協会の会長をされている事もあり、より熟成古酒について知ってもらおうと思ったのが始まりなんだとか。
日本酒は大変好きな筆者ですが、日本酒の古酒を頂くのは正直初めて…。まずは店主の北野さんより古酒の歴史について教えて頂きました。
「古酒が初めてという事なので、まずは、龍力の熟成古酒のベースとなるこちらを味わってみて下さい」そういって出して頂いたのは熟成古酒の“玄妙”。グラスは古酒の香りが広がるようにと、用意された特製のもので頂きました。
顔を近づけるとグラスいっぱいに立つ香りはまるで日本酒のそれとは少し異なり、梅酒やシェリー酒のような芳醇な香りが漂います。ですが、そのふくよかな香りとは異なり日本酒本来の味わいも感じさせます(グラス自体は冷やされていますが、お酒自体は常温の方が味も香りも膨らんでいくので常温で頂きました)。
続いてはいよいよ、古酒のブレントを楽しんでみましょう♪古酒のブレンドは1グラス300円で楽しめます。例えば、2種類のブレンドなら各30mlずつで1杯分。3種類なら各20mlずつで1杯分と自分の好みでお酒を選びます。そして選んだ後は好きな比率になるようにスポイトでブレンドしていくのだとか。なんだか実験みたいですね(笑)。
北野さんにご用意頂いたのは、“神力の20BY”と“山田錦の9BY”。ちなみにBYというのはBrewingYear(醸造年)の略語だそうで、平成20年に製造されたものと平成9年に製造されたものなのだとか。
山田錦の9BYは、美しい琥珀色をしており、香り高くもありながらすっきりとして飲みやすく、日本酒本来の良さも持ち合わせています。
そしてこちらは“神力20BY”は色を見て頂いても分かる通り、かなり濃い目の焦げ茶色。この色の違いは麹の量の違いからくるものだそうです。こちらは同店の熟成古酒の中でも一番甘みが強いのが特徴で、口の中でかなり香りが広がり、その度数の高さから、くーっ!とくる濃いお酒の味わいを楽しむ事が出来ます。こちらは甘みの好きな方には好みのお味かもしれません。
二つをブレンドすると華やかな香りと程よい甘さで、ちょうど良い塩梅になり個人的には好みの味わいに。
さらに、別の淡麗の「山田錦」の15BYも味見させて頂きましたが、こちらは日本酒感が強く出ており、かなりすっきり感のある味わいで、ここまで個性が分かれるなんて面白いと思わせてくれます。
他にも、これはお勧めと教えて頂いた『Jサリック』は、まるでワインを頂いたかのような華やかさ。それは熟成させる樽がシェリー酒と同じ樽で熟成させてあるから。
チョコレートやドライフルーツなどとの相性が良いのは大変頷けます。
本当はメニューにはないのですが、北野さんのおすすめの味わい方を伝授頂きました。アイスの甘い味わいに華やかなJサリックの味わいがまさに酒飲みのデザート(笑)。それぞれのお酒に合うマリアージュは北野さんがアドバイスを下さるのでご相談下さいね。
奥深き趣のある熟成古酒の数々…。“玄妙”の名の通り、とても神秘的で言葉には到底言い表せないようなこのお酒の味わいは、味う一杯を特別な時間で彩ってくれる、実に魅力的なものでした。
力強く、表現力豊かな熟成古酒の香り。自分の求める好みの1杯を自らの手で創造してみてはいかがでしょうか。
場所
龍力ショップ イーグレ姫路店 玄妙庵
(姫路市本町68番地290 1階)
営業時間
12:00~19:00
定休日
水曜日