駅構内コンビニに電車で商品配送 京王とセブンイレブンが井の頭線で電車モーダルシフトの実証実験(東京都杉並区など)
営業用列車で荷物を運ぶ「鉄道モーダルシフト」……。主に、新幹線や在来線特急を中心にJRグループによる取り組みが広がってきたが、ここにきて首都圏私鉄でもトライアルが始まった。
セブン‐イレブン・ジャパンと京王電鉄、それに京王グループの物流会社・京王運輸の3社はきょう2024年12月10日から、京王井の頭線の駅構内3店舗に乗客を乗せた電車で商品を搬送する実証実験を開始する。
いわゆる「物流2024年問題」を受けた商品配送の効率化とともに、トラックから鉄道への物流手段変更による地球環境にやさしい物流に挑戦する。
3社の実証実験での役割分担と検討項目は、セブンイレブンと京王運輸が「鉄道で商品を配送する手法の開発・確立」、京王電鉄が「物流分野への鉄道車両の利活用促進」。
具体的な輸送方法では、井の頭線永福町駅(東京都杉並区)でカート収納の商品を積載。高井戸(同)、久我山(同)、吉祥寺(東京都武蔵野市)の3駅でカートを取り卸す。永福町から各駅への所要時間は4~10分。
京王グループの京王ストアとセブン‐イレブン・ジャパンは2021年、京王ストアの駅売店・コンビニをセブンイレブンのフランチャイズ化する業務提携契約を結んでいる。現在、京王駅構内や駅ビルにある30店舗以上のコンビニは、セブン‐イレブンブランドで運営される。
3社は、食品を中心に冷蔵状態で配送・販売するチルド商品から電車モーダルシフトを始動。実証実験結果も参考に、引き続きの配送区間拡大の可能性を探る中で社会課題解決につなげる。
記事:上里夏生