東京、9月に開催される映画イベント3選
9月に入り、涼しくなってきた今。いつもとは一味違う映画体験をしに、街に飛び出そう。空間装飾にこだわった品川の野外上映会や、アートの世界に浸る下北沢の特集上映会、時代を作る新鋭たちによる自主映画など、個性的な映画イベントを3つ紹介する。
品川オープンシアター
「東京タワー」を正面に、大きな芝生に寝転んで映画の世界に浸る屋外映画祭「品川オープンシアター」が開催。今年で12回目となる同イベントは、現実と映画の世界を融合させたような空間装飾が特徴的で、いつもとは違う映画体験を経験できるだろう。
上映予定作品は、マーベルコミックの大人気ヒーローのアニメ『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』 。3DCGや水彩画などで描かれた圧倒的な映像技術を、アメリカンコミック風の世界観を表現した空間の中で鑑賞できる、子どもから大人まで楽しめる。
もちろん映画だけではなく、オープニングムービーのワークショップや、個性豊かなグルメなど、盛りだくさん。フォトスポットも用意されており、充実した時間が過ごせるだろう。
今回の品川オープンシアターに続いて、天王洲や「品川インターシティ」でも映画イベントを開催予定。初の3施設の連携企画も予定されており、2つ以上の映画祭に参加すると特典がもらえるチャンスもあるので、併せてチェックしてほしい。
※9月7日、11時〜21時30分(上映時間は18時30分〜21時)/品川オープンシアター/入場は無料
K2アートウィーク 都市とヴィジョン(幻影)
下北沢の駅前シネマ「ケーツー(K2)」で、アートと映画の関係性を探る特集上映を開催。このイベントは、「月」をテーマとした地域参加型のアートフェスティバル「ムーンアートナイト下北沢2024」の開催を記念した連動企画だ。
イベントは2部形式で、第1部は「都市にどこまで不思議を生み出せるか?」をテーマに、2つのドキュメンタリー映画が上映予定。現代美術家のオラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)を追った『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』と、謎めくグラフィティアーティストであるバンクシーを描いた『バンクシーを盗んだ男』が楽しめる。
さらに第1部の上映会では、「さいたま国際芸術祭2023」のディレクターなどを務めた現代アートチームの目 [mé]や、多摩美術大学教授の港千尋によるトークイベントも開催。都市と現代アートについて考える機会となるだろう。
第2部では、シンガポールを拠点に活動するアーティストであるホー・ツーニェン(Ho Tzu Nyen)に焦点を当てる。シンガポールの現代社会を表現した『EARTH』と、「第54回ヴェネチア・ビエンナーレ」で大きな反響を呼び起こした『The Cloud of Unknowing』の2作品が上映予定だ。世界中で評価される作品を見られる貴重な機会だ。
終了日程や上映時間は未定なので、詳しい情報は公式ウェブサイトでチェックしてほしい。街ぐるみのアートフェスティバルで、いつもとは違う映画体験をしてみては。
※9月13日〜(時間はプログラムにより異なる)/ケーツー/料金は料金は1800円、学生・22歳以下1500円、高校生・18歳以下1000円、中学生800円、小学生500円
立川名画座通り映画祭 記念上映会
名画の上映と自主制作映画の祭典である「立川名画座通り映画祭」の第10回開催を記念して、今年度受賞作品を含んだ歴代グランプリ全10作品を記念上映する。かつて立川にあった名画座をしのんで毎年開かれるこのイベントでは、スマートフォンで撮影された作品や、幅広いジャンルの自主映画に出合えるのが魅力的だ。
新しい映画文化を発見できる場である今年の立川名画座通り映画祭は、9月14日(土)・15日(日)に開催するので、併せてチェックしてほしい。
第10回までの間に全国から応募のあった総数1124作品の中から選ばれた今回の10作。今年の受賞作である10作目は、15日の映画祭表彰式の中で決定する予定だ。
ある惑星の映像を、その星の住人に送り続ける宇宙飛行士を描いたアニメーション作品の『AYESHA』や、コインランドリーを舞台に淡い恋心を描いた『土曜日ランドリー』など、個性的な作品が勢ぞろい。作品は全て約10分以内のショートフィルムで、発想豊かな映像を気軽に楽しめるだろう。
さらに監督や出演者のエピソードトークが楽しめる舞台あいさつも予定。新鋭たちの声を生で聞ける貴重な機会となるだろう。ぜひ足を運んでみては。
入場には公式ウェブサイトからの事前予約が必要なので、注意してほしい。
※9月16日、20〜22時/シネマシティ シネマ ツー/料金は500円