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「周りも見れないし、止まれない」サッカー未経験の母が、自分もサッカーを始めて理解した子どもたちの頑張り具合

サカイク

子どものサッカーを見ていると、「スペースに走れ」「そこで止まって」など、声に出さずとも思ってしまうこと、ありますよね。ピッチサイドにいると適切な位置などがよく理解できるものです。

ですが、実際にプレーをしているとどうでしょう?

サッカー少年団でお母さんコーチを経験した後、自身もサッカーを習い始め「実際にやってみたら周りも見れないし、足も止まらない」と話すお母さんに、子どものサッカーへの理解について聞いてみました。

現在中学生で反抗期真っただ中のお子さんとのサッカーという共通ワードでの会話も、参考にしてみてください。
(文・ 木村芽久美)

 

(写真はサッカーのイメージです)

  

関連記事:「なんで走らないの」なんて言えなくなった。 サッカー未経験の父たちが、自身もサッカーを始めて変わった子どもへのかかわり方

 

■サッカー未経験のお母さんがコーチをやることになったきっかけ

川崎市在住のササキさんのお子さんは、小学校入学時に小学校のサッカー少年団に入部し、サッカーを始めたそうです。

当時は仕事が忙しく、普段一緒に遊ぶ時間がなかなか作れなかったため、サッカー未経験だったけれどもお母さんコーチを始めたのだそうです。

「熱心なコーチがいて、お母さん達にも『コーチやりませんか?』って気さくに声をかけてくれて」

チームのコーチ自身が元々サッカー未経験者で、お子さんのサッカーがきっかけで大人になってからサッカーをやり始め、インストラクターをするまで上達をされたのだそうです。

「お父さんコーチだけじゃなくてお母さんコーチもウェルカムな感じで、『教えるんじゃなくて、見守るだけでいいんです』って言うので。サッカーは未経験でしたけど、子どもと一緒にいる時間をできるだけ作りたくて挑戦してみました」とササキさんは振り返ります。

 

■見るのとやるのでは全然違う。サッカースクールに通い始めて、理解が深まる

(写真はサッカーのイメージです)

 

お母さんコーチをしていた時も多少ボールに触っていたけれども、大人のフットサルに時々誘ってもらったり、サッカー大会に参加しているうちに自身もサッカーが楽しくなっていったそう。

お子さんも中学に入学し、親の手を離れ始めたこともあり、2か月前から大人のためのサッカー教室に通い始めたのだそうです。

「これまでもサッカーやフットサルのイベントに参加はしてたんですけど、体が全然いうこと効かなくて(笑)。子どものサッカーを見ている時には『もっとああして、こうすればいいのに』って思うんですけど、自分がいざピッチに立つと、ボールがきてもうまくできないし。だから私も習いたいなと思って」

お母さんコーチをしている時から『サッカーは見るのとやるのでは全然違う』とは思っていたそうですが、実際やってみると、自身の体で実感したそう。

「子どものサッカーを見てた時は『あのスペースに走って』『そこで止まって』とか思っていたんですが、自分がやってみると周りを見る余裕もないし、走ってると急に止まれなくてバタバタバタってなってしまったり......。

どこにパスを出していいのか判断の難しさを実感し、自分がやってみたからこそ、子どもたちは頑張ってサッカーをしているのだと、さらに理解が深まりましたね」

 

■サッカーが、思春期の息子との大切なコミュニケーションツールに

(写真はサッカーのイメージです)

 

今、中学2年生の息子さんは部活でサッカーを頑張っていますが、まさに反抗期のまっ最中。

「試合を見に来ないで」と言い、機嫌が悪い時はもう話しかけないでほしい雰囲気を出しているといいます。子どもの気持ちもわかるけど、それでも気になるのが親心というもの。

「先日、息子にみつからないようこっそり見に行きましたけどね。中学入学以降、試合を見に行ったのは初めてです」とはにかみながら教えてくれました。

反抗期真っただ中の息子さんですが、サッカーの話題になると「これができるようになったよ」と自分から報告してくれたり、ササキさんからサッカーのことで息子さんに「これどうやるの?」と聞くと「お母さん、それだと全然ダメだよ。もっとここで触るんだよ」と教えてもらっているのだそうで、親子にとって、サッカーは良いコミュニケーションツールになっているのだそうです。

サッカーは反抗期の子どもとのコミュニケーションにも役立っています。上から目線ですけどね(笑)」

  

■サッカーは人生を豊かにし、生涯楽しめるのが魅力

ササキさんは学生の頃ソフトボールをしていたそうで、その楽しかった経験から、スポーツの価値は競技志向というよりは、生涯スポーツとして人生を豊かにしてくれることにあると位置付け、息子さんのサッカーについても口出しせず、夫婦で温かく見守っているのだそうです。

「スポーツで別にプロにならなくても、サッカーは仲間もできるし、国内外問わず色々な人と出会えたり、仕事関係以外でも仲間ができたり、人生を豊かにするものだと思っていて。

だから小学校でやめちゃうよりは中学校、その先でも続けてスキルを上げた方が、人生的にも自分で頑張ってきた証になるし、積み重ねたものになれば」と話します。

ひとつのことをやりきる充実感や忍耐力は、生きる力につながるでしょうし、友人たちとのコミュニケーションを学ぶ場として、また社会人になっても趣味として楽しめるという点などをサッカーの最大の魅力だと捉えているのです。

 

■サッカーを通じて、親子で一緒に成長する

息子さんにはできれば高校入ってからもサッカーを続けてほしいとササキさんは言います。

「社会人になってからも趣味でサッカーをしたり、サッカー観戦を楽しんだり、生涯サッカーを好きでいてほしいなとは思いますね」

ご自身の目標は『サッカーがもっと上手になりたい』そうで、

「スクールでは今年一年ドリブルをやるみたいなので、ドリブルとかボールタッチがうまくできるようになれたら」と意欲を示します。

お母さんが目標に向かって頑張る姿は、息子さんにとって大きな力になるでしょう。

保護者が行動で示すことは、お子さんに大きな影響を与えるという意味でも大切だと言えるでしょう。

大人も年齢に関係なく、自分の趣味や目標を持ち、サッカーを頑張るお子さんを、楽しみながら支えていけるといいですね。

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