友情が活動の原点に 相川晴彦さん(船橋市在住)
品川に生まれた相川晴彦(あいかわ はるひこ)さん(93)は戦後、家庭の経済事情から早稲田大学の夜学(二部)へ進学します。この時、入学に必要となる費用を貸してくれたのが麻布高校同級の友人でした。約10年後、「姉の花嫁衣装を質屋に入れて作った金」だったことを別の友人によって知ります。
母校麻布学園で築かれた土台
友情を大切に思い続ける中、1970年に麻布学園同窓会が学園の教育環境に介入する事件が起き、解決への道で仲間との結束が深まります。
水俣病、アフガニスタンなどの記録映画作家である3年先輩の土本典昭さんには特に強い影響を受けました。
そしてアフガニスタンに用水路を建設した中村哲医師を知り、ペシャワール会(※)へ入会します。
※中村哲医師が創設した国際NGO
恩送りを次の世代に
1962年、住み続けた都内から通勤に便利な高根台団地へ転居し、その後結婚。
多忙な中にあっても水俣支援、ペシャワール会会員としてなど、社会運動に積極的に取り組みました。
2002年に船橋市での中村哲医師講演会を計画、この時は中村医師のスケジュールが合わず中止になりましたが、08年に実現。
以来、講演会を4回、写真展を2回開催し、寄付金をペシャワール会へ送ってきました。
「毎回多くの来場者があり、賛同の声に常に励まされてきた」と振り返ります。
19年12月に中村医師が亡くなった後も「灯の火を絶やしてはならない」と一周忌のつどい、写真展を行い変わらぬ支援を続けました。
相川さんは話します。
「友情に応え続けて生きてきた。思いを次の世代に引き継ぎたい」。
今年も11月に船橋市民文化ホールで集会を行うため、調整を続けています。
(取材・執筆/すずこ)
問い合わせ
メール/haru-aikawa@circus.ocn.ne.jp
電話番号/047-401-3455 相川