元釣具屋店員が考える【100均ショップのルアーは初心者にこそ使ってほしくない理由】
まず最初に、この記事に書いてあることは私個人の思う所であって100均のルアーが悪いというわけではない。趣味である釣りのやり方を誰かに貶されるのは誰だっていい思いはしない。あくまでも私が思う事を述べるだけであるので、気分を害されそうな方は読み飛ばしていただきたい。
100均のルアー
コロナ禍での釣りブームあたりから、100円ショップでも釣り具の取り扱いが増え始め最近ではしっかりとコーナーが組まれるまでになった。
品数も増えハードプラグやワーム、ジグヘッド等多種多様な釣り具が販売されている。出来も決して100円クオリティと侮れず、ちゃんと釣り具として成立している。
釣具メーカーのルアー
では、釣り具メーカーの物となにが違うかと言えば、なにもかも違うと言って良いだろう。
ミノーを例にすると、釣り具メーカーの物はまず最低ラインとしてアクションが秀逸(釣れる)であることに加えて飛距離が求められる。群雄割拠の現代の釣り具業界で売れるミノーにするには、やはり飛距離は絶対に外せない。
その為にメーカーは日夜研究を重ね、シマノのジェットブーストやメガバスのLBOシステム等の重心移動機構が開発された。こぞって各社メーカーが開発を進め、飛距離の進化が頭打ちとなってくるとそこからさらに、唯一無二性が求められる。
一個1,500〜2,000円の釣り具メーカーのミノーにはそれだけ高い性能が求められる。開発期間も数年にわたるケースが多く100円ではどうやったって作れない物だ。一概には言えないが、ルアーの性能というのは見た目では分からないかもしれないが金額にそれなりに比例すると考えて良いだろう。
釣りは一瞬の時合い
一日釣りをしていて、釣れる時間というのは限られている。丸一日釣り場に立っていたとしても、釣れるチャンスはほんの一瞬なんてことはザラだ。
私が言いたいのは、その一瞬のチャンスの時に竿先に100円のルアーをぶら下げますか?ということだ。苦労して漕ぎつけた一瞬の時合いで釣れる確率を自分で下げてしまっていないか?
もちろん、これは100円のルアーが釣れないと言っているのではない。だが、100円のルアーと2000円のルアーでは飛距離も性能も、付いている針も全て違う。
ルアーの性能に頼るべき
100円ルアーでも釣れるかもしれない、でも2,000円のルアーならより高い確率で釣れるはずなのだ。
初心者こそ、ルアーにはお金を掛けるべきだ。上級者なら、時合いがある程度予測できて釣り場の特性を理解できているからルアーの性能に頼る事が減ってくるだろうが、初心者の時は存分にルアーの性能に助けてもらうべきだと私は考えている。
なにごとも良し悪し
ミノーを例に挙げて話を展開してきたが、メタルジグやロックフィッシュ用のオモリとなればまた話が変わってくる。鉛製のメタルジグやオモリなら、正直100均のものとメーカー品で大きく違いが出るとは思えない。
もちろん細かい部分では異なってくるし、元々付属しているハリやスプリットリングはかけているコストが異なる。メーカー品は長い開発期間を経て試作品をいくつも作り製品にしているのだが、とはいえ内部構造が無いのでミノーほどの差は生まれないだろう。
根掛かりしやすい場所でルアーを100均のものにして根掛かりを恐れず強気で攻めるというのなら確実に釣果に繋がるはず。
ワームもメーカー品か?
だが、ワーム等は100均の物は臭い付け等がされていないが、メーカー品は基本的にエキスやフォーミュラを添加して有り、食いを促進するようになっている。渋い時こそこういう差が釣果に影響しやすい。
釣りたいのか、コストを抑えたいのかで釣り具は使い分けるべきだ。初心者がなんの考えなしに違いが良くわかんないし、安いから100均でいいやというのは釣れるチャンスを自ら下げているかも知れない、という話だ。
<檜垣修平/TSURINEWSライター>