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第11代目ピーター・パンの山崎玲奈らがパフォーマンスを披露 ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』製作発表レポートが到着

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左より)演出・振付:長谷川 寧、ダーリング夫人役:太田緑ロランス、フック船長役:石井一孝、ピーター・パン役:山崎玲奈、ウェンディ役:山口乃々華、タイガー・リリー役:七瀬恋彩

2025年7月より東京国際フォーラムホールCで開幕する、青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイ・ミュージカル『ピーター・パン』の製作発表が6月25日(水)に開催された。山崎玲奈・石井一孝・山口乃々華・七瀬恋彩・太田緑ロランス・長谷川 寧(演出・振付)が登壇し、劇中ナンバーより3曲を披露。さらに製作発表のあとには、キッザニア東京主催の「ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』なりきりコンテスト」の決勝ステージが行われた。また、ジョン&マイケル役(ダブルキャスト)の組み合わせ、出演スケジュールが発表された。

今年で45年目を迎える、世代を超えて愛され続けるミュージカル『ピーター・パン』。2023年よりピーター・パンを第11代目の山崎玲奈が担当、パペットやパルクールなどを導入した長谷川 寧の演出・振付が注目を集めた。今回はフック船長、ウェンディ、タイガー・リリー、ダーリング夫人のキャスティングを一新。演出面もさらにパワーアップした新たな『ピーター・パン』が誕生する。東京公演は7月28日(月)~8月6日(水)に東京国際フォーラムホールCで上演。その後、群馬、大阪、福岡のツアー公演が上演される。

製作発表では、まず最初にピーター・パン役の山崎玲奈、ウェンディ役の山口乃々華による『ネバーランド』を披露。「ネバーランドはどんなところなの?」と興味津々に尋ねるウェンディに「そこに行けば誰も大人にならない“夢の島”なんだ」と、ピーター・パンが夢いっぱいに語り伝えるナンバー。会場に語りかけるように静かにやさしく歌い始める山崎。そこに現れた山口の問いかけにネバーランドの魅力を語る山崎。そして二人のハーモニーが響き渡る。

奥より)ピーター・パン役:山崎玲奈、ウェンディ役:山口乃々華

2曲目はフック船長役の石井一孝による『フックのワルツ』。フック船長が「俺こそが、史上最強の悪党なのだ」と誇らしげにアピールする、フック船長の代名詞ともいえるナンバーだ。登場した石井は華やかな曲調に乗せ、恐ろしげでありながらどこかユーモラスな歌詞を朗々と歌い上げた。

フック船長役:石井一孝

そして3曲目は『アイム・フライング』。ミュージカル『ピーター・パン』といえばこの曲。ピーター・パンがウェンディ、ジョン、マイケルたちと一緒に、まさにネバーランドに飛び立とうする、冒険の始まりとなる大ナンバー。劇中でお馴染みの振付や台詞とともに、圧倒的な歌唱力で楽曲の魅力を表現。会場から拍手が巻き起こる。

ピーター・パン役:山崎玲奈

歌唱披露のあとは山崎、石井、山口に加えて、タイガー・リリー役の七瀬恋彩、ダーリング夫人役の太田緑ロランス、そして演出・振付の長谷川 寧が登壇。今回の公演に向けての思いを語った。トークでは2023年からピーター・パン役を務めている山崎のことを、石井や山口が“先輩”呼びしたり、長谷川が山崎がTikTokを始めたことに触れたり。明るくフランクな稽古場の空気が窺えるようなやりとりに、会場には絶えず笑いが起きる記者発表となった。

■山崎玲奈(ピーター・パン役)

11代目のピーター・パンとして3年目を迎えます。ずっと出演したかった作品に、3年連続で出演できることがとてもうれしいです。今回も新たに挑戦していきたいと思います。今年は初心に帰るつもりで原作をもう一度読み返してみたり、キャストの皆さんが一新されたので、皆さんとの掛け合いで得られるものを大事にしたりしながら参加できたら。また18歳になり成人したことで、これまでとはまた違う感覚でピーター・パンを演じることができるのではと、ワクワクしています。
先ほど長谷川さんがおっしゃった「神話」というテーマにカンパニー全体で取り組んでいる最中ですけれど、これまでと比べたときの私自身の変化としては――、先日は二幕の稽古に入った段階ですが、一幕の稽古でウェンディとのシーンを悩んでいることに表れている気がします。
今回ウェンディを演じられる山口さんと一緒にシーンを作らせていただいてますが、ピーター・パンとウェンディの間の駆け引きがより活発になった感覚があります。台詞の合間にちょっと遊んでみることで、ウェンディの活発さを受けて、ピーターもアクティブで元気なイメージに近寄った気がしますし、新成人になったからこそピーターの大人な部分といいますか、ウェンディとの駆け引きでちょっとドキッとできるようなお芝居にチャレンジしてみたいです。
あとはピーター・パンの冷静さやある種の残酷さを、ロストボーイズとのお芝居で確かめていきたいし、そうすることでお客さまにちょっとドキッとする瞬間も与えられるかもしれません。今まで演じたことのない、冷静に怒るという芝居にもチャレンジさせていただいていますし、そこでもピーター・パンの大人な部分をお見せできれば。
ピーター・パンはずっと憧れの役だったので、演じることができると知ったときはとてもうれしかったですし、初めて演じた2023年はかっこいいピーター・パンが作りたくてパルクールやフライング、殺陣など、それまでやっていないことにチャレンジできた年で。それが2024年に繋がったと思います。
もちろん今もピーター・パンを演じることができる喜びを感じていますが、3年連続で同じ役をやらせていただける機会はなかなかないと思うので、もっともっと自分の限界までピーター・パンという役を追求していきたい。ピーター・パンの一番の理解者でありたいといいますか、お客さまにはあえて見せない部分も抱えながら演じたいです。
台本を読めば読むほど、ピーターの切ない部分が自分の中に入ってくるのですが、そこで悲しいお芝居をするのではなく、そこはあえて見せずに、ピーター・パンを自分にどう落とし込めるかを研究しています。まだ「これがピーター・パンだ」という答えは見つかっていませんが、それを探すのがとても楽しいですし、これからの稽古でも研究に励もうと思います。

■石井一孝(フック船長役)

このような素晴らしい役にお声がけいただいて、理由を伺ったら「顔がフック船長っぽいから」と言われまして。「あ、そうか!」と納得しました(笑)。確かに僕は顔が濃くて、どんなカツラにも衣裳にも負けないと言われていまして。この(フック船長の)格好にもすごく馴染んでいるので「もとからこういう顔だったのかな? こういうヒゲだったのかな?」と思っている次第でございます(笑)。
冗談はさておき、今は長谷川寧さんのとても熱心で愛情深い演出を受けている最中です。長谷川さんは「新しいフック船長を作りたい」とおっしゃってくださっていまして。僕の知る限りでも、このようなフック船長は未だかつていなかったのではないかと思います。顔が誰よりも怖いという点を除けば、これまでとはちょっと違うフック船長を今、造形しようとしています。(山崎)玲奈先輩の胸を借りるつもりでピーター・パンと向き合い、新しいフック船長、そして新しい『ピーター・パン』を作れるのではないかなと思っております。最高の『ピーター・パン』を皆さまにお届けできるように頑張りたいと思います。

■山口乃々華(ウェンディ役)

私は2019年に初めて『ピーター・パン』を拝見しましたが、そのときに「ウェンディになってみたい!」と心から思ったことが6年越しで叶いまして、本当に夢のような日々を過ごしています。稽古場では(山崎)玲奈先輩のピーター・パンに導かれながら、どんどんネバーランドへ旅していて、ウェンディを演じているという気持ちよりも、自分自身がこの世界観を心から楽しく感じています。そこまで作品世界に入り込ませてくださる、玲奈先輩のお芝居の世界へ引っ張ってくれる力に感動しながら、毎日お稽古させていただいています。
お稽古をしてみると、ウェンディは思っていたよりもアクティブで、物事への興味が原動力になっている女の子なんだなと強く感じています。ですので女の子らしさ、かわいさ、やさしさ、温かさにプラスして、アクティブで興味があることには全力で突っ走る、そんなウェンディを目指して頑張っていきたいと思います。

■七瀬恋彩(タイガー・リリー役)

タイガー・リリーとしての見どころは、やはり彼女がモリビトたちと一緒に踊るところだと思います。ネバーランドのエネルギーや野性味がすごく感じられるシーンだと思いますし、実際に舞台全体を広く使ったダイナミックな動きがたくさんあります。振付にはリフトやルーティーンなどの技が入っていますが、それらはお互いが信頼しないとできない動きです。そういうところが物語とリンクしているのも面白いので、ぜひ注目していただけたらうれしいです。

■太田緑ロランス(ダーリング夫人役)

最初に台本を読んだときには神経質なところもある、繊細なダーリング氏を支えるやさしい奥さま、やさしいお母さんといった印象でしたが、実際に立ち稽古をしてみますと「ここも面白くできるな」というところがあり、当初の予想よりは少しコミカルな楽しい家族になっているのではないかと思います。
石井さんはとフック船長とダーリング氏の二役を演じられますが、石井さんととくに打ち合わせはしていませんでしたが、お稽古初日から上手く噛み合ったような感じがありまして。「そういうふうにされるなら、私もこういうふうにしてみようのかな」と、いい感じで掛け合いができたような気がして、素敵なスタートを切らせていただけたと思っています。
マイケルはダブルキャストですので、うちにはウェンディを筆頭に5人のかわいい子供がいます。お稽古序盤には、子供たちがダーリング家でのルールや1日のルーティンを考えて発表する時間もありましたが、そのときから子供たちとはダーリング家についてコンセンサスが取れていましたので、これからだんだんと家族になっていけそうです。

■長谷川 寧(演出・振付)

フック船長のキャスティングが変わるということで、その造形をどう探っていくかを考えるためにさまざまな文献に目を通していたのですが、そこでピーター・パンの「パン」が、ヤギのような角と脚を持つギリシャ神話の牧神パンに由来するという説を知りまして。今回はそこからちょっと広げていくつもりでいます。今回は、新成人になった(山崎)玲奈さんが、ピーター・パン役として3年目を迎え、メインキャラクター以外のキャストも相当変わりました。 この機会になにか新たなテーマを設けてみようという思いもあったので、今年はテーマを「神話」にしたいと思います。フック船長も、今日歌っていらした感じからいろいろ変わってくるでしょうし、そこを踏まえて3年目ということでいいものは残しつつ、捨てていく覚悟も必要かな。新しいことに挑戦して、神話というテーマを置いたときになにが残せるのか、なにがプラスされるのかを考えたい。ですから3年目を迎えても全然楽はできませんし、今も稽古に正面から取り組み、作っている最中です。

製作発表のあとは「ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』なりきりコンテスト」の決勝ステージが開催。これは、こどもの職業・社会体験施設「キッザニア」で催される『ピーター・パン』の期間限定コラボパレードが、今年で3年目を迎えることを記念した企画だ。

3歳から15歳までを対象に、劇中曲『アイム・フライング』を使ったパフォーマンスに挑戦する子供たちを募集。パフォーマンス映像による選考を経た11組の子供たちから、ピーター・パン賞とキッザニア賞が選出される。

コンテストが始まるとステージには山崎が登場し、課題曲の『アイム・フライング』を披露。それぞれに工夫を凝らし、ピーター・パンをイメージした衣裳を着た子供たちは、山崎の登場に目を輝かせ、その歌声に大きな手拍子を送る。

ピーター・パン役:山崎玲奈

「緑の服を着た皆さん、とってもかわいらしいです! 今日は『ピーター・パン』の代表として、私が皆さんがどれだけピーター・パンになりきれているか、見ていきたいと思います。練習してきたことを全力でやり切って、みんなで楽しみましょう!」

参加者にそうメッセージを送った山崎も特別審査員として参加、いよいよ決勝ステージが始まった。ヒップホップの動きを取り入れた二人組のダンス、バランスボードに乗って歌うピーター・パンとその周りを回るジョンとマイケル。そして魔法の粉を振りまくパフォーマンスなどなど、楽しく熱のこもったパフォーマンスに客席から温かい拍手が起こり、歓声が上がる。

審査員を務めるピーター・パン役:山崎玲奈

11組のパフォーマンスが終わり、厳正な審査の結果、キッザニア賞は、バレエやアクションを取り入れた伸びやかでキレのあるダンスで、山崎が「私よりダンスが上手い!」とコメントした、”ことさん”に決定。副賞としてキッザニア入館ペアチケットが贈られた。
「(受賞できて)すごくうれしくて、踊りも楽しかったのでよかったです!」

ピーター・パン賞は“のんのさん”。軽やかで表現力のあるダンスと身体能力、そして山崎が「私もああいう衣裳がいいなと思いました!」と衣裳も高評価を獲得。副賞として『ピーター・パン』の鑑賞ペアチケットが贈られた。
「練習がすごく大変で、振りを作るのとかも大変で。すごく練習してピーター・パン賞をもらえてうれしかったです。いつか『ピーター・パン』の舞台にも出たいです」
この言葉に会場からは拍手、そして山崎から「待ってるよ!」というエールが。そしてコンテストは山崎の参加者に向けたコメントで幕を閉じた。

表彰式の様子

「皆さん、素敵なパフォーマンスをありがとうございました。選ぶのが本当に難しくて、私は満点ばかりをつけてしまいました。衣裳も素敵でかわいくて、プライベートでは着られないかもしれませんが、またどこかで着てほしいなと思います。皆さんのピーター・パンからパワーを吸収して、もっともっとピーター・パンを頑張りたいと思います。本日は参加していただきありがとうございました。皆さん本当に素敵でした! そして『ピーター・パン』も観に来てね。待ってるよ!」

参加した子供たちは、みんなでコンテスト後に『ピーター・パン』のコラボパレードに参加。笑顔で踊りながらキッザニアの場内を一周。ピーター・パンになりきった経験は子供たちにとって、きっと表現することの楽しさと喜びを深く感じる機会になったはずだ。

取材・文:小杉 厚/撮影:宮川舞子

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