酷暑&高水温で釣りづらい盛夏にライン(釣り糸)のメンテナンスのススメ
海水が沸騰するように熱くなる7月下旬から8月は、沿岸の魚は反応が鈍くなる。高水温では海中に酸素が溶け込みにくくなり、酸欠状態になってしまうせいだ。はあはあと息苦しい魚を狙って、わざわざこちらも体力・気力を削る必要はない。夏の釣りの休み期間は道具のメンテに時間をさいてやろう。中でも放置しがちなイトの交換についてここでは触れる。
酷暑期の釣り休み時期
気温35℃を超えるのも日常となった日本列島。海水温ももちろん上昇する。現在の大阪湾沿岸の海水温は26℃だ。全国的に、アジは25℃でほとんど沿岸から姿を消す。大阪湾名物のチヌも動いていない。こうなるともう狙い物がない。ストップ・フィッシング状態だ。
週3回釣行が常の筆者も今は自重している。個人的な話だが、最近ひどい頭痛が続いており、何かと慎重だ。これほど暑くなければもちろん海には出たいのだけれど、いくらなんでも海水温26℃では望み薄すぎる。報われないことをわざわざしたくない。大人の倦怠感。
その分、ラインの手入れにはじっくり手間をかけた。新しいリールを買おうとして、釣具店の店員に、「その前に……イトを巻き替えた方がいいですよ」と指摘されたことが理由だ。
傷んだラインをかえよう
イト(ライン)の巻き替えについて、その方法や手順について紹介する。
筆者はイトの巻き替えはほとんど釣具店でやってもらう。購入したイトかリールであればほとんどのお店がタダで巻いてくれる。持ち込みの場合は、工賃が200円~500円程度かかる。私は殊に高価なPEラインの巻き替えにおいて、失敗をしたくない。プロに任せた。
スプールに適切量のイト巻きをするのは、実は難しい。多くの場合スプールには下巻きという、ボリュームを補って本線のスプールエッジ近くの「イイトコロ」まで巻くための作業が必要となる。どの号数のラインを、どれくらいの量を下巻きするかは、数の計算の世界なのだ。筆者は自分が絶望的に数学的センスがないのがわかっているので、このへんは徹底的に釣具店のプロに任せる。同じような人は、自己作業せずプロに依頼しよう。
新品交換or裏返し巻き
スプールのイトの巻き替えは、新品交換が一番いい。しかしフロロカーボンラインやナイロンラインはまだしもPEラインは高価なので、そのつど新品を買うとかなり高くつく。年間2万円以上かかってもおかしくない。何せプロによると「一回使ったら巻き替えろ」と言われるのがPEだ。
だが、「裏返して巻く」という節約法がある。裏返して巻く、すなわちスプールの内側で溜まっている実質水に触れていない新品状態の部分を、外側に持ってきて、巻き直すのだ。
これでPEラインを、倍長持ちさせることができる。裏返し巻きは予備スプールが2ついる作業になるので、やはり自分で作業することはおすすめできない。
新品交換はカンタン
イトの新品交換は、シンプルでカンタンだ。一度専門店で下巻きしてもらっていれば、余りのイトを外して、そこに新しくイトを巻くだけでいい。筆者もこの際、アジング用のエステルラインを100m新品交換した。
ラインを巻くときには、PEならば濡れたタオルで手元を摑みながら、エステルラインならば指で軽くテンションをかけながら巻いてやろう。そうすることで密に巻くことができる
ラインを労わろう
釣りの世界には「魚の口に近いところから金をかけろ」という言葉がある。すなわちハリ、そして次がライン。金をかけるべし、労わるべし。実際ラインの状態いかんで、釣れる釣れない、アタリが出る出ないはハッキリとわかれる。夏、何もすることがないなら、ラインをしっかりと見直してやろう。秋がきて、突如襲来した大きい魚に切られたら、終わりだ。チャンスは何度も訪れない。夏の準備が、秋の一発目の釣果を大きく分ける。
<井上海生/TSURINEWSライター>