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「気がかり」な表現が物語に「緻密さ」を与えるカギになる?【プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑】

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「気がかり」な表現が物語に「緻密さ」を与えるカギになる?【プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑】

NO.12 気がかり【きがかり】[英:Worry]

【意味】

不安で気になること。心配事が心に引っかかっていること。

【類語】

危惧 思案 杞憂 屈託 懸念 憂鬱 神経質 不安 気苦労 鬼胎など

体(フィジカル)の反応

浮かない顔寝つけない寝覚めが悪い手を組んで安心感を得ようとする声が曇る疲れが溜まりやすい体や手元にあるものをしきりに触る息がしづらい喉が渇く唇を噛む目に力が入る立ったり座ったりを繰り返す落ち着かなくて歩き回る体がこわばった感じ食欲が湧かない

心(メンタル)の反応

そわそわする不安を感じるものがつっかえた感じがする気分が晴れない心もとないじれったくて、いてもたってもいられない中途半端な感じが続く気が揉める未練が残る悲観的になるほかのことに手がつかない心ここにあらずな状態焦燥感がある自信がない意識を集中できない

支流から本流へと幹を描けば読み応えのある骨太な展開に

不安な気持ちにさせる「気がかり」な事案を、登場人物に小出しで与えていくと、物語のフックとなって読者を引き込めます。特にミステリーではこのテクニックが有効です。

A、B、Cという3人の登場人物に対して、序盤から各々が「気がかり」になる材料を付与し、一見するとそれら3つの不安材料はまるで無関係に見せます。ところがそれらを紐づける共通項が浮き彫りになるにつれ、3人の「気がかり」な不安材料が大事件へとつながっていき――些細なはずの杞憂や懸念が、じつは凶行を呼び起こす予兆だった。というように、支流から本流へとストーリーの幹を描いていけば、読み応えのある骨太な展開になります。

それには齟齬のないプロット構築と、ディテールまで計算し尽くしたフラグの設定および回収が求められます。やや難易度が高いものの、日常の「気がかり」な伏線に着目するとアイデアが浮かびやすいので、ぜひトライしてみてください。

各々の「気がかり」なもやもやが大事件に発展することも

不安を感じる/悲観的になる/寝つけない

【出典】『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑』著:秀島迅

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