【市川市】精力的に作品を作り続ける切り絵作家、橋本明義さん
自分の作品を「切り絵スケッチ」と呼ぶ橋本さん。個展や体験会など切り絵の魅力を広める活動の他、9月には市内の名所を題材にした作品を市川市に寄贈しました。
立体感と色彩にこだわって
デザイン設計の仕事をしていた橋本さん。
20年ほど前から本格的に切り絵に取り組み、市川市の他、国内外の旅先の風景や仏像など200点以上を製作。
2014年に初めて個展を開催、市川市美術展覧会で18年に奨励賞、23年に会長賞を受賞、19年と24年にも個展を開いています。
撮りためた写真などから作成する下絵作りは一番重要。
作品に昇華させるため、建物は絵画技法のパースを用いて線を引き直し、遠近感を表現。
人や仏像は、顔の表情や手足の太さや筋肉の表現で躍動感が出せるかが勝負どころだそうです。
色彩も取り入れ、鮮やかな夕焼けの赤色や突き抜けるような空の青色、一見白黒に見える作品にも屋根や背景のグレーの濃淡にこだわって調整し、納得する色に作り上げています。
デザインカッターでよどみなくカッターを入れていく様子を見て、線に対する感覚の鋭さを感じました。
さまざまな切り絵の形態に挑戦
ワークショップを開催したり、中学校の体験会で切り絵を教えるなど、切り絵の魅力を伝える活動も行っている橋本さん。
最近は、色紙サイズの「日本の四季シリーズ」に取り組んでいます。
通常は1週間から10日くらいかかる作品が4、5日で作成でき、よい思い出散歩にもなっているそう。
「作品集の出版依頼があったが、印刷では切り絵の味がなくなるので断った。ぜひ多くの方に実物を見てもらい、楽しんでもらえれば」と話す橋本さん。
今回市川市に寄贈した作品は、行徳ふれあい伝承館・あいねすと(市川市行徳野鳥観察舎)・市役所行徳支所などを描いたもの。
早速、11月3日市政90周年記念式典が行われた市川市文化会館のロビーでお披露目され、列席者の目を楽しませていました。
これからも市川市内で橋本さんの作品を目にすることでしょう。