“受験直前”の「支えになる声かけ」とは?子どもの“3つのタイプ別”に紹介
臨床心理士・公認心理師のyukoです。受験まで残りわずかとなり、親子ともにそわそわし始めるこの時期。追い込みの勉強はちゃんとできているだろうか。もっと焦らなくて大丈夫? なんでそんなにイライラしているのだろう? 親としても気がかりが多いこの時期、どんな風に声をかけたらよいのでしょう。
ピリピリした娘。声をかけたほうがいい?黙っていたほうがいい?
1月から私立の中学入試が始まる娘。塾でもピリピリしたムードが流れ始め、家でも集中して勉強する時間が増えてきた。親もそわそわしてしまい、苦手分野の復習は終わったかな? 過去問の見直しは十分? など気にかかってしまう。受験を控えたわが子に、この時期どんな声をどの程度かけていくのがよい?
1月からの受験を控え、家でも塾でも受験ムード一色になるこの時期。
子どもの様子はタイプによって異なり、緊張が漂っている子や普段と変わらないように見える子、ピリピリしやすくなる子などがいると思います。
親としても体調管理や勉強の大詰め、子どもの生活リズムなどいろんな側面が気にかかり、気持ちが揺れ動くこの時期。子どもにはどんな声をかけていくのがよいのでしょうか。
声のかけ方は子どものタイプによって変わる。
緊張が強い子
明らかに緊張や不安が高まっている子には、適宜「大丈夫」と声をかけていくと支えになります。
・今まで頑張ってやってきたんだから、ここからは無理しないで大丈夫。
・万が一の結果でも、ここまでの頑張りが何よりの宝になるんだよ。
ネガティブなワードは避けたほうが良いとし、「絶対受かるよ」などとポジティブな声かけしかしない親御さんもいます。
ですが、緊張や不安を強く感じている子は、「もし望んだとおりにならなかったら」と頭の片隅で心配しているもの。ポジティブな言葉ばかりかけられていると、不安な気持ちを一人で抱え込みやすくなってしまいます。
消極的な気持ちにも寄り添い、「もしもの結果でも家族は何も変わらない」「別の選択肢を進むだけ」など安心できるような声をかけるのも大切です。
ピリピリ、イライラしている子
緊張や不安を刺激されるとイライラしてしまう子も多いです。
特に、自分自身で自覚していることを指摘されたり、何度も同じことを言われると苛立ちやすいもの。ピリピリ、イライラしやすいタイプの子は、できる限りそっと見守る関わりが支えになります。
家族の誰かが何気なくかけた一言でも過敏に反応してしまうときもあるでしょう。
そのようなとき、子どもの気持ちの背景を理解していないと不要な言い合いや余計なストレスに繋がりかねません。
子どもが敏感になりやすいワードや特にピリピリしやすい時間帯など、家族の中でしっかり共有しておけると、子どもの負担が減りやすくなります。
普段と変わらずのんびりしている子
普段と変わらずのんびりしている子に対しては、「焦らなくて大丈夫?」と心配になり、声をかけすぎてしまう親御さんが多いでしょう。
ただ、表面的には変わらないように見えても、内心では取り繕い平常心を保っている子もいるんです。やるべきことをしっかりとやれているようであれば、必要以上に焦らせたり急かす必要はありません。
むしろ、通常通りに生活し堂々としていられるのは強みととらえ、肯定的な声かけがあるとよいでしょう。
・いつも通りの生活をしていくのが一番大切だから、変わらずにいられるのは〇〇の強みだと思うよ。
・平気そうに見えるけど無理はしてない? 何か心配なことがあったら教えてね。
親側に余裕がないと子どもの表面に出ている様子だけを見て、感情的になってしまったり、不安な気持ちを押しつけたりしてしまいがち。
少し距離を取って余裕を持ち、子どもの気持ちの背景まで慮れるといいですよね。
yuko/臨床心理士・公認心理師