欲求をコントロールできなくなる“依存症”とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話】
犯罪に依存するケースも
「依存症」は、特定の行動や物質摂取をやめられなくなる病気です。脳の報酬系である「側坐核」に関係する病気と考えられており、特定の行為によって一時的に安心したり、不安を忘れられるため、何かストレスがある度に、同じことをくり返してしまいます。もちろん、ストレス解消法があるのはよいのですが、依存しすぎたり、その行為自体が犯罪の場合は、患者や家族の日常が壊れてしまいます。
この「依存症」には、大きく3つのタイプがあります。ひとつは「物質依存」で、アルコールや違法薬物などへの依存がこれにあたります。ふたつ目は「行為(プロセス)依存」で、これにはギャンブル、買い物、性行為などがあります。また、犯罪とわかっていながら、痴漢や万引きなどをくり返してしまうのも「行為依存」のひとつとされます。3つ目は「関係依存」で、これは特定の相手との関係に依存しすぎた状態をさします。その結果、過干渉や過保護、DVやストーカーといった行為に及ぶようになります。
また、拒食や過食嘔吐をくり返す「摂食障害」や、衝動的に体を傷つけるリストカット、市販薬を過剰摂取するオーバードーズなどの「自傷行為」も報酬系が関与していることがわかっており、依存症のひとつだと考えられるようになりつつあります。薬物治療のみでは治療は困難で、カウンセリングが重要な治療になります。
何かの衝動が習慣化し、やめられない状態
依存症
ギャンブルや飲酒など、ストレスから逃れようとやってしまう衝動行為をくり返すことで習慣化してしまい、やめられなくなることで依存症になる。
依存症の特徴誰にでも起こるどんどん悪化していく慢性的に続く物質依存
アルコール、タバコ、違法薬物(覚醒剤、大麻)市販薬、処方薬など
行為(プロセス)依存
ギャンブル、買い物、ゲーム、ネット、性行為、痴漢、盗撮、万引きなど
関係依存
異性(同性も)、DV、共依存、ストーカー、過干渉や過保護など
摂食障害
「痩せるしかない」という思いにとらわれてしまう
拒食タイプ
食事をとれない過食・嘔吐タイプ
たくさん食べて嘔吐する
自傷行為
脳内麻薬を求める依存症の一種
リストカット
手首を傷つけるオーバードーズ
市販薬の過剰摂取
依存症はちょっとしたきっかけで誰にでも起こる可能性がある!
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話 』監修:益田 裕介