「言語化力が足りない……」28歳女性に、キャリアのプロが授けた“3つの鍛え方”
「上司や同僚は複雑な感情を的確に言語化しているのに、自分は『難しいな』で思考を止めてしまう」
「言語化力を高めたいけれど、具体的に何をすればいいかわからない」
そんな声を上げたのは、メーカーで企画職として6年目を迎える28歳女性。よく耳にする「言語化力」という言葉にプレッシャーを感じつつも、実際にどう伸ばしていけばいいか分からず悩んでいます。
※本記事は、Podcast「5分で整うキャリア思考」の一部を抜粋・編集したものです。
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相談内容
28歳/女性
メーカーの企画職として6年目です。最近はよく「言語化力」と聞きますが、自分の言語化力を上げるためにはどうすればいいか悩んでいます。1つの事象に対して思考を深められず、「確かに...」「難しいな...」と終わらせてしまいがちです。上司や同僚は自分が感じていた複雑な感情を的確に言語化していたり、そうかその見方があったか、と感じることがあります。言語化力を身に付けることで仕事にも活きてきそうだと思いつつ、具体的にどんなことをすればいいかわかりません。
言語化力は速度・広さ・深さに分けて考える
坂井さんはまず、 「言語化力」という言葉を漠然と捉えるのではなく、分解して理解する ことを勧めます。言語化力には“速度・広さ・深さ”の3要素があります。
速度:頭に浮かんだ言葉をすぐに出せる力広さ:物事を因数分解し、構造的に整理する力深さ:具体と抽象を行き来し、本質をとらえる力
「難しい」と感じたとき、そのまま終わらせず「どの点が難しいのか?」「逆に難しくない人はどこでつまずかないのか?」と問いを展開する。これが、言語化力を磨く第一歩だといいます。
思考を外在化する習慣を持つ
では、具体的なトレーニングとはなにか。
坂井さんが推すのは、思考をその場で書き出す「外在化」です。
「 A4の紙に思いついたことを一気に書き出す 。いわゆる“0秒思考”は、言語化力を鍛える最もわかりやすい方法です」
書き出すことで速度が高まり、問いを加えれば広さや深さも養われていきます。
観察力こそが言語化の土台
坂井さんはさらに、言語化力を支える根本に「観察力」があると強調します。
「言語化は、心が動いた瞬間を丁寧に捉えることから始まります。自分の内面のざわつきや、人への感情を観察する。その体験に根差した言葉だからこそ、説得力や熱が宿るんです」
器用に一般論を語るよりも、不器用でも自分の実感を言葉にできる人のほうが信頼される と坂井さんは語ります。
まとめ:「流行に振り回されすぎないこと」
✓ 言語化力は「速度・広さ・深さ」に分解できる
✓ 思考を書き出し、問いを展開する習慣を持つ
✓ 観察力と実体験に根ざした言葉にこそ説得力がある
最後に坂井さんはこう付け加えます。
「 世の中の“言語化力ブーム”に縛られすぎないでください。日々の観察と、自分の心に正直であること。その積み重ねが自然と力になります 」
プロフィール
坂井風太
早稲田大学法学部卒業後、2015年DeNAに新卒入社。旅行事業部(現エアトリ)に配属後、ゲーム事業部、小説投稿サービス「エブリスタ」に異動。2020年にエブリスタ代表取締役社長に就任。M&Aや経営改革などを行うと同時に、DeNAの人材育成責任者として人材育成プログラムを開発。2022年にDeNAとデライト・ベンチャーズ(Delight Ventures)から出資を受け、株式会社Momentorを設立。組織効力感や心理学をもとにした人材育成と組織基盤構築の支援を行っている。
企業サイト 株式会社Momentor X(旧Twitter) 坂井風太
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