猫が『机の上に置いてあるものをわざわざ落とす』3つのワケ 落とさずにはいられない理由が?
1.単なる遊び
1つ目の理由は、単なる遊び感覚です。チョイッと前脚で押したら、目の前のモノが視界からスッと消えていく。その様子がきっと面白くてしかたがないのでしょう。何だかクセになって、同じことを繰り返します。猫は楽しいことが大好きな動物です。
ペットボトルやボールペン、消しゴム、リップクリーム、目薬、テレビのリモコン、スマホ、さらに、仕事で大事な飼い主さんの書類など、わりに真顔のまま、次から次へと落としていきます。とりわけ、新規のモノを見つけると、試しに落とさずにはいられません。
落とされたら困るモノに関しては、使ったらすぐに収納する、愛猫の手の届かないところに置く、などの対策を試みてください。フタを開けたままのポン酢やソースは、放置しておくと大変危険なので、使用後は必ず締めるように心がけましょう。
2.探求心(狩りのレッスン)
猫は子猫時代から遊びを通じて、さまざまなことを学んでいきます。モノを落とす行為も、その一環です。
試しに一度、モノを落とす際の愛猫をじっくり観察してみてください。必ずと言っていいほど、落下するモノの行方を目で追っていることがわかるはずです。どんなふうにモノが落ちて、転がっていくのか、愛猫なりに分析しているのかもしれません。
一説によれば、狩りのレッスン代わりにモノを落としているのではないか、とも言われています。いずれにしても、モノ落とし遊びを楽しみながら、疑似的な狩猟世界に浸っているのでしょう。
どんな飼い猫でも、ハンターとしての本能は残っています。狩猟欲を満たすには、おもちゃ遊びがいちばんです。もしモノ落とし遊びを頻繁に繰り返していたら、ストレス過多の可能性もあります。こまめに時間をつくって、たっぷり遊んであげてください。
3.飼い主さんを振り向かせたい
最後の3つ目は、飼い主さんを振り向かせるためです。
猫は賢い動物で、どんなふうにふるまえば、飼い主さんの気を引けるか、驚くほど心得ています。しかも、一度うまくいったら、成功体験として残るため、以降も何度となく同じ行動に出ます。
たとえば、以前に、わざとテーブルのグラスを落としたら、飼い主さんが駆けつけてくれた、という経験があれば、愛猫のなかで、「モノを落とせば、飼い主さんが来てくれる」という方程式が出来上がります。
この場合、モノを落とす行為は、いわば、「呼び出しボタン」のような機能を果たしています。
愛猫があえてモノを落とす心理的背景には、「かまって欲しい」「撫でてて欲しい」「ごはんが欲しい」などの要望が隠されている可能性もあります。
言語を持たない猫は、鳴き声や行動によって、何らかのサインを飼い主さんに送ります。愛猫のニーズを見極めたうえで、そのつど最適な方法で対処してみてください。
まとめ
「なぜに、今、それを落とす―」という素朴な疑問は、猫飼いさんの日常あるあるでしょう。猫は、モノを落とすのが大好きです。
今回の記事では、その理由について、「遊び感覚」「探求心」「注目を集めたい」、3つの視点に立って解説しました。
ケガの心配がなければ、モノ落とし遊びは、基本的には微笑ましい行動です。ただし、飼い主さんにとって大事なものだった場合、破壊されたときの心理的ショックは計り知れません。貴重なモノほど、愛猫の手の届かない場所に保管しておきましょう。