【イサキ】今年は当たり年!?愛知県は大山沖でイサキをねらう「テンビン吹き流し」
日頃、堤防そのほかのオカッパリをメインに釣りをするなかで、「沖に出ればもっと大物が…、もっとたくさん釣れるのになぁ」なんて思ったことはありませんか? 釣り人として「もっと釣りたい」欲が生まれるのは必然です。とはいえ、船に乗るには道具や釣り方、そもそも船の乗り方さえも分からず、少々ハードルが高いのも事実。そんなモヤモヤを抱えつつ次のステップアップを夢見るアングラーに向けて、経験豊富なHEATライター陣が優しく指南してくれる当「船釣りのはじめ方」企画。
第14回目の今回は、HAZEKINGさんがテンビン吹き流しでの「イサキ釣り」について、愛知県は大山沖での釣りを例に解説してくれます。
「テンビン吹き流し」によるイサキ釣りとは?
遊漁船を利用してイサキを釣る方法はさまざまですが、、愛知県は大山沖では「テンビン吹き流し」といった釣り方が主流です。普段、船釣りをしない方にとっては聞き慣れない釣法かもしれませんが、かんたんに言ってしまえばサビキ釣りに似た釣り方です。テンビンにコマセを詰めるカゴとオモリ、クッションゴムと仕掛を連結させて釣ります。
大山沖でイサキをねらう際の水深は45mほどです。ほかの地域でイサキをねらう場合、一般的に水深は20m程度なので比較すると深く、繊細なレンジ調整が求められます。
釣り方は船長から指示されたレンジに仕掛を投入して、イサキの群れを誘い出します。釣り人全員が同じレンジでマキエサを撒くことができれば、イサキの群れの密度が濃くなるので釣果が伸びやすくなるといった具合です。
手ぶらでもOK!?釣具はまとめてレンタルも可能
それではイサキ釣りの準備について見ていきましょう。
まずは船の予約から!
必要なモノはまとめて依頼を
釣行日程を決め、まずは遊漁船を予約しましょう。WEBサイトから、もしくは電話でイサキねらいであることを伝え、希望の日程や必要なレンタル用品を確認し予約を入れます。個人や少人数で行く場合は「乗合い」、大勢で行く場合は「貸し切り(仕立て)」にするとコスパよく楽しむことができますよ。あらかじめ同行者と相談しておくとよいでしょう。
近年、遊漁船のホームページ(HP)は充実しており、レンタルできる道具を事前にチェックすることもできます(※遊漁船により異なります)。もしレンタルが必要な場合は、予約する前に調べておくとよいでしょう。HPがない遊漁船の場合は、直接電話で聞いてみるとよいでしょう。
また最近では、釣具のレンタルサービスを釣具店や通販でも扱っています。遊漁船でレンタルがない場合は利用するのも手です。
船のルールを確認しつつ仕掛類を準備
次に、釣りで使用する仕掛やオモリといった道具(おもに消耗品)を用意しましょう。道具によっては遊漁船で指定されているものもあるので、事前に確認しておくのがベター。今回は大山沖におけるレギュレーションに合わせてご紹介します。
【オモリ】
オモリはコマセカゴのスナップを掛けるカンが付いた「カン付オモリ」を選びましょう。大山沖では80号の指定があるので注意が必要です。また、蛍光色など集魚効果のあるものを選ぶと、釣果が伸びやすくなるのでおすすめです。滅多にロストすることはないので3個ほど準備しておけば安心です。
【仕掛】
テンビン吹き流しは仕掛を海中に漂わせる釣り方です。そのため、あまりに長い仕掛を使用するとほかの釣り人とラインが絡まってしまいます。仕掛は遊漁船から指定された全長のもの(大山沖では全長2.5mまで)を選びましょう。3本バリと4本バリの2タイプありますが、初めての場合は3本バリが扱いやすくおすすめです。
また、ハリスの号数は2号から4号が一般的です。ジャンボイサキをねらう場合は3号以上が適合サイズですが、活性が低い状況では2号がおすすめ。3種類程度用意しておけば幅広く対応できます。
全長を確認しましょう
【そのほかのアイテム】
①クッションゴム
クッションゴムも必要なアイテムの一つ。大山沖では50cmの2号がおすすめのサイズです。ただ、アタリを取るために感度を優先するなら30cmのものがおすすめです。
イサキはほかの魚と比較すると口が柔らかいので、ハリに掛った魚をバラさないためにもクッションゴムを付けておきましょう。予備は3本あれば安心です。
左 コマセカゴ 右 サニービシ
②コマセカゴ
サイズは少し小型のLサイズがおすすめです。サニービシも使用できますが、コマセカゴと比較するとシルエットが大きく、ライントラブルの原因になってしまいます。2個あれば安心です。
③テンビン
テンビンにはさまざまなタイプがありますが、大山沖のポイントでは「弓型」が一般的です。3個あれば十分です。
受付から出船までの準備
次に、受付から出船までの流れを見ていきましょう。
受付をしよう
まず現地に着いたら受付を済ませましょう。受付で会計を済ませてレンタル用品を借ります。もし購入するものがあれば、先に伝えておくと船内でスムーズに購入できるでしょう。受付が済んだら、指定された釣り座に荷物を持ち込んで出船までに準備を整えておきます。
釣り座で身の回りを整理
乗船したら釣り座(釣る位置)に着きましょう。基本的には先着順ですが、船長の指示がある場合は必ず従ってください。
そして、釣り座に着いたら荷物をまとめておきます。船の通路に荷物を置いてしまうと、あとから来る人の妨げになってしまうので、極力足元にまとめておきましょう。
釣具をセットしよう
釣り座に着き荷物をまとめたら、タックル一式に仕掛をセットし組んでおきましょう。船内にロッドホルダーがある場合はここに竿を立てて、仕掛を組んでいくと便利です。
手順としてはテンビンに道糸を結び、コマセカゴとオモリ、クッションゴムとハリ(仕掛)を付けます。もしセット方法が分からなかったり、電動リールの扱いに不安がある場合は、集合時間より早く行って船長に扱い方をレクチャーしてもらいましょう。
釣り方の手順
それでは実際にテンビン仕掛の釣り方をご紹介します。
仕掛にエサをセット
まずはコマセカゴにマキエサを入れます。コツとしては容量の8割程度にしておくこと。限界まで詰めると、目詰まりしてエサがカゴから出なくなってしまうので注意してください。
次に仕掛のハリにエサを刺します。オキアミなどの小さなエサを使用する場合は、尻尾を取ってハリを通します。そのほかにもイカの短冊やアオイソメなども有効なので、食いが渋ければ試してみてください。
いざ仕掛を投入
①指定された水深に仕掛を投入
ポイントに着いたら船長からねらう水深の指示があります。それを目安に仕掛を投入します。リールのクラッチを切って糸を出しましょう。ただし、フォール中に勢いよく糸を出すと仕掛が潮に流されて糸絡みの原因となってしまいます。垂直に投入できるよう、スプールを親指で軽く押さえながら、落下速度を調整しつつ糸を出してください。
このとき重要なのがラインのカラーを確認することです。リールのカウンターは誤差があるのであくまで参考程度としてください。1mずれるだけでも釣果にかなり差が出てしまいますよ! 目的の水深に到達したらクラッチを戻して誘いを入れます。
②大振り厳禁!?竿を振ってマキエサを拡散
ポイントの水深に仕掛が到達したら、コマセカゴに詰めたマキエサをばら撒きます。まず竿先を水面まで近付けて目線の高さまで素早く振り上げましょう。このとき頭の上まで竿を振り上げてしまうと、海中で3mほどマキエサが散らばってしまうこととなります。これを1.5mにとどめると、イサキの群れが同じ水深に集まって仕掛のエサと同調し、食ってくれる確率が上がります。
魚が掛かったら
イサキが仕掛に食いつくと鈍く竿先が沈み込みます。口が柔らかい魚ので、ハリが外れないよう丁寧に竿を持ちあげてアワセを入れましょう。フッキングが成功すると暴れ始めるので、ラインのテンションが緩まないようゆっくりとリールを巻きます。電動リールの場合、高速で巻き上げると外れやすいので速度を調整しながら巻き上げましょう。激しく抵抗する場合は無理に巻かず、衝撃を軽減するのがファイトのコツです。
水面に魚が上がったら、ネットでキャッチして取り込みましょう。
慣れてきたら、連掛けにも挑戦してみてください。1尾目が掛かったあとに、低速で巻き上げながら追い食いをねらいます。活性が高いと数釣りを楽しむことができるので、ずっしりと手応えのある引きを満喫してくださいね。
今回はテンビン吹き流しによる「イサキ釣り」についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか? 基本的な操作はサビキ釣りと同じなので、慣れてしまえば手返しよく数釣りを楽しむことができます。
ただ、大山沖は水深が深いので、小まめなレンジ調整が必要になります。カウンターの付いた電動リールがあるとかんたんなので、初心者の方はレンタルがおすすめです。
また、今回ご紹介したイサキ以外にも、テンビン吹き流しでは大型のアジやサバなど釣れる魚種が豊富です。何が釣れるか分からないというのも船釣りならではの楽しみではないでしょうか? そんななか、「イサキをねらって釣り上げた!」という達成感は、筆舌に尽くしがたいものがあります。ぜひ、機会があればイサキ釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
レポーター
プロフィール:HAZEKING
東海エリアを中心に活動する釣りユーチューバー HAZEKINGです。エリアトラウト、ハゼ釣り、海釣り、ロックフィッシュなど釣りジャンルは全部! 今も自身の新ジャンルを開拓しています。初めて魚を釣ったときの感動をみなさんと共有するためSNSをスタートし、HEATでは1人でも多くの方に釣りの魅力を伝え、「よし、明日釣りに行こう!」と思ってもらえるような記事を執筆したいと思います。
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