娘の考えていることがわかる。母になって手に入れた“不思議な能力”
「良い花は後から」ということわざがあります。先に咲いた花よりも、後に咲いた花の方が美しいという意味を持つこの言葉。人生も同じだと思いませんか? 酸いも甘いも経験した40代頃からのほうが人生の豊かさを感じられるようになります。そんなことを意識しながら生きているkahoが日々思うことをお届けします。
占い師さんに言われた一言
4年ほど前に、すごく当たると評判の占い師さんを紹介してもらい夫と私の仕事のことを見てもらったことがある。夫と私の名前と生年月日を書いた紙を渡し、そのときに聞きたかったアドバイスをもらったのだけど、その話が一通り終わった後占い師さんがこう言った。
「あのね、娘さんが今やりたがっていることあるでしょ? それ、やらせてあげなさい。すぐに」
えっ? 私、娘がいるって言いましたっけ? キョトンとしてそんなことを思っていたら、
「視えるのよ。娘さんがいることは聞かなくても。それよりも、本当に彼女がやりたいこと、やらせてあげてね」。
娘はその半年ほど前から、ダンスをやりたいと言っていて、「体験できるところ探しておくね」と言いながら時間が過ぎていた。
「あなたたち、適当に聞き流してるでしょ? ダメよ。それ、やらせてあげてね」。
そこまで言われたらこちらも動くしかない。娘に、「ねぇねぇ、本当にダンスやりたいの?」と聞くと、「うん!」と言う。
ダンスをやっている友人がいたので相談したら、個人レッスンを受けてくれてすぐに通い出した。
それから3年。娘が、もう少し本格的にやってみたいというので、今年からダンススクールに入った。
ダンスがうまくなりたいという気持ちは何年も変わらないし、むしろどんどん強くなっているように感じる。
それだけの気持ちがあるものはきっと長続きするだろうし、本人にとっても学ぶことで人生に大きな影響があるものになるのだろうと思って見ている。
娘の顔を見るとわかること
先日、ダンス教室に迎えに行ってガラス超しに娘の顔を見た瞬間、「あ、泣くのをこらえてる」と感じた。娘は、先生の振付を見ながら真似している。泣くのをこらえていると思うような表情は一切していない。
けど、私にはわかる。娘は今、泣くのを必死にこらえている! と。そして、娘の様子を見ていると、「悔しい」という気持ちが伝わってきた。
「そうか。悔しくて泣きそうなのか。でも、ここで泣くわけにはいかないから必死でこらえているのか。というか、こらえられるのすごい! 成長したなぁ」
そんなことを思っていたら、私のほうが涙目になってしまった。
少し延長して終わったレッスン。ロッカールームから出てきた娘とエレベーターへ向かう。エレベーターに乗ったら2人だけだったので、「お疲れさま。がんばったね」と娘を抱きしめた。その瞬間、抑えていた気持ちが溢れた娘は大泣きした。
「えらい、えらい。よく我慢してたね。でもさ、悔しくて泣けるってすごい経験だよ。それだけ頑張りたいことがあるってことじゃん。今のこの気持ちを忘れたらダメだし、この気持ちをどう生かすかはあなた次第よ」と伝えた。
しばらく泣き続けていた娘が、落ち着いてからこう言った。
「ママは、何も言わなくてもいつも私が思っていることがわかるんだね。泣きそうなことも、悔しいことも全部わかってるんだね」と。
そうなのよ。わかるのよ。母になって身についたことの中で1番驚くのがこの能力。
娘の顔を見ると、考えていることとか、どこかが痛いとか、不調だとか、お腹が減っているとか、眠いとか。とにかく、だいたいのことはわかる。
「夜中に毛布をかぶってなくて寒いなって思うと、ママが必ず毛布をかけてくれるの。いつもびっくりするんだ」と言われたことがある。
隣に寝ている娘は暑がりでいつも毛布をはぐ。私は夜中に何度も娘を毛布の中に戻す。ほぼ無意識で。
母はエスパー?
考えてみたら、私の母もそういうところがある。
定期的にお米や野菜を送ってくれる母。「そろそろお米がなくなるな」と思うと、「お米、送ったからね」と連絡がきたりする。
うちの米びつが見えているのか? というくらい、まさに! なタイミングで連絡がくる。
私が娘から感じ取っているものとは少し種類は違うけど、母親という生き物は、我が子のことになると何かしらエスパーのような能力が開花するものなのかもしれない。
この2月で娘が11歳になる。私も母歴11年になるということだ。まだまだ未熟な母だなと思いながらも、私は母である自分が好きだ。
こんなにも愛おしい存在に出会えて、その存在と向き合い毎日を過ごせている。切磋琢磨しながらも、娘が成長するのと同じく、自分も母として日々成長しているはずだし、何よりエスパーのような能力まで手に入れた。
「ママにはなんでもわかっちゃうからちょっと怖い(笑)」。
娘がそういうのを聞くと、ちょっとだけ母として誇らしく感じてしまう。
潜在意識インタビュアーkaho/ライター