“キャラ変”した妻が「ケダモノを見るような目つきで…」転職で劣悪になった夫婦仲に戸惑う49歳男【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「冷酷と激情のあいだvol.228〜女性編〜」では、自身のステージが変わり、離婚を強く望んでいる女性・咲希さん(44歳・仮名)の切実な思いをお届けしました。
咲希さんの夫であるマサカズさん(49歳・仮名)は、妻からの離婚申し出と夫婦関係についてどう受け止めているのでしょうか。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
49歳、転職した妻が変わってしまった
「妻は転職をしてから、ずっとおかしいんですよ。ある日突然に『離婚をしたい』って言い出してから、僕に対する視線もどんどん冷たくなって、家の中にいてもほとんど会話をしなくなりました。
最初のうちは、倦怠期かな〜ってのんびり構えていたんですけどね、もうそういう状態が半年以上も続いているので、さすがにコレはやべえなって思い始めているんですよ」
浮かない表情で夫婦仲を話し始めたマサカズさんは、できることなら妻が転職をする前の夫婦関係に戻りたいと願っていると言います。
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あの頃はよかった
「あの頃はよかったんですよね〜。ふたりのペースも似ていたし、くだらない会話も面白かったし。
だけど今は、もう妻は別人ですね。
転職をしたいって言われたときに、全力で止めれば良かったのかなって後悔しちゃいますよ。
だけど妻が結婚をしてから専門学校にも通って、資格をとるために一生懸命頑張っていたのを見ていたんで…。
夢だった仕事に就きたいって告げられた時に、NOとは言えなかったんですよね」
妻が転職したのはIT業界。時代の最先端技術を扱っているというプライドも高く、妻の態度の変化によって、夫婦のパワーバランスも崩れてきたと続けます。
お金以外では揉めないだろうけど
「なんか…、家にいても怖いんですよね。
妻は俺をケダモノでも見るような目で見てくるし、会話をしようとしても“つっけんどん”な返事しか返ってこない。
あ、稼ぎは妻のほうが圧倒的に上です。前は似たようなモンだったんですけど、妻が転職してからは圧倒的に彼女が上ですね。
あ〜ぁ…、話していてもため息しか出ないですね。
今の妻は定期的に離婚をしたいって言ってくるんです。こっちとしてはワケがわからんですよ」
夫婦間に子どもはいないため、いざ離婚となってもお金の話以外では揉めないだろうとマサカズさんは考えています。
しかし揉める要素がないとは言っても、妻からの離婚の申し出を受け入れるのには、強い抵抗があります。
修復したいけれど
「もう夫婦関係は壊れちゃったのかなぁ。俺としては修復できるなら、したいですけどね。
でも手も握らせてもらえないばかりか、近づこうとしただけでも露骨に避けてきますからね、今の妻は。
もう、妻からの離婚の申し出を受けるしかないんですかね? だけど俺は真面目に“夫”をやってきましたし、何も悪いところはないんですよ。
それなのに離婚をしたいって言われている俺って、めっちゃ可哀想じゃないですか?
『はい、そうですか』って離婚に応じるのって、負けたような感じで嫌なんですよね。いっそ妻が浮気とか借金とかしてくれれば、こっちの踏ん切りもつくんですけど…。
妻は俺よりも真面目な性格だから、それはないんだろうなぁ…。
何かのきっかけで夫婦仲が戻ればいいですけどね、今はそのタイミングを待つしかできません…」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)