加熱式たばこ増税検討で専門家「防衛増税の議論が先行している」と指摘
12月6日(金) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。金曜コメンテーターでクレディ・アグリコル証券チーフエコノミストの会田卓司氏と、たばこ税について意見を交わした。
寺島アナ「防衛力強化へ向けた増税の対象となっているたばこ税を巡り、政府・与党が紙巻たばこに比べ税率が低い加熱式たばこについて、2026年度の先行増税を検討していることが昨日分かりました。防衛力強化のため、政府は2023年度の改正で法人、所得、たばこの3つの税の税率の引き上げなどで財源を確保する方針を決定。2017年度には法人、所得、たばこの3つの税の増税で1兆円強を賄う計画が、増税時期の決定は先送りしてきました。政府・与党は加熱式たばこの税負担が紙巻きたばこの8~9割程度に抑えられている点に着目しました。水面下で検討されている案では、2020年度を周知期間とした上で、2026年度中に加熱式たばこを増税し、紙巻きたばことの税率差を解消。2027年度と2028年度にそれぞれ1本1円程度の増税を行うと言います。国内の葉タバコ農家や中小販売店への影響も考慮しながら検討を進めると言います。これは会田さんどうお感じですか?」
会田「まず、「紙巻たばこと加熱式たばこの税率が違った方がいいのか同じにした方がいいのか」という議論よりも、「防衛増税が必要だから取りやすいたばこから取る。すると加熱式たばこの税率が低いので上げる」という議論が先行してしまっているような気がします」
寺島「この加熱式たばこを先行増税する案では、たばこ増税が2027年度末までに完了しないと言います。ただ関係者によると、法人税の増税を2023年度の税制改正大綱で示した4~4.5%の範囲で調整することで、たばこ税の不足分を補えると言います。その結果、2027年度に1兆円強を確保する方針への影響はないとしています。こちらはいかがですか?」
会田「まだ賃金上昇が充分ではない状況で、あまりにも法人に負荷をかけてしまうと、賃上げ原資もなくなってしまう可能性もあるので、ここは注意が必要です」
<出典>
<独自>加熱式たばこ、令和8年度に先行増税検討 政府・与党 – 産経ニュース