【庄原市】森とつながりがある?幻の渓流魚「ゴギ」 子どもたちが調査体験|地球派宣言
庄原市で「幻の渓流魚」と呼ばれる魚の調査体験が行われました。
はじめて見る姿に地元小学生の反応はどうだったのでしょうか?
また、調査体験で子ども達に与えられたお題とは?
「幻の渓流魚」と呼ばれる魚とは「ゴギ」。
中国山地の源流域に生息するイワナの仲間で、絶滅が危惧されることから広島県の天然記念物に指定されています。
庄原市西城町で、2020年からゴギの生態調査をしているのは、愛媛大学理工学研究科研究生の佐々木悠人さんです。
今回の調査は、近畿大学農学部水産学科4年生の長谷川勝哉さんと田中悠真さんと共に行いました。
庄原市出身の佐々木さん。
「幼い頃から渓流魚が目の前にいる環境で育ってきて、地元の庄原市にゴギの保護区があることを知り、保護区のゴギが少なくなっているのか増えているのか?が疑問となり調べはじめました」。
今回は、特別な許可を得て電気漁具を使いゴギを捕獲し調査します。
※特別な許可を得て捕獲・調査を行っています。
※電気漁具を使った捕獲は禁止されています。
ゴギが食べているものを見てみると分かったことがありました。
水の中に落ちてくるものを何でも食べるので、口の中からいろいろな生きものが出てきたのです。
10月4日、ひろしま県民の森で調査体験がおこなわれました。
参加したのは、庄原市の永末小学校5年生 17人です。
まずは、ゴギを捕獲する様子を見学。中には、ゴギを初めて見る子どももいました。
今回の特別授業の中で、佐々木さんから子どもたちに大きな課題が与えられました。
その課題とは「ゴギと森がつながっている証拠探し」。ヒントは、ゴギの食べものにあります。
捕獲したゴギの胃の内容物を調べてみると……。
ハリガネムシやバッタなど、陸から水の中に落ちてきた生きものが出てきました。
水中にカメラを設置して見てみると、ゴギが陸から落ちてくる生きものを食べる様子も確認できました。
佐々木さんによると、これまでの調査で、ゴギは1年間に食べるエサの約6割を陸から落ちてくる虫に頼っていることが分かったそうです。
※調査後にゴギは川に放流しました。
調査体験を終えた子どもたちは、ゴギにとって森に生きる虫も必要なことを知りました。
今回、調査体験で講師を務めた佐々木さんは「ゴギだけではなくてゴギが住めるこの環境を守ることが大事。他の生きものを取り残さない、全ての生きものを守れるような環境を今後も残していってほしい」と語りました。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2024年10月16日放送)