初めての情報に出会ったときに注意するべきことは?
11月22日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、メディアリテラシーについて、白鴎大学教授・元TBSアナウンサーの下村健一氏に話を伺った。
長野智子「(今月の)17日に投開票された兵庫県知事選。有権者は新聞・テレビなどの既存のメディアよりSNS上の情報をもとに一票を投じたと言われています。今日は“旧メディア VS SNS”の二項対立に陥らず、まだまだメディアにできること、そして私たち受け手ができることについて下村さんに教えていただきたいなと思います」
下村健一「まず今回、斎藤候補に投票した人、それが『踊らされた人たちだ』って嘆いている人たちっていうのがいるんだけれども、いや待てよと。もうちょっとよく見ようよと。僕がいま(学校で)教えているメディアリテラシーの“初めての情報に出会ったときの態度”というので、子供たちに教えているのは“そ・う・か・な”の4つの頭文字なんですよ。“即断するな・鵜呑みにするな・偏るな・中だけ見るな”。スポットライトの中だけ見ないで周りの暗がりも見ようねということなんですね」
長野「なるほど!“そ・う・か・な”」
下村「即断するな・鵜呑みにするなで考えていくと、そういう人たちがみんなで熱狂して一気に投票しちゃって『これはヤバい、怖い』っていうのも、それはそれで即断じゃないの?という気がしています」
長野「あぁ〜、なるほど」
下村「積極的に熱く斎藤さんに投票した人の中には『旧メディア(新聞・テレビ)は嘘をついている』『実はパワハラはなかったんだ』ということで熱狂的に支持しているっていう“疑惑否定型”、これがタイプA。タイプBは“疑惑保留型”で『旧メディアは先走っているでしょ?』と。『まだ百条委員会も続いているし、なんか不信任になっちゃって失職したから先に選挙になったけど、まだパワハラなどについても真相がわからないんだから、今のところ続投ね』ということで斎藤さんに票を入れた人。で、タイプCとしては“疑惑肯定型”。これはつまり『たしかに何かあったのかもしれないけど、旧メディアは偏っているよ』と。『そこばっかりを報道していないで、彼が知事として3年間やってきた実績の部分をもうちょっと報じたら?』と。実績は実績で評価したいと思うから、ちょっと冷めながらも支持するっていう、この3つのパターンがあると思うんです。“疑惑否定の積極支持(タイプA)”か“疑惑保留の継続支持(タイプB)”か“疑惑肯定の消極支持(タイプC)”か。このタイプB・Cの人が結構多くいるんじゃないかと私は思っていて」
長野「そうですね」
下村「だから『こんなときに斎藤さんに票を入れるなんて!』っていうのも、それはそれで一面的な見方かなと思うんですね」