災害時に役立つ「ほかほかご飯の炊き方」。ポリ袋を使えば簡単・洗い物不要に【防災士執筆】
災害の備えに。ポリ袋を使うご飯の炊き方を防災士が伝授
近年、各地で地震をはじめとする災害が起こっており、防災意識が高まっている方も多いですよね。災害時でも手軽に食べられる非常食は停電や断水しても重宝するので用意して備えていらっしゃる方も増えた印象を受けます。
もちろん手軽に食べられる非常食の備えも大事ですが、万が一の際も毎日食べている主食の「ほかほかご飯」が炊けたら心強いと思いませんか?
本記事では、覚えておけば災害時も役立つ、ポリ袋を使用したご飯の炊き方をお伝えします。この炊き方だと、洗い物も少なく電源も不要なので、災害時だけでなく、停電時やキャンプ、日常生活でも手軽に炊けるのでぜひ覚えておいてくださいね。
用意する道具
・カセットコンロ
・カセットガス
・ポリ袋
・鍋
・鍋に入る大きさの耐熱皿
停電時、断水時でもご飯を炊けるようにこのレシピではカセットコンロを使用します。カセットコンロと鍋、鍋底に敷く耐熱用の皿、湯せん調理が可能なポリ袋(食品用の高密度ポリエチレン)をご用意くださいね。
材料(白米1合分)
米……1合
水……210cc
作り方(調理時間:約45分)
1. ポリ袋に米と水を入れる
ポリ袋に、分量のお米と水を入れます。ポリ袋は、必ず「湯せん調理可能」な高密度ポリエチレンを使用してください。
お米は無洗米でも普通のお米でもOK。ご家庭で普段使っているお米で試してみてくださいね。災害時はお水も貴重になるので、お米は洗わなくても大丈夫です。
ポリ袋にお米と水を入れたら、袋の空気を抜きながら袋の上の方でしっかり結び、10分ほど浸水させておきます(写真は1合×2袋で作成しています)。
2. カセットコンロに耐熱皿を敷いて準備
カセットコンロとカセットガスを用意しましょう。鍋に袋がかぶるくらいの水を入れます。あまり水が多いと、沸騰した際にお湯が飛び跳ねることがあるので、ポリ袋がかぶるくらいの水の量で大丈夫です。
水を入れたら、ポリ袋がなべ底に直接当たって溶けないように、必ずなべ底に耐熱のお皿を敷いておきます。
3. 米の入ったポリ袋を入れてから点火
米の入ったポリ袋を入れたら、カセットコンロに火をつけます。沸騰したら弱火にし、蓋を閉めて25分ほど煮沸しましょう。
4. 最後に10分ほど蒸らして完成!
25分ほど煮沸したら、火を止め取り上げたら、タオルなどに包んで10分ほど蒸らし完成です。とても熱くなっているので、取り出す際はやけどに注意してくださいね!
ポリ袋でご飯を炊くコツ
水の分量は、使用するお米によっても変わってきます。硬めが好き、柔らかめが好きなど個人の好みもあると思いますので、ぜひ1度炊いてみて水を増減してみてくださいね。
水の量を増やせば、体調不良時や離乳食にも使える、軟飯やお粥にもなりますよ。
1枚のポリ袋にたくさんのお米を入れると、炊きムラができやすくなります。ポリ袋1枚に対し1合~2合までにし、たくさん炊く場合は袋を分けて湯煎すると失敗しません。
ポリ袋を一度に何個も湯せんする時は特に、煮沸している時に菜箸などで炊き具合を確認しながらひっくり返したりすると、火の通りが均一になり炊きムラが軽減できます。
袋のまま食べれば、洗い物もなし
災害時は水が貴重になり、生活用水にまわす水も限られてきます。ポリ袋でご飯を炊くことで、袋から直接食べればお皿が汚れず洗い物がでないというメリットもありますよ。
また、ご飯を炊く際に一緒にポリ袋調理のおかずや、レトルトパウチの食品を湯せんすれば水・ガスの節約にもなり時短で温かい食事を完成させることができます。
一度やってみたら災害時も慌てない
災害時はとにかく精神的にも肉体的にも疲れています。そんなときに温かいいつもの白米で食事ができればほんの少し気持ちが楽になりますよね。
お米の炊き方を「ただ知っている」「聞いたことある」という状態ではなく、何もない平常時に一度実際にやってみることで、万が一の際も慌てず冷静に、失敗せずにご飯を炊くことができます。
休日のお昼に・キャンプに行った際に・お子さんと一緒に、まずは平常時の今、一度炊いて覚えてみてくださいね!
ライター:大森智美(整理収納アドバイザー/防災士)