【年収いくら?】製造業の35歳。老後に不安しかない……。年金では暮らせません【FPが解説】
読者から寄せられた「年収の額」を大公開。はたしてこの年代・業種で年収が多いのか少ないのか、質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【35歳 製造業】
【年収いくら?】35歳、製造業の場合
プロフィール
35歳、男性
製造業(正社員)
▼現状
年収:約400万円 ※源泉徴収票は転職前のもの
ボーナス:年間1万円
労働時間:月160時間、残業はなし
家族構成:母(年金生活者)と2人暮らし
【相談内容】年金の加入期間が少なく、老後が不安です……
「転職が多くブランク期間もあったので、今まで年金の納付が免除ばかりでした。老後の年金に期待ができず、将来が不安です」
現在の年収は平均と比べると高い?低い?
質問者さんの現在の年収は、転職を重ね約400万円とのこと。
一方、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、35〜39歳の製品製造・加工処理従事者の平均年収は約482万円*。
質問者さんの現在のお給料は、平均より低めの水準と言えそうですね。
*……参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
年金の受給額を増やすには?追納とiDeCoの活用法を紹介
質問者さんは年金の納付期間が少なく、将来が不安なのですね。
老後の備えとして「年金の追納」と「iDeCoを活用した個人年金」を組み合わせることで、将来受け取るお金を増やすことができます。
年金の追納で受給額を増やす
過去に国民年金の免除を受けていた期間は、追納することで将来の年金受給額を増やせます。
追納できるのは過去10年以内の免除期間に限られますが、追納した分は全額所得控除の対象になるため、所得税や住民税の負担も軽減できますよ。
iDeCoで個人年金を作る
公的年金だけでは不安な場合、iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用すると老後資金を効率よく準備できます。
iDeCoの主なメリットは次の3つです。
・掛金が全額所得控除→節税しながら積み立て可能
・運用益が非課税→運用で増えた利益に税金がかからない
・受取時の優遇税制→退職所得控除や公的年金等控除が適用される
ねんきんネットで将来の年金額を試算する
年金の受給額がどれくらいになるかは「ねんきんネット」で確認できます。
現時点での見込み額や追納・iDeCo活用後の試算もできるため、老後の備えをより具体的に計画できますよ。
同年代の年収平均は……
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、35〜39歳の平均年収は約556万円*です。
質問者さんの年収は約400万円と、年齢別の平均と比べると低い水準になっています。
*……参考:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
まとめ
・老後に受け取れるお金を増やすには「免除期間の年金の追納」「iDeCoで個人年金をつくる」の2つの方法があります。
・将来の年金額をねんきんネットで試算して、老後の備えを具体的にしましょう。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆sino
ファイナンシャル・プランニング技能検定3級 日商簿記検定3級
資産形成や節約に関するアドバイスを得意とし、普段はライターとして活動しています。