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サッカー静岡県ユースリーグ開幕。古豪復活を期す浜名は1年でのプリンスリーグ復帰なるか。10番の鈴木士道が語るチームの現在地

アットエス


<県ユースAリーグ 浜名 1-2 聖隷クリストファー(3月15日・竜洋スポーツ公園)>

1年でのプリンスリーグ東海復帰を目指す伝統校・浜名の10番を背負うのはMF鈴木士道(ジュビロSS磐田出身)。周りと絡みながらチャンスをつくり出す技巧派だ。

同じ西部地区のライバル校、聖隷クリストファーとの県ユースAリーグ開幕戦では4-2-3-1のトップ下でプレーした。前半36分に左サイドをお手本のようなワンツーで抜け出してクロス。後半28分には巧みな反転からドリブルシュート。どちらもゴールにはつながらなかったが、浜名の攻撃の中心にはいつもこの10番がいた。

芝生の状態が良くなかったせいか、チームの持ち味となっているパスワークは影を潜め、試合には1-2で敗れた。

「ピッチ状況を考えてセーフティーにやろうと話していたけれど、言い訳はできない、勝つべき試合だったと思います。自分もシュート3本を打って決めきれなかった。もう実力の問題。チームを勝たせるためには、そのクオリティーを上げていかないといけないと思います」

浜名のスタッフ陣には今季から、学校OBでジュビロ磐田やコンサドーレ札幌、アルビレックス新潟などで監督を務めてきた柳下正明氏が入っている。最近の浜名はショートパスを連ねるスタイルが定着してきたが、数々の経験を積んできたプロ指導者によってアップデートが施された。

鈴木がチームとして取り組んでいる課題を説明する。

「最近は選手間の距離が近すぎることが多くなっていました。セカンドボールの回収とかには向いていたんですけど、展開力がなかった。もちろん今までの浜名のサッカーをゼロにはせず、ショートパスも生かしながら展開力を出していければ。相手の背後を狙わないとゴールまではいけないので、選手の距離感にちょっと違いを出しています」

鈴木は小学時代は磐田の田原FC、中学時代はジュビロSS磐田でプレーした。浜名高に入学後、スタメンで出場するようになったのは2年時から。昨年はプリンスリーグにもトップ下やサイドハーフで出場し、県リーグ降格の憂き目にあったものの多くの経験を積んだ。今季は県高体連選抜のメンバーにも選ばれ、春休みにスペイン・バルセロナに遠征する。

「毎年、浜名の10番は結果を残しているので責任を感じています。前を向いてもまだゴールを一番に考えられてなくて、パスを先に選んじゃう。リーダーシップを発揮して、自分が突き抜けてやらなきゃいけないと思っています」

浜名はこれまで元日本代表のGK松永成立さんやFW矢野貴章(現栃木SC)、MF松浦拓弥(品川CC)ら数々の名選手を輩出してきた。古豪復活を目指し、最近は県大会で安定して上位に食い込むことができるようになっている。

殻を突き破ろうとしている現役生たちはチームを“いるべき場所”に戻すことができるか。

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