「自分の好感度」が分かる問い。300組以上の芸人と仕事をしてきた作家が教える、人から好かれるための極意
「人間関係の悩みは、芸人の技術によって解決できます」と話すのは、300組以上の芸人にネタを提供してきたネタ作家・芝山大補さん。それに気づいたのは「人前で話すのが怖い」と悩む女性に出会ったことがきっかけでした。その女性に対し芝山さんが伝授したのは、会話と人生が楽しくなるお笑い芸人の思考パターン。しばらくするとその女性は、人前で話すことの恐怖心がなくなったそうです。今回は芝山さんの著書『お笑い脳 イヤなことをおもろいに変える芸人の思考法』(KADOKAWA)から、どんなこともおもしろくとらえる「お笑い脳」へのアップデート方法をご紹介します。
※本記事は芝山大補著の書籍「お笑い脳 イヤなことをおもろいに変える芸人の思考法」から一部抜粋・編集しました。
愛されない完璧よりも、愛される失敗
人から好かれたい。可愛がられる人間にどうやったらなれるんだろう。
そんな願いを持った方、たくさんいると思います。
基本的にお笑い芸人は人から好かれたり、可愛がられたりしなければ活躍できない職業といわれています。
それもそのはず、好感度はウケることに直結しているからです。
例えば、あなたの嫌いな人を思い浮かべてください。その人がおもしろいトークをしたときに、その話で心から笑えますか?
大体の方は「笑いたくない」と思うはずです。反対に、自分が大好きな人がおもしろいトークをしたときには、少々つまらなくとも「笑ってあげたい」と思うでしょう。
つまり、好感度が高いとウケやすくなるといえるわけです。
その証拠に長期にわたってテレビに出ている人は、どこか可愛らしく優しそうで愛嬌のある人が多いはず。(ほんのたまに、めちゃくちゃ嫌われて売れる人もいるけどね)
だからこそ、芸人は日々「どうすれば人から愛されるのか?」と向き合っています。
ここでは、そんな愛される芸人が使っている好感度を上げるための考え方を教えましょう。まず、質問をさせてください。
「あなたは失敗している姿を見られたら、どう感じますか?」
(1)恥ずかしい
(2)仕方ない
(3)興奮する
ここで選んだ選択肢によって、人からの好感度が変わります。
「(1)恥ずかしい」を選んだあなたは、残念ながら可愛げがないと思われてしまいます。
そもそも好感度を上げたいのなら、人は他人のどういうところに可愛らしさを感じるのかを知ることです。
実は人間は他人の「弱さ」を知ったときに、その人に親しみを感じます。
例えば、仕事先で「何もかもが完璧だと思っていた人」が飲みに行ったときに、「僕、恋愛は振られてばっかりでうまくいったことないんですよ〜」と言ってたらどうでしょうか?
一気に親しみがわくはずです。
これは、完璧だと思っていた人が弱さを見せることで、「この人もただの人間じゃん」と安心できるからだと考えています。
このことから、人は「完璧」には親しみがわかず、「欠点」には親しみがわくということが成り立ちます。
欠点ばかりの天然芸人が、お茶の間で愛されるのはこうした理由です。欠点は隠したり恥ずかしく感じたりせず、さらけ出していくことが大事です。
なので、さっきの質問に「(2)仕方ない」を選んだ人は、「好感度が高い人」になります。
おめでとうございます!
「(3)興奮する」を選んだ人は、ただの変態です。できるだけ自分の部屋から出ないでください。
ちなみに「欠点を見せる」手法は漫画の世界でもよく知られており、漫画のキャラクターを作る際は、必ず「強み」と「欠点」を作るようにするらしいです。そうすると読者はその弱さに親しみがわき、より一層キャラクターに魅力が出るようです。(『ワンピース』のゾロが方向音痴なのはそういうことですね)
人間も同じように「良い部分」ばかり見せるのではなく、欠点をさらすことは魅力をアップさせることに繋がります。
しかし当たり前ですが、欠点ばかり見せているとナメられるし、時によっては信頼を失うケースもあります。
ですから、僕が伝えたいのは「完璧を目指して欠点を一切見せない生き方はしんどいから、少しはさらけ出したらどうかな? それはそれで愛されるんだよ」というものです。
愛されない完璧よりも、愛される失敗です。
【残念な脳】
失敗はダメ。完璧でいなくちゃ
【お笑い脳】
失敗をしたらしたらで、それは愛されるから隠さない