<義母は「私のママ!」>親の愛情って?「本当の母親だと思ってね」優しい義母に感動【まんが】
私はヒナノ。夫のリョウと結婚したのは2年ほど前のことです。ずっと親の愛情を受けずに育った私は、リョウと会ったときに「世の中にはこんなに優しい人がいるのか」とビックリしました。そしてそのリョウを育てた義母も、またとても優しい人だったのです。しかも母親の愛情を知らない私に対して、「本当のお母さんだと思ってくれていいからね」とまで言ってくれました。私はそれ以来、義母のことを本当の母親として慕うようになりました。
今の会社で知り合ったリョウが私にプロポーズしてくれたのは2年ほど前のこと。まるで夢のような出来事でした。もちろん私は二つ返事でOKをしました。
私は子どものころ、両親から愛情をもらうことができませんでした。今は両親がどうしているのかまったく知りません。私と両親は完全に疎遠な関係になりました。そんな暗い過去をリョウはすべて知ってくれています。
リョウは私の過去をすべて受け入れて結婚してくれました。リョウは私にはもったいないくらい素敵な人で、「こんなに優しい人が世の中にいるんだ」と驚くほどでした。そして私はリョウのお母さんに会って、リョウがこれだけ優しい理由がわかった気がしました。なぜなら……義母もとても優しい人だったのです。
義母の優しい言動に「うちの親とは大違い……」だと思いました。
勤めている会社で知り合って、しばらくお付き合いしていたリョウからプロポーズされた私。 「本当に私でいいの?」と思うくらい幸せでした。子ども時代に両親から愛されていなかった私は、リョウの優しさに触れて、「こんなに素敵な人が世の中にいるんだ」と感動しました。 そしてリョウのお母さんに会った際に、「本当のお母さんだと思って甘えてね」と言ってもらえて、さらに私は幸せな気持ちになりました。これからはきっと、今までの人生と違ったあたたかい日々が待っているのでしょう。
今日も義実家へGO!!「親の愛情」を知ったシアワセな日々
いつも義母と同居の義姉たちが帰ってくるタイミングで私も帰るようにしています。そのときに義母はおかずをくれて、「また来てね」と声をかけてくれます。義母と一緒にいると、愛情でどんどん私自身が満たされていきます。さてこんな日々を過ごしていたら、私の心境にも変化が訪れました。
リョウはなんだか困ったような顔をしています。ひょっとしたら私が突然そんな話をしたから戸惑っているのかもしれません。しかしこれから時間をかけて説得すれば、リョウもきっとわかってくれることでしょう。義母との関係をもっと深くできると思うととても楽しみです。
結婚してから義実家の近くに住むようになり、私は次第に義実家へ通う頻度が増えてきました。それにつれて義母を「ママ」と呼ぶようになり、敬語もやめました。まるで私たちは実の親子のよう。 「本当の母親だと思ってくれていい」と言ってくれた義母に感謝です。義母と仲良く過ごしているうちに、私は「子どもを産んで、一緒にお世話したい。自分たちが同居したい」とまで思うようになりました。 これっていい変化、ですよね?
仲間ハズレなんてヒドすぎる!私だって義母の「娘」なのに!
私がいつものように義実家でゴロゴロしていると、夕方に義姉のミクさんと甥っ子のシンタくんが帰ってきました。
私が帰る準備をしていると、ふとカレンダーが目に入りました。2週間後くらいに「旅行」と書かれています。
私は思わず言葉を失いました。そして怒鳴ってしまったのです。突然大きな声を出された義母は何も言えずに固まっています。私は怒りに任せてミクさんにも怒鳴りました。
私の大きな声に驚いたのか、シンタくんはビクッと体を震わせます。そして今まで聞いたことがないほどの声で泣き出してしまったのです。
泣き出すシンタくんを見て、私はハッと我に帰りました。義母もミクさんも驚いた顔で私のことを見ています。
私はいたたまれなくなって逃げるように義実家をあとにしました。帰宅した私はひとりで泣いていました。 ふと目に入ったカレンダーのスケジュール。なんの気なしに聞いてみると、義母が義姉家族と一緒に旅行すると言うではありませんか。 何も聞かされていなかった私はビックリ。だって私はミクさんと同じく義母の「娘」なのですから。「良かったら一緒に行く?」と誘ってくれるのが当然じゃないですか。 きっとみんなして私のことを仲間外れにしたいのでしょう。カッとなった私が怒鳴ると……義実家を追い出されてしまいました。 でも謝れば、きっと許してくれるはずだと思います。
義母からの衝撃的な言葉「もう関わらないで!」私はヨソ者?
話しているだけで悲しみでいっぱいになりました。リョウは静かに聞いてくれていました。
リョウは帰りに実家に寄ってきたと言います。
「もう関わらないでくれ」という言葉に私は頭の中が真っ白になってしまいました。パニックになってリョウに向かって叫びます。泣きじゃくる私に、リョウは優しく声をかけます。
リョウは「お互い冷静になれるまで待とうよ」と、優しく話してくれました。
リョウは私のことを抱きしめてくれました。リョウと一緒にいられて幸せです。でも、今は「ママ」に距離を置かれてしまった寂しさで、ぼろぼろと涙がこぼれます。
リョウと一緒に義母や義姉に謝ろうと考えていた私。なんならリョウに「ヒナノも一緒に旅行に連れて行ってあげて」と口利きしてもらおうとまで考えていました。私はそこまで「親子愛」というものに妄信的になっていたのです。 そんなときに義母側から今後の関わりを拒否されてしまい、頭が真っ白に。孤独感でいっぱいになりました。私はずっと義母からの愛情ばかり求めていました。愛情を求められる場所を見つけ、なんだか暴走してしまっていた気がします。 「関わらないで」と言われてしまった義家族と、距離をとらなければいけないと、頭ではわかっています。けれど今は、どうしても寂しいです。
【夫の気持ち】愛情求めて暴走した妻「早く止めていれば……」
僕はリョウ。結婚相手として選んだのは、子ども時代に暗い影を落としているヒナノという女性だった。壮絶な子ども時代を過ごしたとは思えないほど明るい性格に惹かれ、交際も結婚も僕から申し出た。母にも事情を話すと、「私のことを本当の母親だと思ってほしい」と大はりきり。ヒナノも喜んでいたし、そのときは上手くいくと信じて疑わなかった。しかし最近になってヒナノがやや暴走気味で頭が痛い。僕がうまくコントロールできればいいのだけれど……。
姉ミクからのLINEを見て、僕は長いため息をついた。
嫌な予感しかしない。 実家に行くと怒りを含んだ顔の姉と、落ち込む母が迎え入れてくれた。そして衝撃的なことを言われた。
あまりの内容に僕もクラクラしてしまった。
姉は「私たちが怒鳴られたのはもちろんびっくりしたし不快だけど、それはまだいいの。でもね、シンタがショックを受けちゃって……。『ヒナノちゃんが来るならこの家いや!』って言い出しちゃって……」と、怒りを抑えながら話してくれた。
僕が「本当にごめん。もう二度と近寄らせないようにするから。もうヒナノちゃんはこのお家に来ないから安心してね」と伝えると、シンタくんは安心したようだった。
仕事の途中で姉から連絡がきて、「きっといいことではないだろう」と予感はしていた。 しかし実家では、僕の予想よりはるか上の出来事が起きていた。ヒナノが実家で怒鳴り散らしたらしい。どうやら今度行く旅行のことを知って、「なんで自分を連れて行かないんだ」と無茶な主張をしたらしい。なんでそんなことをしてしまったのか。 今となっては、「僕がもっと早く止めていれば」と後悔しかない。母も姉も、そして甥っ子も驚いてしまったことだろう。
母からの優しい謝罪。妻を支えるのは僕の役目だ
母は「リョウからヒナノちゃんに『ヒナノちゃんのことが嫌いになったわけじゃない』とそれとなく伝えてくれないかしら。今は私も混乱してるし、ヒナノちゃんもすごく傷ついてると思うから、すぐには仲良く会えないと思うの……。だけどきっとまたそのうち会えるようになると伝えてほしいの」と、悲しそうに呟いた。
一通り話が終わって帰ろうとすると、姉がこっそり僕に話しかけてきた。
姉は「……リョウ、あんたはあんたの人生を生きてもいいんだからね」と、心配した声で話し掛けてきた。
姉の心配はもっともだ。もし逆の立場なら、僕も同じことを言っていたかもしれない。だけど……。
僕がヒナノにしっかり愛情を伝えていなければならなかった。「お母さんに甘えると安心するのはわかるけれど、僕だって君に愛情があるんだよ」と言い続けていれば、母さんにばかり感情が向くことはなかったのかもしれない。反省とともに、改めてヒナノの支えになろうと決意した。だって僕はヒナノの家族なのだから。
母から突然の謝罪を受けて、僕はまたもや驚いてしまった。ヒナノに対して「本当のお母さんだと思ってほしい」と伝えた言葉に嘘はまったくなかったのだから、母さんに罪はない。本当に娘のように接したいと思っていたのは事実なのだから。 親との関係性がまだうまく掴みきれず、ひどい暴走をしてしまったヒナノにも悪意はない。でも悪意がなくても、人間関係がうまくいかないことはある……。 とにかく今は僕がヒナノに寄り添って、たくさんの愛情を注ぎたいと思っている。