ゲーム感覚でゴミ拾い!? コスプレにアプリ
連日観光客で賑わっている浅草。そんな浅草で地域の特色を活かした環境に配慮する取り組みが始まりました。
ゴミ拾いイベント
台東区役所 環境課 蔵内はるひさん
12月1日から1月31日までコスチュームを着用し、移動式のゴミ箱を持ったスタッフが浅草地区を巡回して、ゴミのポイ捨て禁止のマナー啓発を行う活動です。侍や忍者など、江戸時代を思わせる、外国人観光客の方にも親しみを持っていただき注目されやすいコスチュームを着て活動を行っています。ゴミ袋につきましては、観光客の方によるゴミのポイ捨てが課題となっていることから、持ち帰り用のゴミ袋を配布しております。袋の表面にはですね、日本語、英語、中国語、韓国語で思い出と一緒に自分のゴミも持ち帰ろうと!いうメッセージを掲載しています。一方で、区民の方には禁止ということが強く伝わるようにした方がいいのではないかというようなご意見もいただくことはございます。今回の取り組みにおいて良かったところ悪かったところがあると思いますので、そういった部分をですね、今後の取り組みに生かしていきたいと思っております。
台東区が「観光客の増加で課題と感じること」についてアンケート調査を行った結果、ポイ捨てやゴミ拾いに課題を感じると答えた住民や事業者が非常に多いことがわかりました。そうした事態を踏まえ今回の取り組みに加えて12月・1月に「清掃中」というゴミ拾い中にSNSアプリに通知されるミッション(クイズなど)に挑戦し、景品獲得ができる参加型のゴミ拾いイベントも開催しました。
一方で、同じように街をきれいにしたいとの想いから、とあるアプリを開発した高校生もいました。
ゴミ拾いアプリ
福井県 坂井高校の3年生 情報システムコース
加藤さんと斧さん
・アプリの内容はゴミを拾いそのゴミをスマホやタブレットなどでスキャンすると、AIがそれをゴミかどうか判断して、AIがゴミと判断したら、カードがゲットできるようになっています。カードはオリジナルで全部制作して作っています。対象を小学高学年ぐらいにしているので、カードの内容はかっこいいものだったり、かわいいものだったりといろいろあるので、ゲーム感覚で集めながら、ゴミ拾いをしていくというものになっています。公共の場所からゴミをなくしたいっていう思いで開発しました。
・カードでは、先ほどの加藤が下書きをして、僕がデジタルに置き換えてカードを作りました。小学校の周りなどの落ちてるゴミが少なくなるように学校の行事などで使っていってもらえたらと思ってます。
アプリ開発などを手掛ける企業の協力を得て高校3年生4人が地域に貢献しようと開発したゴミ拾いアプリ。
私も実際使ってみましたが、カメラで例えばゴミを映すと、AIが「これはゴミ」などと判断してくれて、ゴミだった場合、小学生が喜びそうな可愛いイラストのカードがアプリ上に反映される。これを沢山集めるとクリアになるといった子供たちがゲーム感覚でゴミ拾いが出来るアプリです。カードは弓矢や鎧、猫や可愛い動物まで様々なイラストが描かれており34種類ほどで全て高校生が自分達で作成したものです。企業のアドバイスにより、今回は対象を小学生に絞りましたが、ゆくゆくは応用して福井県などでも使って欲しいとのことでした。実際このアプリを同じ地域の小学生に使って貰ったとのことなのですが、反応はどうだったのかお聞きしました。
坂井高校の中宮健太郎先生
1月15日の日に完成したアプリを使って小学校6年生の13人と一緒にゴミ拾い活動をしました。1人1人にタブレットを持ってゴミを拾ってカードがゲットできると、そういったアプリを使ってゴミ拾いが楽しかった。あとカードもかわいくて嬉しかったっていうふうな御感想をいただいたり、今後も使っていきたいっていう男の子もいました。自分で研究テーマを設定して自分の力で問題を解決していく、そういった力ってのは今求められているので、そういったところだけ見ると、うまくいったなっていうふうには感じていますが、地域のためにっていうような目的でこれを作ってったので地元愛が大きくなったりとか、あとは地元で就職をしてもらいたいなっていうのが僕の思いにはなります。
少子高齢化は全国的な問題ですが、福井県の人口が2050年には57万人あまりと現在と比べて25%程減少し、65歳以上の人口は4割という推計を国の研究所が昨年まとめました。今回の取り組みを通して、将来も地域に貢献したいという思いをもって欲しいとの事でした。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:竹内紫麻)