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田内季宇&崎元リスト「挑戦する生き生きとした姿を観に来てほしい」ーー神戸セーラーボーイズ『パニックカフェ』team COFFEE公演開幕

SPICE

田内季宇、崎元リスト(神戸セーラーボーイズ) 撮影=福家信哉

Boys☆Act ~camellia『パニックカフェ』(ゲネプロ)
神戸三宮シアター・エートー 2025.1.22(WED)

神戸を拠点に活動する全員10代の演劇ユニット「神戸セーラーボーイズ」(以下、神戸セラボ)がおくる「Boys☆Act」。シリーズ第二弾の「Boys☆Act ~camellia『パニックカフェ』」が2025年1月18日(土)より神戸三宮シアター・エートーにて上演中だ。

team COFFEE

本公演へは神戸セラボから5人、関西・東京から5人の俳優が参加。岡 竣太(おか しゅんた)、大熊蒼空(おおくまそら)、片桐弐夏(かたぎりにいな)、桑野颯太(くわのそうた)、田中幸真(たなかゆうま、神戸セラボ)からなる「team MILK」と、神戸セラボの崎元リスト(さきもとりすと)、髙山晴澄(たかやまはると)、明石侑成(あかしゆうせい)、中川月碧(なかがわるきあ)と、東京から田内季宇(たうちときひろ)からなる「team COFFEE」のダブルキャストで上演する。

今回は1月22日(水)に初日を迎えた「team COFFEE」のゲネプロのレポートと、田内季宇×崎元リストのコメントを紹介する。(team MILKのレポートはこちら)

動じない店員の存在が、強盗犯とジャーナリストたちをより輝かせる

弟(髙山晴澄)

世間を騒がせる連続強盗犯と、特大のスクープを追いかけるジャーナリストが、ちょっと変わったレトロなカフェで鉢合わせしたことから始まるスリル満点の“パニックシチュエーションドタバタ活劇”。2004年に演劇ユニット*pnish*が初演した人気作で、演出を声優×吉本新喜劇『ボイコメ』シリーズの演出や、舞台『刀剣乱舞』の脚本を手掛ける片岡百萬両が担う。

連続強盗犯の兄弟と、ジャーナリストの先輩後輩、そして「パニックカフェ」の店員と、彼らの関係性の強弱がくるくると変わり、スピード感も楽しめる本作。まず登場するのが、犯行直後の連続強盗犯の兄弟。兄役を崎元リスト、弟役を髙山晴澄と中学生組が担った。そんな二人に震え上がるのが、ジャーナリストの先輩・宮坂役の明石侑成と後輩・遠峰役の中川月碧の年上組、店員役で東京から参加する神戸セラボの先輩俳優、田内季宇というのも面白い。

宮坂(明石侑成)

オープニングの不穏な空気感もあいまって緊張感が漂っていたが、徐々に4人の動きがスムースになっていく。カフェで居合せた兄弟とジャーナリストたちが、それぞれのテーブルでの会話を交互に見せる場面では、スポットライトが当たっていない方の組は何やらヒソヒソ、コソコソ。どんな会話が繰り広げられているのか、思いをめぐらすのも楽しい。強盗犯兄弟の崎元と髙山は、激しくケンカするシーンもあるものの、仲の良さがにじみ出ている。明石と中川のジャーナリストコンビも、互いにリスペクトする様が役柄を越えて感じられた。

兄(崎元リスト)
遠峰(中川月碧)

クールで非道な兄のキャラクターを、落ち着いたトーンで表現する崎元。いつもとは違う雰囲気にドキッとする人も多いのでは? やんちゃで激情型の弟役を髙山は体の動きや目線、声の強弱で勢いづける。遠峰を演じる中川も表情や声色をくるくると変えて、遠峰の中にある本音を表現。明石は宮坂というキャラクターを淡々と見せつつ、実は隠し持つトラウマを克服する姿を体を張って熱演した。

店員(田内季宇)

そんな4人を相手にボケまくる店員役の田内は、いくつもの枝を伸ばす大きな樹のようなどっしりとした存在感。舞台上のハプニングもすかさずフォロー、その頼もしさに安心感を覚えた。

ライブパートでは神戸セラボの4人と共にキレキレのダンスで田内も融合。「ロマンスの神様」では崎元、明石と3人で弾けるようなステージを展開した。また、中川と髙山による「木枯らしに抱かれて」は、指先まで美しい振りで魅了。二人のハーモニーもしっかりと聞かせてくれた。

芝居パートとライブパートを振り返るコーナーでは、それぞれに感想を語った。「今日が初日ということで、今日が大切な日になったら、また次の日も大切な日になるみたいな感じで記念日を続けていけたらと思う。今日という日をしっかりかみしめたい」と崎元。髙山は「お芝居パートで演じる弟役は普段演じたことのないキャラクターなので、とても新鮮で、稽古もめちゃ楽しかったです」と話し、稽古では明石と中川が言い合うシーンが毎回ツボにはまったと明かした。明石も「コメディーに振り切った芝居を神戸セラボでもあまりしたことがなくて、コメディーってこんなに楽しいんやと、役者としてやってみたい役の幅が広がったと思います」と目を輝かせる。「今回、僕は情けない声をいっぱい出していると思います。自分でも、これからどんな声が出てくるんだろうと楽しんで行こうと思います」と中川、笑顔を見せた。ライブパートで大汗をかいた田内は、「新陳代謝は誰よりもいい!」と笑いを誘った。

崎元リスト、役作りは話題になったあのドラマのキャラクター!?

田内季宇、崎元リスト

続いては、崎本リストと田内季宇のコメントを。

――ゲネプロはいかがでしたか?

崎元:今回はお芝居がいつも神戸セラボでやるよりも長くて、ひとりずつのセリフ量が多いとか、壁がいっぱいあったんですけど、それを一つ一つ乗り越えてきた上で今日のゲネにたどり着けたから、最初の一歩にしては良かったんじゃないかなって思います。課題もたくさん見つかったので、今回の公演中に改善していけたらと思います。

田内:神戸セラボの子たちは12月に舞台があった関係で、1月から本格的に稽古を始めたにもかかわらず、彼ら自身ですごくレベルを上げてきてくれて、今日のゲネを迎えられました。課題もありますが、いい形で初日を迎えられそうな感じで手応えがあり!……と言っておきます(笑)。

――神戸セラボの皆さんと一緒にやってどうでしたか。

田内:神戸セラボ摂取というか、彼らのフレッシュさと、ついつい忘れてしまいがちなエネルギーのようなものから新しく学ぶことがたくさんありました。(指示の)飲み込みが速くて、その年でここまでできるとなると、もう将来が末恐ろしいなと。彼らの伸び方に刺激を受けて、負けてられないなと思うことが多々ありました。

――崎元さんも田内さんから勉強になることがいっぱいあったのでは?

崎元:もういっぱいありますね。演出家さんから指示をいただいいた時、僕は自分の芝居に取り入れるまで時間がかかったりするんですけど、とっきー(田内)さんは言われた瞬間にそれができていて、やっぱりプロは違うなって思います。

――崎元さんは、兄の役作りはどのように?

崎元:僕はドラマの『地面師たち』を参考に落とし込んでやってみました。いつもの僕は声を張り上げてセリフを言うことが多いですが、今回は落ち着いて、ちょっと裏がある感じを出せるように頑張りました。

――田内さんは、店員さんのレトロギャグも躊躇ない感じでしたね。

田内:ギャグのところだけで言うと、自信満々であればあるほどやっべえな! ってなるという解釈で、自信満々で言ってます(笑)。

――ライブパートはいかがでしたか?

崎元:新鮮でしたよね。1人、大人がいる! みたいな(笑)。聞いたことのない歌声が聞こえるのでテンションが上がります。とっきーさんとトークも探り探りやっていくのが面白いです。

田内:僕はいかに神戸セラボに溶け込むか。この5人で自然な姿になれるように目指したいと思います。

――では、公演を楽しみにしていらっしゃるお客様にメッセージをお願いします。

崎元:今までの芝居は一人一人の出番が少なかったのですが、今回は1時間まるまる全員が出ていて、見せ場も一人1個ずつある舞台になっています。僕もしっかりと兄役を作って、皆さんが楽しめるコメディードラマをお届けできたらなと思います。

田内:神戸セラボの子たちが新しいことに挑戦している作品なので、それをヴィヴィッドに感じていただけると嬉しいです。お芝居も、ライブも、見たことがない神戸セラボの姿を見られる場になると思うので、彼らの新たな一面を知りにぜひ劇場に足を運んでください。僕という存在が物語をよりかき回しつつ、彼らがさらに輝けるように振る舞えるか。そして僕も時々は目立つような立ち振る舞いができたらなと思っております!

田内季宇、崎元リスト

取材・文=Iwamoto.K 撮影=福家信哉

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