「義実家」との関係を“いい感じに保つ”ポイント
結婚してから避けて通れないのが、義実家との付き合い。幸いなことに、僕の妻は最初から義実家との関係を上手に築いていました。そんな妻の姿を見て、「なるほど、こうすればお互いに気持ちよく付き合えるのか」と学ぶことが多かったんです。今回は、妻の工夫を参考にしながら、夫の立場でできる義実家との上手な距離の取り方を紹介します。
義実家との関係をいい感じに保つポイント
妻は結婚当初から、僕の実家と上手にやり取りをしていました。旗から見ていると「意外と馬が合うのか⋯!?」と思ってしまうほど。ですがよくよく観察していると、これは自然なことじゃなくて「立ち回り」が上手いんだというのが見えてきました。そこで、あるとき「何に気をつけてうちの実家とコミュニケーションしてる?」というのを聞いてみたんです。
それから、僕自身も妻がもっと気楽に実家家族と付き合っていけるために自分ができることを意識するようにもなりました。
妻的、義実家攻略のコツを紹介します。
1.攻めの姿勢で、ステークホルダーとキーパーソンを把握する!
何だかとてもビジネスっぽいですが、話を聞いているとビジネスというよりは政治っぽかったです(笑)
要は人間観察をしっかりする、ということで、この家族がどのような関係性で成り立っているのかを、びっくりするくらい正確に把握していました。
とくに、時々で移り変わるキーパーソンを見極めて、適切にコミュニケーションする姿は妻ながらアッパレ。うちは超田舎で昔ながらの伝統的価値観が根強く残っています。そのため、最高権力者は祖父であり、次が父、そして長男の僕、となる。だから例えば「帰省時期のタイミング」の話を僕が母と電話などでしていると横から「お義父さんとおじいちゃんの了解を必ず取って。確認して!」と言ってきたりする。そうでないと、後から平気で覆されたりすることをわかってるんですね。
また、お盆の準備などについては祖母が最高権力者になる。そういったところを把握して、誰に話を持っていけば話がスムーズかというのを見極めていました。
2.「いい嫁」じゃなく「イエスマン」として可愛がられる!
何でも最初が肝心、ということで、妻は最初から「いい嫁」を演じようとはしませんでした。正確にはこれは「嫁タスクモードのオンオフを切り替える」ということでもあるようです。
そしてとにかくオンモードのときは「イエスマン」に徹するのだと。
たとえば、うちの実家の人たちはいつまでも同じ話を繰り返したりします。お盆の飾り花をどうするか、何十年も毎年やってることだからマニュアル化されててもよさそうなものですが、いちいち何をどのくらい、どこで買うか、いつ買いに行くかなど話し合ってる。去年は去年、今年は今年ってことです。
この話が延々数日間繰り返されます。…⋯いや、10分で決まるやん、と思うけどそうじゃない。
こうした田舎特有のコミュニケーションに論理的に突っ込んでも不毛なだけ。妻は早々に「決まったらわたしが買いに行きますね!」と席を外します。「言われたらやる!」という下っ端姿勢を徹底することで、力を抜いているとのこと。
…⋯うちの母などは、1のキーパーソンの把握ができていないので、自分の意見を無理に通そうとしたり祖母の意見との折衷案を考えたりして、その結果不毛に疲れたあげく、お盆の花選びに数日もかかってしまうのです…。
夫的、妻が義実家と上手に付き合うための工夫
つぎに、夫として妻が自分の実家とうまく距離を保ちながら付き合えるためにしている工夫も紹介します。
1.実家とのやり取りの窓口になる
一見、仲良くやっていそうに見えても、そこには膨大な量の気遣いが発生しています。そしてその気遣いは妻のMPを著しく蝕んでいく。
なので、基本的には実家とのやり取りはそれぞれがやっています。僕の実家については僕が。妻の実家については妻が。
たとえば、荷物が届いたときのお礼LINE。昔は妻が送ってくれていましたが、僕が先に連絡することで、義実家とのやり取りがスムーズになりました。こうすることで、妻が「気を使うこと」を減らせるのは大きなメリットです。
2.帰省時はメリハリをつける
僕の実家に帰省したとき、妻が「気を使う時間」だけになってしまわないように、「リラックスする時間」を意識的に取り入れるようにします。
たとえば、食事の準備や片付けなど、嫁タスクのオンタイムでは妻は積極的に手伝っています。でも、それ以外の時間は「ちょっとみんなで出かけてくる」と遊びに行ってしまいます。それを僕が妻と子どもを誘う形にすれば、スムーズに外出できます。
義実家との付き合いは、無理に合わせすぎず「程よい距離感」を持つことが大切です。妻のやり方を見て、僕も「義実家との関係を穏やかに保つ工夫」を意識するようになりました。
夫婦で協力しながら、お互いに心地よい距離感を見つけていけるのが理想ですね!
三木智有/家事シェア研究家