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劇作家・演出家の上田久美子が主宰する演劇カンパニーProjectumï、蒲田温泉の宴会場で『寂しさにまつわる宴会』を上演

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Projectumï『寂しさにまつわる宴会』

劇作家・演出家の上田久美子が主宰する演劇カンパニーProjectumï(プロジェクトゥミ)が、2025年1月24日(金)~2月3日(月)、東京都大田区にある蒲田温泉の宴会場にて『寂しさにまつわる宴会』を上演することを発表した。

本作は、昭和から続く蒲田温泉の宴会場を会場に、端役の役者と一人の労働者の物語を描く、宴会形式の演劇公演。

作・演出を務める上田は、2006年より宝塚歌劇団演出部に所属し、2013年からは数々のヒット作を⼿がけてきた。2022年に同劇団を退団後、文化庁新進芸術家海外研修生としてフランス・パリでの滞在を経て、2024年1月に Projectumïをたち上げた。Projectumïは、少数の観客層が志向する前衛的な作品と大衆的なエンターテインメントの中間に位置する作品作りを目指し、批評性の高いテーマをアクセシビリティ高く人々に共有しながら、演劇文化の享受のされ方まで含めて開拓する活動を行う。

宝塚歌劇時代には、歴史を深く洞察したオリジナル戯曲や、哲学的なテーマ性、美しく動的な演出が高く評価されてきた上田だが、現在は商業演劇の枠を越え、現代演劇に挑戦している。今回は、フランスの演劇学校で学び、現代演劇の俳優として国際的に活躍する竹中香子、そして大衆演劇界で随一の実力を誇る三河家諒という、異なるバックグラウンドを持つ2名の俳優を迎え、創作に取り組む。出演者自身も台詞や演技の提案を行う集団創作を通じて、演出家中心の従来の制作方法から一歩踏み出し、より民主的な創造環境を作ろうとしている。

本作は、「大衆演劇」をモチーフにした孤独な女性たちの物語であり、従来の劇場形式を超えて、銭湯の宴会場というユニークな空間で上演される。観客と役者の境界を曖昧にし、パワフルなパフォーマンスで他者とのつながりを希求する人間の欲望をぶつけ合う。現代日本の都市生活の中でコミュニティを失い、地縁や血縁に結びつくアイデンディディを持たなくなった個人たちが、いかにして生きていくことの奥底にある空虚さを突き抜けてこの世界と接続していくかを問いかけ、集まった観客を揺さぶり、癒すことを試みる。

この特異な空間を会場に選んだ理由は、演劇が「自分たちのものではない」と感じがちな非・演劇ファンにも開かれた、包摂的な「場」を作りたかったという上田の思いからである。昭和12年創業の蒲田温泉は地域と深く結びつき、その「場の力」が根強い。地域貢献を意識し、会場周辺の住民を誘致できるよう区民割引も設けた。現代演劇の批評家、大衆演劇や宝塚のファン、地域住民など、多様な階層の人々が宴会場で混ざり合い、「居心地が良くないこともある多様性」を出演者も観客も乗り越えることで、人々が垣根を越えて時間を分かち合う包摂的な「劇場」を作ることを目指す、とのこと。

上⽥久美⼦(作・演出・出演) コメント

私は、これまで宝塚など⼤きく贅沢な舞台で脚本を書き演出してきました。組織を離れて一人で作品を作る、まだ「かけだし」だから、音響、照明、司会、できることは全部自分でやります。生まれ変わるためにジタバタする私に会って、誰かが元気になったらいいなと思います。

竹中香子(出演・創作コラボレーター) コメント

世界中で分断と対⽴が加速する中、私自身、なぜ演劇をやるのかわかりません。それでも、全く異なる環境で演劇に接してきた3人が、ひとつの場所に集い、言葉を重ねるプロセスに希望を感じています。そして、私たちと同じように、バラバラな価値観をもった観客を歓待する寛容な場を、蒲田温泉に出現させられるなら、やはり演劇という場をひらく意味はあると信じたいです。

三河家諒(出演・創作コラボレーター) コメント

これはまさに異種格闘技。私にとりまして初? と⾔っても過⾔では無い舞台になるのでは?とは⾔いつつも、温泉施設の会場で、飲食をしながらの観客の前で演じる。これは私が一番慣れているのでは?いつしか観客の手も口も止めて、舞台に集中して頂けるか? さて、宴会か? はたまた演怪か? 私自身も楽しめたらと思います。

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