ハーブインストラクターが輝くステージ「cafe AROMAMA」。
阿賀野市に昨年オープンした「ハーブとスパイス料理のお店 cafe AROMAMA」。スタッフはハーブインストラクターの有資格者、店主は養成スクールの講師という、「ハーブのプロフェッショナルたち」が営業しているカフェです。今回は「cafe AROMAMA」の店主でありハーブ教室の講師でもある市村さんに、飲食店をはじめたきっかけなどいろいろと聞いてきました。
cafe AROMAMA
市村 江里 Eri Ichimura
1983年五泉市生まれ。いくつかの会社で勤務し、結婚を機に専業主婦となる。アロマやハーブを学び、関連する資格を取得。10年ほど前から自身が講師を務めるハーブ教室をはじめる。2019年「ハーブスクールAROMAMA阿賀野」開校。2024年に「cafe AROMAMA」をオープン。
ハーブ教室の講師が抱く、使命感。
――市村さんは、ハーブ教室の先生でもいらっしゃるんですね。
市村さん:阿賀野市内で「ハーブスクールAROMAMA阿賀野」というハーブインストラクター養成教室を運営しています。お庭では100種類以上のハーブやお野菜を育てているんですよ。
――そもそも市村さんは、どうしてハーブに興味を持ったんですか?
市村さん:まだ長男が赤ちゃんだった頃、ベビーマッサージの教室でラベンダーのクリーム作りを体験したんですね。そのクリームが、アトピー体質だった長男によく効いて。荒れていたお肌が、すごく良くなったんです。それからアロマを勉強しはじめたんですけど、アロマって化学的な考え方が必要なんですよ。あんまりにも難しくて、上位コースに進むか迷ってしまって。そんなときにお友達から誘われてハーブについて学んだところ、どっぷりとハマってしまいました。
――へぇ~。そこまで夢中になるなんて、ハーブならではのおもしろさがあるんでしょうね。
市村さん:育児の他に夢中になれるものがあるって、すごく心強いんですよね。月に1度のレッスン日がすごく特別でした。もう、非日常(笑)。それで、ふと気づいたんです。自宅のある阿賀野市には、ハーブ教室と同じように自然豊かな環境があるじゃないって。ハーブを育てられるスペースもあるし、日当たりも十分。「ここで私がレッスンをやることだってできるかも」と思ったんです。
――では、この度「cafe AROMAMA」をはじめようと思われたのは?
市村さん:「ハーブスクールAROMAMA阿賀野」は、「JHS認定ハーブインストラクター」初級、中級、上級の養成校です。上位資格を取得された生徒さんの輩出数がだんだんと増えてきて、「この資格を取ったら何ができるんですか?」という質問をたくさん受けるようになりました。生徒さんから大切な受講料をいただいて教室を運営しているわけですから、「資格を生かせる場を作るのも講師の仕事ではないか」と思ったんです。それで「cafe AROMAMA」をはじめたんですよ。「cafe AROMAMA」のいちばんの特色は、ハーブインストラクターが働いていることですね。
調味料は自家製。その調味料に含まれるハーブも、栽培。
――でも、どうしてカフェを選択したんですか?
市村さん:私、料理がすごく好きで、ハーブ教室とは別に外部の教室で7年間料理を教えていたんです。オリジナルレシピがたくさんあるし、ハーブの知識を生かせば「AROMAMA」らしいカフェができるんじゃないかなと思ったんです。それに飲食店は、ハーブ教室よりもずっと入りやすいですしね。ハーブに触れる入り口としては、ぴったりです。
――お店に入った瞬間から、いい香りが漂っています。どんなメニューがあるんでしょう?
市村さん:ハンバーグやシーフード焼きうどん、ボロネーゼ、ペペロンチーノ、ガパオライス、タコライスが定番です。鍋メニューは寒い季節に限らず、提供していこうと思っています。「ハーブは季節とともにある」が基本ですので、メニューはどんどん変わるんですよ。暑い時期は熱の排出を助けるもの、逆に寒い時期は熱を体内に溜め込む食材に選ぶようにしています。基本的に添加物は使わずに、調味料は手作りです。
――調味料って、手作りできるんですか。
市村さん:ケチャップ、ウスターソース、ハーブソルト、食べるラー油、コチュジャンなんかは自家製ですよ。ハーブ教室で栽培しているハーブやお野菜をなるべく使うようにしているので、それも「cafe AROMAMA」の味の決め手ですね。
ハーブインストラクターとして、活躍できる場を提供。
――市村さんは子育て中にハーブにハマってから、今ではハーブ教室とカフェのオーナーさんです。生徒さんにとっては、いちばん身近な「資格を有効活用している存在」なのでは。
市村さん:専業主婦でしたから、今思うと「教室をはじめる」なんてすごい行動ですよね(笑)。私と一緒にハーブを学んでいた方はたくさんいました。でもこうして仕事にしている人間は、ひと握り。そういう世界だと思います。
――「講師になるんだ」って強い気持ちがあったんですか?
市村さん:もう会社員には戻れないと思ったんです。年の近い子どもが3人もいて、会社勤めは難しいだろうなと感じていました。それに「JHS認定ハーブインストラクター 上級」を受験するためには、インターン経験として教室運営をしなければならなくて。ソーセージやアロマのリップクリーム作り教室を開いてみたら、もう楽しくて、楽しくて。生徒さんと一緒にハーブの世界を広げられることに、充実感があったんです。
――「cafe AROMAMA」をはじめたメリットって、ありますか?
市村さん:カフェから今年度のハーブインストラクター講座の申込につながったケースがありますね。以前よりも資格を生かせる場が増えたので、生徒さんの学ぶ意欲の高まりも感じます。お客さまから気づきを与えていただくことも多いです。今までとは違う出会いに恵まれるところは、カフェならではですね。
――ハーブインストラクターさんが活躍する場をさらに広げようと、今まで以上に動いていらっしゃるそうですね。
市村さん:ハーブを学んでいる方がやりたいことは、さまざまです。クラフト系に進みたい方もいれば、講師の道を目指す方もいます。「AROMAMA」の目標は、生徒さんひとりひとりがハーブインストラクターの資格を生かせる場を作ること。将来的には、生徒さんのやりたいことをすべて叶えられるサービスを作れるんじゃないかと思っています。資格を持っている方から「『AROMAMA』に頼れば大丈夫」と思われる存在を目指して、年内に会社を設立するつもりです。
ハーブとスパイス料理のお店cafe AROMAMA
阿賀野市中島町1-4
080-2457-0488
ハーブスクールAROMAMA阿賀野