ピックアッププレーヤー 卓球女子 勝利のキープレーヤー阿部愛未(明豊2年) 【大分県】
卓球女子団体で全国高校選抜大会に出場する明豊の阿部愛未。卓球をしていた両親と幼なじみの影響で4歳から卓球一筋。身長150cmと決して体格に恵まれている訳ではないが、大の負けず嫌いで「勝ちたい、強くなりたい」という気持ちを原動力に力を伸ばしてきた。
高校に入ってからも1年からチームの中核として活躍。試合では守りに入るような場面でも躊躇(ちゅうちょ)なく攻めに転じる大胆さ、相手・状況に応じて臨機応変に対応できる判断力など勝負強さを武器に、勝利のキープレーヤーとしてチームを支えている。
新チームでは「中学から明豊でずっと卓球をやってきた。最後の1年間、支えてくれた人たちに感謝を伝えるために、結果を出せるチームをつくりたい」とキャプテンに立候補。普段はのんびりマイペースな部分が目立つが、卓球にかける思いは人一倍強い。松本香織監督は「結果も含めて誰よりもチームのことを考えている。分析力も高い。調子が悪くても、コートの中に入れば『何とかしてくれる』と思わせてくれる存在」と大きな信頼を寄せている。
「強くなりたい」という気持ちを原動力に、力を伸ばしてきた
常にチームをけん引してきた阿部だが、昨年12月の九州高校新人大会では力を出し切れず悔いを残した。「(優勝がかかった希望が丘戦で)シングルスを落としてしまった。後輩のおかげで優勝できたが悔しい。自分の中にこれくらいでいいやという甘えがあった」。そこから練習はもちろん、日常生活全てを見直し、自分の心と向き合っている。「『やるべきことをやる』といっても、家で率先してお手伝いをする、勉強も頑張るなど小さなことも多いんですが」と照れ笑いを浮かべるが、初心に返り、自らを律することでさらなる成長を見せてくれるに違いない。
全国選抜ではグループリーグを突破し、順当に勝ち上がれば決勝トーナメント2回戦で優勝候補の四天王寺(大阪)と当たる。勝ち上がるのは簡単ではないが、怯(ひる)むことはない。「目標はベスト4。毎日、昨日よりもっと良くなるように、個人とチームで反省を行い、一人一人の力の底上げを目指している」と、全員が同じ気持ちで、同じ目標に向かって努力できるよう、キャプテンとして奮闘中だ。
ただ、全国選抜は越えるべき壁の一つに過ぎない。中学から指導してくれた監督、ずっと寄り添い応援してくれた家族など支えてくれた全ての人に「結果」という形で感謝を伝えるために、苦しい時間も楽しい時間も分かち合ってきたチームメートと共に最後の1年を戦い抜く覚悟だ。
「感謝の思いを結果で伝えたい」と語る阿部愛未
(甲斐理恵)