愛猫が飼い主さんに『見られたくない…』と思っている3つのこと 猫だって気まずい気分になる?
1.トイレ中は視線が痛い…
猫砂にせっせと穴を掘り、行儀よく座って、用を足す。終わると、産み落としたばかりの我が分身をひとしきり嗅ぎ、「まぁまぁの出来だな」とそれなりに納得して、律儀に猫砂をかけて埋める。
一連の排泄プロセスは、キレイ好きな猫ならではのもので、かわいらしさも満点です。不思議さと面白さもあいまって、飼い主さんもつい見入ってしまう行動かもしれません。
見た目的には愛らしい姿ですが、実は、猫にとってトイレは、命を賭けたチャレンジです。人間でも同じですが、排泄時はいちばん素に戻る瞬間であり、無防備そのもの。野生時代の猫で言えば、最も敵に襲われやすい状況です。
隙だらけの排泄時に、誰かからジロジロ見られると、たとえ悪意はなくても、猫は攻撃的なニュアンスを感じ、にわかに緊張してしまいます。
デリケートな子の場合、気まずさゆえに、おしっこやうんちを我慢したり、果ては粗相にまで至りかねません。
愛猫がお花を摘んでいるとき(トイレの隠語)は、好奇心からの見物は控えて、あえて明後日の方向を向いて、スルーしてあげるのが飼い主さんの「やさしさ」です。
2.食事中はそっとしておいてね…
食事中もまた、無防備になりやすいタイミングです。野生の視点に立ち返ると、敵に狙われやすいうえに、ライバルたちによる横取りの心配も尽きません。早くごはんを済ませて、さっさと安全な場所に移動したい。それが、猫の本音です。
ごはんをガツガツ食べる愛猫の姿は、とても微笑ましく、許されるなら、ずっと見ていたい瞬間でしょう。嫌なことやストレスも吹き飛び、わけもなく勇気づけられるひとときです。
ただし、愛猫の立場では、ちょっと迷惑な話かもしれません。
ひとたび飼い主さんのマジマジ光線を浴びると、猫の脳裏に野生時代の古い記憶が蘇ってきます。横取り上等、逆ハンティングなど、リスキーな展開がよぎり、まったく落ち着きません。
言うまでもなく、ごはんタイムは、猫の一日の中でもハイライトです。誰にも邪魔して欲しくありません。リラックスした状態でなければ、飼い主さん厳選のフードの美味しさも半減してしまいます。
もちろん、それほど気にしない猫もいますが、大昔、野生の猫が過酷な環境で生きていたことを思えば、やはり、食事中はそっとしておいてあげたほうが良いでしょう。
3.ヘマをやらかしても注目しないで…
運動神経抜群な猫もときにヘマします。飛び損ねたり、変な体勢で着地したり、飼い主さんの膝の上からずり落ちたり、キャットタワーから滑落したり、いろいろあります。
ちょっとしたドジにも独特の愛嬌があって、飼い主さんも思わず見つめてしまう状況でしょう。あまりにもかわいいので、ただ凝視するだけでなく、派手なリアクション(爆笑など)もつけ加えてしまうかもしれません。
飼い主さんからの注目、外野の大騒ぎは、猫にとっては想定外の展開です。アクシデントによって、「渦中の猫」になってしまったようなもので、少々、居心地の悪さを感じてしまいます。
まとめ
改めて考えると、見られてイヤな行動は、猫もヒトも共通していると言えるかもしれません。食事中に知らない人から凝視されたうえに、「かわいい!」なんて言われたら、ほとんどの方はゾッとするはずです。
猫にとって第三者からの視線は、鋭い刃物のようなもので、「取り扱い注意」に該当します。個体の差はありますが、今回、取り上げた3つの行動時には、できるだけじっと見つめないことが大切です。
むしろ、間接視野で愛猫のかわいらしさを堪能する。その技術を鍛え上げたほうが賢いかもしれません。紹介した内容が、そのためのヒントになれば幸いです。