「うつ」か「自律神経の乱れ」かを判断すべき重要な理由とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話】
自律神経の乱れは体の不調
めまいや倦怠感、肩こり、腰痛、頭痛、動悸などで受診すると「自律神経失調症」という診断名がつけられることがあります。これは正式な病名ではなく、自律神経の乱れが原因と考えられる上記の「症状」を指し、これらの症状はあるが、特に身体に異常がみられない場合に用いられます。
この自律神経の乱れは女性の場合、特に出産後のホルモンバランスの乱れによって起こることが多いです。状況や家庭の事情によって受診するのはなかなか難しいかもしれませんが、産後体に違和感を感じたときは我慢せず専門医に相談できると身体的にも精神的にも楽になるでしょう。
自律神経失調症かそうでないかは自律神経外来で測定すればすぐに判断できます。特に異常がないことがわかると不思議と安心して不調が治ってしまう患者さんも沢山います。
一方、うつ病は、脳内の神経伝達物質の分泌異常によって症状が現れる心の「病気」で、精神エネルギーが著しく低下している状態です。ストレスや過労などによる自律神経の乱れから発症することが多いのですが、他にも様々な要因があり、一概には言えません。
うつ病は珍しい病気ではありません。気分が沈んだままで、体が思うように動かない、生きていることが苦しいと感じるような場合は、迷わずメンタルクリニックでの治療をおすすめします。
気分が沈んでしまったり、なんとなく不調が続いた場合、それが「自律神経の乱れ」なのか「うつ」なのかを知ることは、その後の対応を考えるうえで重要な指針になるのです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』 著:小林弘幸